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ワーカーズ・ダイジェスト の商品レビュー

3.3

168件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    55

  3. 3つ

    56

  4. 2つ

    16

  5. 1つ

    7

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2014/04/06

同い年で同じ誕生日、同じ苗字。 普通なら運命的なロマンスになりそうだけど、 働く30代男女の日常がとても淡々と綴られていく。 ピークを越えて衰え始めた身体、それなりに受け流す事 も出来るようになってきた仕事や人間関係。 いちいちリアルなところに妙に惹き付けられてしまう。 「ワー...

同い年で同じ誕生日、同じ苗字。 普通なら運命的なロマンスになりそうだけど、 働く30代男女の日常がとても淡々と綴られていく。 ピークを越えて衰え始めた身体、それなりに受け流す事 も出来るようになってきた仕事や人間関係。 いちいちリアルなところに妙に惹き付けられてしまう。 「ワーカーズ・ダイジェスト」というタイトルがぴったり。 こんな毎日を過ごしているのは自分だけじゃないんだなと、 ちょっとだけ安心できるような本。 個人的にはせっちゃんの婚活がすごく応援したくなった。 併録の「オノウエさんの不在」はいまいち面白さがわからなかった。

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2014/03/25

こうやって描かれると、現代社会で働く私達って実は結構過酷な状況にいるよなぁと実感する。でも、その時々でそれなりに苦しかったり悩んだりすることはあっても、殆どの人はなんとなく自分に折り合いをつけて、それなりに楽しく生活しているのだと思う。私にとってリアルに感じられる日常が…ドラマら...

こうやって描かれると、現代社会で働く私達って実は結構過酷な状況にいるよなぁと実感する。でも、その時々でそれなりに苦しかったり悩んだりすることはあっても、殆どの人はなんとなく自分に折り合いをつけて、それなりに楽しく生活しているのだと思う。私にとってリアルに感じられる日常が…ドラマらしいドラマは起こらない…書かれていて、でもなんとなく薄っすら前向きになれるようなお話。 ただ、主人公達が割と繊細だと思うのだけれども、彼等の考え方や感じ方に軽い違和感があって、自分はやっぱり楽観的な人間なのかも、とも感じた。

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2014/03/18

仕事小説のアンソロジーで初めて津村さんの作品を読んだら面白かったので読んでみた。 大阪と京都で働く、同い年で同じ誕生日の男女の日々。ラストに思いがけない再会を果たす二人は今後どうなるのか。 柴崎友香さんの作品に近い、おちがないけどリアルな人間模様が楽しかった。

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2014/03/14

おそらくどうでもよいと思われる 会話を、再現する天才だと思います。 ペレはEDやなかったんや…て 笑

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2014/03/03

14/03/03読了 相変わらず安定した、働く大人の物語。淡々と、ほどほどに誠実に日々を送り仕事に取り組む、2人の佐藤さん。ようやく津村記久子の恋愛小説!と思ったのに、いつものごとくふわっと肩透かしでした。

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2014/01/19

東京の建設会社に勤める佐藤重信。大阪のデザイン事務所に勤め、副業でライターの仕事をこなす佐藤奈加子。偶然出会った2人は年齢も、苗字も、誕生日も同じだった。肉体的にも精神的にもさまざまな災難がふりかかる32歳の1年間を、二人は別々に、けれどどこかで繋がりを感じながら生きていく。 ...

東京の建設会社に勤める佐藤重信。大阪のデザイン事務所に勤め、副業でライターの仕事をこなす佐藤奈加子。偶然出会った2人は年齢も、苗字も、誕生日も同じだった。肉体的にも精神的にもさまざまな災難がふりかかる32歳の1年間を、二人は別々に、けれどどこかで繋がりを感じながら生きていく。 勤め人の悲喜こもごもをユーモラスに描いた著者の小説は他にも読んだことがあるが、同じテーマでもこの作品は視点が面白い。別々の場所で暮らす二人の1年を交互に描いている。1年の間、二人は特に接点を持つことはなく、一度会っただけの相手を時々「あんな人いたなぁ」と思い出す程度である。それでもなぜだか面白い。同い年の勤め人として悩む点は不思議と似ている。そしてきっと、現実を生きる私たちとも似ているのだ。 32歳というと処世術を身につけ、社会の理不尽さとも折り合いが付けられるようになり、体力的にも少しずつ老いを感じるような年齢なのではないだろうか。そのような現代人の姿が主人公にそのまま投影されており、読者は共感しながら物語を楽しむことができると思う。 毎日いらっとしたり悩んだりすることばかりだけど、実はどれもたいして重要じゃなくて、たまにはいいこともあるさ、という働く人々へのちょっとのやさしさと励ましを感じる物語だった。

