ワーカーズ・ダイジェスト の商品レビュー
”つながっている”とも言えないほどの、淡いつながり。ほんの少し、救いになっているのだろうか? この著者の、書き連ねていくような文章は思考の状態に似ているし、働く人々の心境描写は共感できることばかり。 就職すると、日々が変化に乏しくて、そのために八方ふさがりだ、と感じたりすること...
”つながっている”とも言えないほどの、淡いつながり。ほんの少し、救いになっているのだろうか? この著者の、書き連ねていくような文章は思考の状態に似ているし、働く人々の心境描写は共感できることばかり。 就職すると、日々が変化に乏しくて、そのために八方ふさがりだ、と感じたりすることも、たまにあるのだけれど。 自分の人生を振り返ると、特筆すべき事は何も思い当たらなくて、じゃあ私の人生には別に意味とかないんじゃないか? と思ったり。 それでも結論として、”良くもないけど悪くもない””特に幸せではないけれど、不幸でもない”に行きつくんだなぁ。
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冒険があるわけでも傑作というわけでもなくアラサー世代の仕事を通じた日々を描いた作品。目下就職活動中の自分にとってリアルな社会人生活が感じられて面白かった。作品というよりは読むタイミングが合った点で新鮮。 彼らは皆仕事に疲れているわけではない。日々の業務に追われながらも、何だかんだ...
冒険があるわけでも傑作というわけでもなくアラサー世代の仕事を通じた日々を描いた作品。目下就職活動中の自分にとってリアルな社会人生活が感じられて面白かった。作品というよりは読むタイミングが合った点で新鮮。 彼らは皆仕事に疲れているわけではない。日々の業務に追われながらも、何だかんだで今の地位や立場にそれなりに満足しているのだ。そんな等身大のキャラクターと謎は謎のままで終わらせるあっさりした読了感が気に入った。
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同じ日に生まれた同姓の佐藤さん2人の日常が交互に描かれていく。 大きな起伏はなく、坦々と進んでいくけど、「あるある」「わかるわかる」と思うことが多々あり、自分の状況と比べながら読んだ。 読み終えてしみじみ。。
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ずっと読みたいと思っていた津村さんでしたが、最初に手にとったこの本が、偶然にも今の自分にぴったりで、本の引力っておもしろいなと感じてます。 まず、冒頭のシーンで朝起きる際に8分のスヌーズを設定、なんてまさに私だ。おまけに主人公は私と同年代で32歳の働く男女。 ちょっと面倒くさい...
ずっと読みたいと思っていた津村さんでしたが、最初に手にとったこの本が、偶然にも今の自分にぴったりで、本の引力っておもしろいなと感じてます。 まず、冒頭のシーンで朝起きる際に8分のスヌーズを設定、なんてまさに私だ。おまけに主人公は私と同年代で32歳の働く男女。 ちょっと面倒くさい職場の人間関係とか、意味わからない理不尽なクレームとか、働いていれば「あるよねぇ」と思わず思うようなことのオンパレード。 物語はリアルな日常を描きながら淡々と進んでいって、気付くと1年経っていて「ああ、もう1年経ったのか!」と思うところまで現実と同じ。 本書では年齢も、苗字も、誕生日も同じ男女が偶然出会う場面があるのですが、そこからいきなり恋愛が始まるなんてことはなく、だけど互いにちょっと心に引っかかっている。そんな出会いってありますよね。 人の縁とか出会いっておもしろい。 それから、このままだと人間関係が先細りしてしまうのでは、という慢性的な危機感とか、長年付き合った恋人と別れた後の元恋人との距離感とか、自分の中で漠然とわかるなぁと思うものが言葉になって並んでいるのを見て、そうそうそういうことなんだ、と膝を叩きたくなる気分でした。 鋭く胸に刺さるわけじゃないけど、そっと意識の端に残るような言葉が溢れています。 「オノウエさんの不在」では、まだ見ぬオノウエさんの芯が通ったかっこよさに痺れました。 気合だ、とか言うんじゃなく、無駄な建前を言わず、実地的なものの見方をして細かい対処法を示してくれる先輩。頼もしい。 劇的なドラマがあるわけじゃないけど、今の自分をどこか肯定してくれるようにも感じるこの静かな読み心地は、ちょっとツボにはまるかもしれない。
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同じ名字、誕生日の佐藤という32歳男女の話。という帯から勝手に恋愛小説かと思ってたが全く何も起こらずつまらなかった。 仕事が辛いというレベルが低すぎる。自分も含め、みんなもっと辛い仕事頑張ってますからー‼︎全く共感せずジーンと感動もなく残念だったな。
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目立って何かがあるわけじゃない、いやむしろパッとしない。 でもこれが世の現実。 名目上お客さまの人に難癖つけられ、ちょいと年上の同僚に意地悪されて。 会社への不満と転職への不安に折り合いをつけて日々生きてる。 30前後の人は共感できると思う。 “良くもないけど、悪くもない。特に幸...
