私たちが星座を盗んだ理由 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
表紙やタイトルはすごくファンタジーっぽい感じなのだけれども、どんでん返し系のミステリーというギャップに惹かれ読了。 初めて読む作家さんだったが、どの話も非常に読みやすかった。 どんでん返しのタイプもそれぞれ違って、「おもしろかったか?」と聞かれれば「おもしろかった」と答えられるのだが・・・後味はどれも良くない。 ぞぞっとした怖さが残る。 「恋煩い」 おまじないなんて、可愛らしい話だなと思っていたら、大間違い。 三角関係なんだろうなー。この子勘違いしてるんだろうなー。というのはすぐに分かったものの、そういうどんでん返しになるとは。最後の最後でゾクッときた。 「妖精の学校」 めっちゃファンタジーだな、と思ったら最後の数字を調べた時、現実にありえそうな話だと気付いて戦慄。 彼は、その後どうするのだろう。なんとかして逃げ出そうとするのだろうか? 「嘘つき紳士」 振り込め詐欺かー、嫌な主人公だなぁ、と思ったら、それ以上にひどい奴がいた。 これが一番リアルにありえそうな話だ。サスペンス劇場でやってそう。 「終の童話」 これは文句なしのファンタジー。触れるだけで人を石化させるバケモノが出てくる。 主役の男の子の想いを思うと切なく、「犯人」の言い分もよく分かるため、リドルストーリーではあるものの、後味は一番良かった。きっと、あっちを選んだんだよね? 「私たちが星座を盗んだ理由」 表題作。これまた切なく、どんでん返しというより、種明かし。 主人公の彼女の葛藤は分からなくもないし、責められるほどではない。 けれど、最後の最後は・・・可哀想になぁ。そこまで書かなくてもいいのになぁ、なんて思ってしまった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久しぶりにミステリ&ホラーで夜怖かったです。 石喰いの正体想像できない分一番怖かったです。 どれも「そっち!?」という、読み初めとは別の方向に話が進んでいきました…。 恋煩いは先輩かと思えば友人の話。 嘘つき紳士は詐欺の話かと思えば殺人の話。 嘘つき紳士は石喰いの話かと思えば異国の男の話。 私たちが星座を盗んだ理由は星座の話かと思えば砕け散った恋の話。 どの話も久しぶりに頭を使って疲れました…。 「恋煩い」…勘違いから友達に殺されかける 「妖精の学校」…沖ノ鳥島 「嘘つき紳士」…拾った携帯の持ち主は彼女から殺された 「終の童話」…石喰いに石にされた人たちを助けるために来た異国の男。石が壊れていたら救うことはできないと、戻す前に石を壊していた。ウィミィはボロボロのエリナ姉ちゃんをどうするのか。リドルストーリー。 「私たちが星座を盗んだ理由」…姉の同級生の夕兄ちゃんからの首飾り座が欲しくて姉を見捨てた。二十年たって再会した夕兄ちゃんは、あの頃の夕兄ちゃんにそっくりの子どもをつれていた。
Posted by
北川猛彦さんの本は本作がはじめて。「恋煩い」と「嘘つき紳士」は人って怖いなーと思った。「妖精の学校」のような話は苦手かな。この5編の中では「終の童話」と「私たちが星座を盗んだ理由」が好き。「私たちが星座を盗んだ理由」はせつない感じで終わるのかなーと思っていたので、ラストのオチには...
北川猛彦さんの本は本作がはじめて。「恋煩い」と「嘘つき紳士」は人って怖いなーと思った。「妖精の学校」のような話は苦手かな。この5編の中では「終の童話」と「私たちが星座を盗んだ理由」が好き。「私たちが星座を盗んだ理由」はせつない感じで終わるのかなーと思っていたので、ラストのオチには少しびっくり。
Posted by
短編集だが、学園もの、おとぎ話風、ミステリー調、童話、恋愛もの、とみごとにジャンルが違い楽しかった。表題作が最後にあったが他のものに比べて物足りなかった。 作者の引き出しの多さに感動!
Posted by
ノンシリーズ短編集。異世界物もあり。 切ない気持ちになって読んでいると最後にギョッとなる話が多かった。「恋煩い」だけは途中で仕掛けが読めた。どの話も後味は悪いが繊細さとダークな後味の兼ね合いがうまい。 「妖精の学校」の学校は一読してオチがわからなかったが、わかってから読み返してみ...
