裏閻魔 の商品レビュー
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久しぶりに掘り当てた!!という感じ。 題名からして、重厚なホラーかと思いきや、どちらかというとラノベよりの文章。彫り師ということ以外、割とありきたりな設定だと思ったけど。 面白い!!すごく好み!! 登場人物に感情移入しすぎてしまう。 続きを早く読みたいけど、奈津や牟田が近いうちに死んでしまうのはわかってるから、読み進めるのが辛くもある、。 夜叉との関係性がどうなっていくのかも気になる。 本当久しぶりに心揺さぶられた作品! 中村ふみさん、今まで読んだことなかったけど他も絶対読む!
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『鬼人幻燈抄』を思わせる設定だが、こちらはまだ100年足らずで、主人公も時が止まったときのまま、いまいち成長していない。 こういう怪しい人間が生き延びるにはどうしても庇護者が必要で、ちゃんと見つかるし、そうでないと話が進まないのだが。そしてそれは人間関係の魅力にもつながるのだが。 それでいいのかな…と思うこのごろ。 それはそれとして、物語としての読み心地はよい。
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くるたんさんのレビューを読んで手にした本です。 意図せず永遠の命を得てしまった一ノ瀬周と、亡くなった親友から託された親友の娘奈津との関係を中心にめぐる話。 永遠に二十歳のままの周と、年を取っていく奈津。最初の関係は娘、年を減るにしたがって妹、姉、母、祖母と世間から見た関係は変...
くるたんさんのレビューを読んで手にした本です。 意図せず永遠の命を得てしまった一ノ瀬周と、亡くなった親友から託された親友の娘奈津との関係を中心にめぐる話。 永遠に二十歳のままの周と、年を取っていく奈津。最初の関係は娘、年を減るにしたがって妹、姉、母、祖母と世間から見た関係は変わっていく。 でも一番なりたい関係にはなれない奈津の心中を思うと辛い。 永遠の命が欲しいと思ったことはないけれど、こうやってリアルに想像できてしまうと改めて、永遠の命はいらないと思った。
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働いてるお店でお客様からお問い合わせを受けた本。 昔読んで面白かったから、また読みたいと探しているが他でなかなか無く、知人がこちらで見かけたと言っていたので買いに来たとおっしゃってました。 お客様から教えていただいて、あらすじ見たら確かに面白そうだったので、1巻買ってみました。
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【概略】 「死にたくない・・・」彫り物師・宝生梅倖のもとに転がり込んだのは瀕死の新選組の逃亡隊士・一之瀬周(あまね)。その言葉に宝生梅倖は「鬼込め」と呼ばれる禁忌の刺青を周の手に彫る。それにより不老不死となった周は、宝生梅幸の弟子・宝生閻魔として、明治から昭和への時代を過ごすこ...
【概略】 「死にたくない・・・」彫り物師・宝生梅倖のもとに転がり込んだのは瀕死の新選組の逃亡隊士・一之瀬周(あまね)。その言葉に宝生梅倖は「鬼込め」と呼ばれる禁忌の刺青を周の手に彫る。それにより不老不死となった周は、宝生梅幸の弟子・宝生閻魔として、明治から昭和への時代を過ごすことになる。同じ鬼込めの刺青にて不老不死となった彫り物師・夜叉、そして、閻魔の人生に、時代の流れとともに妹・姉・母・祖母という立場で寄り添う閻魔の友人の遺児・奈津。閻魔と夜叉は、お互いにとって運命的な存在となった奈津を巡り、各時代で争奪しあうのであった。 2020年03月10日 読了 【所感】 こちらもオススメされて手に取った。この本の書評とは関係ないけど、自分は周囲の「読友」(?)に恵まれていると痛感。オススメの本にハズレ、なし!ありがたい。 不老不死(作中では、厳密には「不死」ではないけれど・・・まぁ、鬼舞辻無惨様みたいな感じかな)をベースにした作品は、有限である(通常の)人間と(ほぼ)無限である人外の者との間に起きる「刻の流れ」と「恋心や友情などの精神的な共有」のひずみという鉄板ネタがある。この作品でも当然、それがある。ただ今回は、読み手としての自分の年輪が刻まれたせいか、有限の側、無限の側、双方の心情にサクッとのっかることができた。これは案外、仇敵である(やはり無限の側にいる)夜叉と閻魔とが、作中における白と黒という逆の立場から、「無限」というものを見たからじゃないかと思う。有限の側の奈津と有限の側の閻魔だけでは、バランスが悪い・・・というか、化学反応が起きないのだよねぇ。立場、違いすぎるから。 今回、自分は、有限の側の奈津に気持ちが向かったなぁ。今までは・・・特に中二病を患っていた思春期は、もちろん肉体としては寿命はあれど精神的には無限の可能性、毎日がエンペラータイムだったから、畢竟、閻魔側に想いを馳せてた。というより、閻魔みたいになりたい、なんて思ってたと思う。「手のひらぐらいにだったらちょこっと彫り物入れてもいいんじゃない?」ぐらい、考えたかも知れない(笑)でも、今の自分は、自分の強いところと弱いところの双方を飲み込む立場になったってのと、(いくら100年時代とはいえ)平均寿命を折り返して、それなりに「ゴール」を想像したりする。だから描写として老いても凛とした美しさを保っている奈津には尊敬。 物語の盛り上げとして、彫り物師と彫り物という要素が効果的に使われているなと。不老不死や、たとえばお酒を禁忌とする「鬼込め」という行為で、人間がある意味、支配されるのだよね。