荒野 16歳 恋しらぬ猫のふり の商品レビュー
「恋しらぬ猫のふり」なんて蜻蛉のようで恋愛のアンテナはよく働くのか、荒野のことを実はよくみているのか、この父親は油断できません。相変わらず愛人たちや、女がするりと戻ってきた容子さんに囲まれた古い家で奇跡的なくらいまっとうに成長して、女の入り口に立ちかけている荒野。臆病そうだったけ...
「恋しらぬ猫のふり」なんて蜻蛉のようで恋愛のアンテナはよく働くのか、荒野のことを実はよくみているのか、この父親は油断できません。相変わらず愛人たちや、女がするりと戻ってきた容子さんに囲まれた古い家で奇跡的なくらいまっとうに成長して、女の入り口に立ちかけている荒野。臆病そうだったけれど、実はとても強いことに気づかされます。
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いつから女になるんだろう。 いつから女が目覚めるんだろう。 髪型も変わって、ファッションなるものに気をつかうようになって、スカートのウエスト部分が余るようになる。眼鏡からコンタクトへと変えて、世界を見ようとする。
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蓉子さん、という女の存在の大きさを改めて知った。パパ、という男の情けなさや脆弱さを改めて知った。 けれどそんな大人を見ていたからこそ、荒野は成長したのだと思った。
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文庫化再読。そうだった、こんな終わり方だった。まだまだ子供の残る荒野だけど、大人への一歩を踏み出したことで、変わっていくもの、変わらないものを受け入れてどんどん素敵になっていくんだろうな。(……若干キザが伝染った)それと第一部から気になっていた江理華の決意もまた心に残るものでした...
文庫化再読。そうだった、こんな終わり方だった。まだまだ子供の残る荒野だけど、大人への一歩を踏み出したことで、変わっていくもの、変わらないものを受け入れてどんどん素敵になっていくんだろうな。(……若干キザが伝染った)それと第一部から気になっていた江理華の決意もまた心に残るものでした。穏やかで静かな終わり方で心地のよい作品でした。
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桜庭さんの作品を最初に読んだのが「赤朽葉家の伝説」だったので、女性の生き様というかそういう点では同じだけど、少し毛色が違う作品だったので正直驚いた。荒野が感じてる感覚的なものとかがよくかかれて感じやすい! ぜひ、中高生に読んで欲しいなぁ、と思った。
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三部作の最終巻。高校生になり、心境が变化する様がカラフルに描かれていてどきどきだった、ラノベとは一線を画す描写力で描かれる恋の物語はなんともほほえましい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最終巻・16歳編。 とにかく、荒野と悠也が思ったよりも普通に、安寧とした付き合いをしていることに驚かされた。 だって……だって……書いてるのは桜庭さんなんだもん……!(絶対何か、変態的に良からぬことが起こると思ってた……!) 三巻、荒野の成長を追ってきて、この16歳編では荒野のあまりの大人っぷりにショックを隠しきれなかった。うう、女の子なんてすぐに大人になってしまうよね……。 けれど”大人”といっても、あからさまなそれではなくて、ふとした思考の変化や眼差しに表れるそれという意味で。 桜庭さんが書くの上手いから、本当にひとりの女の子の成長を追っているような気になってしまい、ダメダメで可愛い蓉子さんが帰ってきたのを見送ったあとは、子供なんてすぐに手を離れてしまうのね、という気持ちになって何かもうぼうっとなってしまった。 いつまでも続いていきそうなのに、そうはならない。 すぐに去ってしまうことを痛いほど知っているから、こんなに淡々と続いた三巻の内容が今の私に、これほどまでにギラギラと輝いて見えるのだと、経てきた歳月の長さを思った。泣いた。 荒野の強がりに、純粋な強さを見て、心を打たれた箇所が多々。 ほんと思春期の懸命な強さって好きだなあ。 十年後くらいの荒野のスピンオフなんか読みたい。などと珍しく思ってしまうほど、これからの成長も気になる女の子であった。
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荒野の成長記ラスト! 私にもこんなことあったなー、なんて思いにふけながら、ワクワクしながら読めました(*´∀`*) 私が本を読みまくるようになったキッカケがこの荒野なので、私としては思いいれのある作品です。
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いつの間にか悠哉と手を繋ぐ荒野。蓉子さんの手を取る荒野。 三部作で、調度いい時間の流れで荒野の成長を描いているのが良かった。
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3ヶ月連続の最終巻ね。ラノベで出てから単行本になる時に付け加わったパートらしく、荒野がゆっくりと、しかしドラスティックに変化していく。恋とも知らず恋をしていた頃からすると『好きな人のことは…会えないとき、それを記憶の引き出しから取り出して復習しているだけでも、すごく幸せだ』なんて...
3ヶ月連続の最終巻ね。ラノベで出てから単行本になる時に付け加わったパートらしく、荒野がゆっくりと、しかしドラスティックに変化していく。恋とも知らず恋をしていた頃からすると『好きな人のことは…会えないとき、それを記憶の引き出しから取り出して復習しているだけでも、すごく幸せだ』なんて、変わっていく自分を見つめる目線の育ち方が好ましい。それにしても不思議な本で、荒野が少女から大人の女になるプロセスのゆらゆらとした艶かしさや蓉子さんが醸し出す大人の女のとろりとした情念が全編に満ち満ちて、読んでいる時は結構感じ入ったりするのに、いざ感想を記す段になると、なんとも掴みどころが浮かばないんだよね。それこそ少女が大人になる時期特有の得体の知れなさって感じですかねぇ…。
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