目立って何かがあるわけじゃない、いやむしろパッとしない。 でもこれが世の現実。 名目上お客さまの人に難癖つけられ、ちょいと年上の同僚に意地悪されて。 会社への不満と転職への不安に折り合いをつけて日々生きてる。 30前後の人は共感できると思う。 “良くもないけど、悪くもない。特に幸せではないけど、不幸でもない。”全くその通り。
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仕事をしている人が読むと、「わかる、このネタ」というものが出てきます。 同僚の女性が理由もわからず冷たくなったり、自分がしたミスではないけれど客の理不尽な怒りをぶつけられたり、転職を考えてみたり、休みの日は何もしなかったり、通勤中、面倒なことを考えたり。 それでも、この小説はそん...
仕事をしている人が読むと、「わかる、このネタ」というものが出てきます。 同僚の女性が理由もわからず冷たくなったり、自分がしたミスではないけれど客の理不尽な怒りをぶつけられたり、転職を考えてみたり、休みの日は何もしなかったり、通勤中、面倒なことを考えたり。 それでも、この小説はそんな風景と折り合いをつけて、割り切って前に進めるものだと思います。 偶然、名字・年齢・誕生日が同じ男女が冒頭で出会うのだけど、すぐに進展もなく、それぞれの視点で物語が進みます。でも、ふとした瞬間「あの人」はどうしているだろうかって思い出すのです。
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苗字、年齢、誕生日、更に身長までもが同じだという32歳の男女ふたりの、仕事がしんどい中、その中にささやかな幸せがあるというストーリー。 主人公も一般的な会社員でそこが好感を持てる。だからこそ身近に起こりゆる日常が映し出されているなと感じた。自分はまだその年代でないが、主人公と同じ...
苗字、年齢、誕生日、更に身長までもが同じだという32歳の男女ふたりの、仕事がしんどい中、その中にささやかな幸せがあるというストーリー。 主人公も一般的な会社員でそこが好感を持てる。だからこそ身近に起こりゆる日常が映し出されているなと感じた。自分はまだその年代でないが、主人公と同じ年齢になったら、奈加子や重信と同じように感じてしまうだろうと共感してしまった。仕事をひたすらやってきて、気づけば、周りは結婚、出産などで自分が取り残されたと感じる人たちが少なくないと感じてしまう。独身が長く続くと、人間関係が先細るのではないかという不安があるのに共感してしまう。SNS等を通じて疎遠になった旧友に連絡してみるのもそれがあるからなのかなとふと思った。 働くこと、人間関係にしんどさを感じても、日常のささやかな幸せを感じているということが伝わった作品だと感じる。
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私が21歳だからなのか30代の主人公2人に共感できず読みにくかった。 でも、スパカツはおいしそうで食べてみたいな!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
うーん、なんかほんとにダイジェスト。 特別心にササる言葉もなく、納得できる言い分もなく、共感できる価値観も尊敬できる生き方も垣間見えず、恋愛ものとしてときめきを求められるものでもない。。。 それを現実的というのならばそういう作品だったのかな、というかんじ。
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