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2013/12/07

30才過ぎの男女。それぞれの生活の日々がたんたんと書かれてる感じ。いそうだな~こんな人。 2013.12.7

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2013/11/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

30代の男女が出会って離れて、また出会った。二人の仕事模様を中心にたんたんと描かれる物語。「特に幸せではないけれど、不幸でもない」具合が痛いです。作中「もういいや」で片付けてしまうのはどうかと思います。20代後半ぐらいに読んでいたら、違った感想を持ったかもしれません。

Posted byブクログ

2013/10/07

仕事の関係で偶然出会った二人の佐藤さん(同い年の31歳で誕生日まで一緒)。1人は女性でデザイン事務所勤務&フリーのライター、もう一人は男性、建設会社に勤めている…。. 津村さんの小説を読むと、“働く”ことに対して、自己実現だの、夢だの、なんて言ってる場合じゃないんだな、と思え...

仕事の関係で偶然出会った二人の佐藤さん(同い年の31歳で誕生日まで一緒)。1人は女性でデザイン事務所勤務&フリーのライター、もう一人は男性、建設会社に勤めている…。. 津村さんの小説を読むと、“働く”ことに対して、自己実現だの、夢だの、なんて言ってる場合じゃないんだな、と思えて、でも、じゃあ、仕事をしている自分の日常はただの暗い日々なのか、ということでもないんだよね。 女・佐藤さん(奈可子)は、仕事の内容に関してはなんとかやれていると思いつつ、職場の女同士の人間関係ではチリっとくることの多い日々。また、仕事相手の他社の男性が、最初はいい関係だと思っていたのが実は、暗に尊敬を求めているらしい、ということが徐々にわかってきて、そのアプローチのねちっこさに辟易している。 また、男・佐藤さん(重信)は、受け持ちの建築現場の騒音被害を受けているというクレームに振り回され、しかもそれは中学の同級生らしく、重信個人に対する嫌がらせと思われる、と気づき始めるあたりが、そのわけのわからなさが気持悪いというか、仕事ってそんな風にどこからイヤな風が吹いてくるかわからないところがあるよね、というか。 奈可子と重信の話が交互に語られて、元々、大阪出身の二人が段々に近づいていく展開が面白い。 少女漫画なら当然、ここで二人に恋が芽生えることになるのだけど、(そうなってもいいな、と思った)そこは津村さん、ということで・・・。 津村さんって、仕事に生きがい、というのでもなく、じゃあ、恋とか結婚で幸せに、というのでもなく、日々のあれこれ、やってくるものは、はいどうぞ、あるいは、まぁ、ちょっと脇に置いとくか、みたいに淡々と受け止めたり、やり過ごしたりする人なんだろうなぁ、と思う。 で、じゃあ、何も面白くない話か、というと、それが面白い、というところが、なんていうか、面白いところで・・・。(汗)(#^.^#) ただ、正直、私が津村ファンとなったのは、 「とにかくうちに帰ります」 からなので、この「ワーカーズ・ダイジェスト」を含め、それ以前の作品は、まだちょっと試行錯誤中、みたいな感じを持ってしまう。 「ウエストウイング」 「これからお祈りにいきます」 と、最近の作品は出すたびに、私の中ではヒット(#^.^#)で、 津村さんの実際の最初の職場でのパワハラ経験の呪縛(と言ってしまうけど)から抜け出るためには随分何作もの小説を書かなければいけなかったんだなぁ、なんて勝手に分析してしまっている次第。

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2013/09/20

『ポストスライムの舟』で芥川賞をとった津村記久子さんの2011年の作品。ゼネコンに勤める32歳の青年と同じ年で小さなプロダクションでライターとして働く女性の冴えない日常とそこに埋もれまいとするのだが自分の力では何ともできないかもと思い始めている瞬間がある事にいらついている二人。そ...

『ポストスライムの舟』で芥川賞をとった津村記久子さんの2011年の作品。ゼネコンに勤める32歳の青年と同じ年で小さなプロダクションでライターとして働く女性の冴えない日常とそこに埋もれまいとするのだが自分の力では何ともできないかもと思い始めている瞬間がある事にいらついている二人。そんな二人が仕事を通じて出会うのだが、二人に明るい将来はあるのか?その先は描かれてはいないのだが読ませる筋書きを書くちからは感じた。短編2編目も救いのないやるせないお話です。読後感はよろしくないので、力が有り余っていないかたは読まない方がよい小説です。

Posted byブクログ