「認められたい」の正体 の商品レビュー
代表的な心理学の事例を、承認という切り口で捉え直しているところは新しい視点として興味深かった。 マズローの欲求段階で、ダイエットをして認められたいという欲求が、下位欲求である食欲に優るとあるが、それは違うと感じた。例えば地震で食べ物が確保困難な時にダイエット何か考える?基本的な安...
代表的な心理学の事例を、承認という切り口で捉え直しているところは新しい視点として興味深かった。 マズローの欲求段階で、ダイエットをして認められたいという欲求が、下位欲求である食欲に優るとあるが、それは違うと感じた。例えば地震で食べ物が確保困難な時にダイエット何か考える?基本的な安全が確保されてるから、ダイエットしたいと思うんでしょ。 結論は酷かった。後半は読む価値ないかな。全体的に内容も冗長で同じこと言ってるだけだし。
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大学の授業の参考書に指定されていたため、とりあえず読んだもの。題名を見る限りでは非常におもしろそうである。 他者の目を気にしすぎて窮屈な思いを感じる、あるいはその度が超えたために精神の不調を訴える。そのような症状が増加しつつある(先進諸国における)「現代」の診断を「認められた...
大学の授業の参考書に指定されていたため、とりあえず読んだもの。題名を見る限りでは非常におもしろそうである。 他者の目を気にしすぎて窮屈な思いを感じる、あるいはその度が超えたために精神の不調を訴える。そのような症状が増加しつつある(先進諸国における)「現代」の診断を「認められたい」という承認欲求を主眼にして行い、そこからの脱却方法を提起する。伝統的価値観が崩壊したとき、その窮屈さから自由になった反面、各人は評価されるための行動指針・規範を見失ってしまった。その結果、「世間・社会から評価されるはず」という信念がぐらつき、そのような「一般的他者」を信じず、承認される対象として身近な他者を求める。すると、自由になったはずであるのにも関わらず、かえって身の回りの所属コミュニティ内の規範に縛られてしまうという逆説的な結果に陥ってしまう。その結果が、過度に場の空気、他社の視線を気にして、「自由」を感じ取れず、場合によっては鬱になってしまうという現状だ。このような現代の診断は非常にまっとうなものであり、しっかりと言い切ったところには好感を覚える。 しかし、そこからの脱却を語る第5章は正直説得力に欠ける。以上のことに自覚的になるだけで、はたして各人は「自由」の復権をできるのだろうか。自己了解と当為の分析が必要であるのは当たり前であるが、診断された現状を見る限り、それだけで各人が自由に選択できる「強さ」を取り戻すとは到底考えられない。結局、分析はしたものの依然として場の価値観に従わざるを得なくなってしまい、窮屈さとそのことによる不全感は依然生き残り続けるだろう。そういった意味で、この解決法は希望的観測に過ぎない。 また、「一般的他者の視点」というものも気に入らない。概念としては理解できるが、そのようなものが存在する実感を持てないことがそもそもの問題点ではないのだろうか。規範崩壊の現代にあたって、「客観的に正しい価値観」が導き出せないのは当然であるが、「各人が了解できる価値観」というのも非常に狭いものになっているだろう。つまり、それを共通了解していくことに期待するのもやはり希望的観測の段階を超えない。 以上のことから、筆者は承認不安に陥っている多くの人々の「強さ」を信じていることが読み取られたのだが、その「強さ」を各人が持っていないことが問題の本質であるように感じられてならない。そして、「一般的他者の視点」といった曖昧模糊なものにすがるのではなく、各人が自分なりの価値観をしっかりと育てたうえで、出会う人々との争いに使うのではなく、「語り」によってさらに育んでいくことが取るべき指針であろう。そのためにまず必要なのは、他者との率直な語りを実現するための「強さ」の養成であり、それを各人がどう身に付けるかなくして承認不安の解決はないだろう。 至極まっとうなことを言っている本であり、一読の価値はあるだろうが、上で述べたような不満が残る。また、述べられている実際の内容自体は少ないのに、その引き伸ばしと繰り返しが非常に目立っているのは密度を薄くして残念である。
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現代は承認の不安に満ちた時代である。自分の考えに自信がなく、絶えず誰かに認められていなければ不安で仕方がない。ほんの少し批判されただけでも、自分の全存在が否定された絶望してしまう。そんな人間があふれている(P8)。仲間の承認を得るために自分の本音を抑え、仲間の言動に同調した態度をとり続ける若者は少なくない(P10)。 他の考え方を持った人々の意見にも耳を傾け、書籍やテレビ、インターネットを介してさまざまな価値観を理解し、なぜそのような考え方をするのか、その理由を考えるようにすること。そして、そこに共通了解を見出そうとすること。その繰り返しが、「一般他者の視点」による判断力を培ってくれるだろう(P213、P214)。「見知らぬ他者」の承認を確信することで、また自分の意思で行為を選択することで、自由と承認、両方の可能性を切り開くことができる(P216)。
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あなたは独りでいることに不安を感じますか?今の時代、リアルなつながりが弱くなった反面、ソーシャルにおける薄いつながりが広がっている。ケータイやスマートフォンを使えば瞬時に相手とつながり交流することも容易になった。一方で、そのつながりからも除外され、リアルな場でのつながりさえもなく...
あなたは独りでいることに不安を感じますか?今の時代、リアルなつながりが弱くなった反面、ソーシャルにおける薄いつながりが広がっている。ケータイやスマートフォンを使えば瞬時に相手とつながり交流することも容易になった。一方で、そのつながりからも除外され、リアルな場でのつながりさえもなくなった人たちは、いったいどのようにして自分というものの身の置き所を作ればいいのだろうか。孤独を受け入れ、楽しめる人にはなんてことはないが、それができないからこそ、何万人という人がこの日本でも命を絶っている。親和的承認、集団的承認、一般的承認など数あれど、やはり、人はこの世界において決して一人では生きられないのだと思う。
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■この本を知ったきっかけ 某SNSで紹介されてて。 ■読もうと思ったわけ 「認められたい」という願望がどこからきているのか興味があって。
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