ノンシリーズ短編集。異世界物もあり。 切ない気持ちになって読んでいると最後にギョッとなる話が多かった。「恋煩い」だけは途中で仕掛けが読めた。どの話も後味は悪いが繊細さとダークな後味の兼ね合いがうまい。 「妖精の学校」の学校は一読してオチがわからなかったが、わかってから読み返してみるとなるほどと怖さ倍増。
Posted by
最後の一行でどかんとくるミステリ。米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』や長編になりますが乾くるみ『イニシエーション・ラブ』のような最後の1行(または1ページ)をかましてきます。 **ネタバレ** ・恋煩い 最高。すごく好きです。これが入ってる時点で★5は揺るがない。他人の悪意って、しか...
最後の一行でどかんとくるミステリ。米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』や長編になりますが乾くるみ『イニシエーション・ラブ』のような最後の1行(または1ページ)をかましてきます。 **ネタバレ** ・恋煩い 最高。すごく好きです。これが入ってる時点で★5は揺るがない。他人の悪意って、しかも原因が恋って!(*´Д`) 友情が恋愛で壊れていったのか、それとも最初から友情はなかったのか…うーんぞくぞくきます。 ・妖精の学校 最初は意味が分からなくて、なんだこれファンタジー?って思いながら読んでいました。それがラストの数列でがらりと見た目を変えました!次の話を読む前に読み返したくなって3度読み。いろんな解釈が広がるし、これもまた素敵でした。 ・嘘つき紳士 なんとなく話の筋が読めてしまいました。東京のせいにするのってどうなの? ・終の童話 待ち続けた旦那の復活を1番に引いたのに期待を文字通り粉々に壊された奥さんのところで泣きました。そこが私にとってのピーク。普通の少年は10個上の女の子を想い続けないと思うのですよ。石にした後に食べるという過程のおかげで石喰いの不条理さと不気味さは際立っています。メデューサよりこわいかも。 ・私たちが星座を盗んだ理由 表題作にしてはいまいち…というかここまでの作品でハードル上がりすぎてたのかもです。首飾りや夜空の綺麗な情景が浮かびましたがそれを塗りつぶす黒さ。救われないラストにおう一捻りほしかった、かな。単体で読めばおもしろいです。
Posted by
ファンタジーのようなふわふわした世界に、いつの間にか毒が充満してるような不思議な感覚。 最後の最後で裏切られることがだんだん快感に変わってくる。「そうきたか!」みたいな。 恋煩いが1番ぶるっとしたかな。
Posted by
ミステリ短編集。どのお話も最後のどんでん返しで驚かされました。ファンタジーなお話もあって、バラエティに富んでておもしろかったです。背筋がゾッとするのが、いい感じ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
5編の短編集。 どのお話もラストで世界を反転させる衝撃が待ち構えており、後味は決して良くはない。 ただ私はこういった後味の悪さを残す作品は好きなので、とても良かったです。 現実的なお話とファンタジックなお話が交互に紡がれ、読み手を飽きさせないのも良いですね。 「恋煩い」がとても好みです。 「妖精の学校」はラストの一文を読んで、あれ?これは確か、、、とググってみたら大当り。 思わずまた最初から読みなおして更にうわぁとなりました。 [主人公たちの物語は余白に続く―――]という著者の言葉通り、ラストの余韻が素晴らしいです。
Posted by
あれだけ物理トリックの凄まじさが話題になっていた作者だけど、どんどんミステリとして作品が上手くなっているように感じる。 この作品集は、登場人物にとっても衝撃の展開が待っている作品が集まっていると思う。 『恋煩い』 好きな人に振り向いてもらいたい女の子と、その子が好きな男の子のち...
あれだけ物理トリックの凄まじさが話題になっていた作者だけど、どんどんミステリとして作品が上手くなっているように感じる。 この作品集は、登場人物にとっても衝撃の展開が待っている作品が集まっていると思う。 『恋煩い』 好きな人に振り向いてもらいたい女の子と、その子が好きな男の子のちょっと甘酸っぱい恋愛短編……と感じていたのに、最後の最後で全てがひっくり返る。 『妖精の学校』 記憶を失った少年の視点で物語が進む。それは現実から切り離されたような、童話のような印象を受ける。しかし、結末で(暗)示される真相が衝撃的。まったく思いもよらない角度からぶん殴られた感じ。 『嘘つき紳士』 なんというかこう……主人公がかわいそうになる。 『終の童話』 怪物や呪いが存在する異世界を舞台に、謎と解決が示される。この世界でなければならない動機もなかなか。そして、ラストの悲劇。 『私たちが星座を盗んだ理由』 星座が「盗まれた」理由は、それしかないものだけど、そこに至るまでに描かれた、小さなエピソードや登場人物たちの思いが心に響く。
Posted by