面白いなぁと思った。知識として「入れ墨」と「彫り物」は違うのだよということ、そのあと「刺青」という言葉は谷崎潤一郎によって産声をあげたということ、勉強になった。入墨刑なるものが江戸時代はあったそうな。だから入れ墨は、罪人にするものであり、彫り物は罪人など関係なく、入れたいから入れる、というものらしいね。 もう一つ、今回、作者の中村ふみさん、彼女の文体、気に入ったなぁ。何個か素敵なフレーズをノートに書き留めたのだけど、やはり五七五調なんだよねぇ。日本語を母語とする、日本語文化にどっぷり漬かった人間には、やっぱりしっくりくるのだろうねぇ。状況の描写から急に主語もなく登場人物の心情描写に移るところは、ちょっと状況理解に苦労したけど(笑) この作品、2作目、3作目があるそうな。オススメしてくれた方によると、やはり「とまらない」らしい。ヤバいなぁ。即座にポチッて読んでしまいそうだ。 こんなことしてるから積ん読、解消しないのだよね(笑)
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京の片隅で、新撰組に追われた青年を助けた、彫り師の梅倖。生きたい、と呻く彼に彫り時宝生の性が疼く。 周が目覚めたとき、彼の右掌には「鬼込」の彫物が貼り付いていた。 宝生閻魔として生きていくことになった彼は、身の中の鬼のため、傷は直ぐに癒え、歳を取らず、各地を転々としながら、生きて行くことなる。 閻魔と閻魔に執拗に絡む兄弟子、夜叉が幕末から昭和初期まで、変わっていく日本で生きて行く。 話は重いし、グロテスクなシーンも多いけど、軽めにさらりと読める。 閻魔はいつまでも頼りない少年のよう。 閻魔が引き取った、女医を目指す少女、奈津。 彫物が救った、警視お偉いさん、牟田。 長屋の隣人マサ。 閻魔の周りの人々の強さ、優しさが暗さより優っているのかも。 夜叉があっさり描かれすぎて、物足りなさもあるけど。 ラストがじんわりくる。 歳をとるのも悪くないかも。 何年生きようとも何百年生きようとも、所詮は人だ。たいしたことはできやしない。目の前のことを一つずつ相手にしていけばいつかは死ぬだろう。 手に鬼、なんかにあったよねーとフと気づく。 ぬーべえか!
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不死の呪いをこめた彫り物のせいで、死なず老いずの運命を背負った彫り師・閻魔が、幕末から明治、昭和までを駆け抜ける。 亡くなったかつての同僚から託された娘 奈津。そして、長年よき理解者、庇護者となってきた信正。 20歳で時を止めた閻魔に追いつき、追いこし、先に死んでいく2人。 こ...
不死の呪いをこめた彫り物のせいで、死なず老いずの運命を背負った彫り師・閻魔が、幕末から明治、昭和までを駆け抜ける。 亡くなったかつての同僚から託された娘 奈津。そして、長年よき理解者、庇護者となってきた信正。 20歳で時を止めた閻魔に追いつき、追いこし、先に死んでいく2人。 この手の不老不死を扱った作品の常として、時の流れから取り残された者の哀しみと、置いて逝かなければならない者の苦悩がある。 口が悪く素直になれない閻魔が最後に見せた弱さ。分かってはいるけれど、やっぱり切ない。 閻魔自身、望んで不老不死の身体になった訳ではないから、それはなおさらかも知れない。 そして、もうひとり同じ運命をもつ兄弟子 夜叉との関係。 お互いに殺したくもあり、殺してほしいとも願う相手。 今のところ分かり合えないままだけど、いつ終わるかも分からない孤独な生のなかで唯一共感できるかも知れない2人の今後が気になる。 作者によると和風ファンタジーとのことだけど、ロンドンの切り裂きジャックを思わせる連続殺人とか、閻魔の姉が殺された事件とか、ミステリーの要素もあり、ファンタジーという枠には収まらない面白さがある。
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不死を扱ったファンタジーは常に切なさが伴うけれど、この作品も死ねない人々の苦しみが胸を打つ作品でした。主人公の周(閻魔)がとても魅力的で、激しく母性本能を擽るタイプだったのも切ない理由だと思います。明治から戦後にかけて愛しい人々を喪いながら、様々な時代の出来事に翻弄される周。恋や...
不死を扱ったファンタジーは常に切なさが伴うけれど、この作品も死ねない人々の苦しみが胸を打つ作品でした。主人公の周(閻魔)がとても魅力的で、激しく母性本能を擽るタイプだったのも切ない理由だと思います。明治から戦後にかけて愛しい人々を喪いながら、様々な時代の出来事に翻弄される周。恋や友情を素直に受け入れられない運命の中で、それでも彼を支え、束の間の平穏な日々を与えた奈津や信正の存在が有り難かったです。切なくも刺激的なエンタメ作品でした。続きがあるようです。周が幸せになれますように。
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ラノベだと思って読もう。新選組から始まり、不死者、時代を超えたラブストーリーとすれば面白いに違いない。キャラクターも魅力的。
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時代物という堅苦しさがなく、読みやすがったのでほぼ一気に読みました。 時代背景が生きづらいというのもありますが、その中で死ぬことができない定めを持った裏閻魔。 とはいえ人間らしい感情があるがゆえ、つねに辛さと切なさを抱きながら生きていく裏閻魔にどんどん惹かれます。 著者が女性故か、繊細でせたなさがとても伝わります。
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