世界史をつくった海賊 の商品レビュー
16世紀、エリザベス女王時代のイギリス海賊=「女王陛下の海賊」の話。現代の海賊のイメージはいかにして作り上げられたのか。 章によって時代を前後するので、時折前後が繋がらずに首を傾げましたが、イギリスが国策として行った、海賊ビジネスの概要を知る格好の一冊かと思います。 資...
16世紀、エリザベス女王時代のイギリス海賊=「女王陛下の海賊」の話。現代の海賊のイメージはいかにして作り上げられたのか。 章によって時代を前後するので、時折前後が繋がらずに首を傾げましたが、イギリスが国策として行った、海賊ビジネスの概要を知る格好の一冊かと思います。 資源の少ない島国が大国へのし上がるため、大国スペインによって作り上げられたヨーロッパのカトリック秩序に対抗するため、イギリスは国策として海賊を使ってのビジネスに乗り出します。 海賊と言えば粗野なイメージが先行しますが、富裕層から貧困層まで、海賊の出自はさまざまです。 大海賊は女王からナイトの爵位を賜っていたし、ただ単なる略奪だけではなくビジネスをする上での交渉術にも長けていました。新大陸からジャガイモやタバコを持ち込んだウォルター・ローリーという有名な海賊は、オックスフォード大学出身のエリート海賊だったそうです。 イギリスに富をもたらした遠洋航海と貿易も、「冒険商人」という名の海賊の功績です。東インド会社なんかは学校の世界史でも習いますが、彼ら商人は海賊です。 そうやってイギリスへ富をもたらし、自らも富豪となった海賊たちが、現在までも続く有名企業の創始者である例はいくつも見られます(「リプトン」や「ロイズ」など)。 国家と密接な関係を保ち、「女王陛下の海賊」として国家の繁栄の先兵となった海賊たち。 現在まで語り継がれる冒険者としての海賊の裏には、そのイメージを作り上げた国家の強かな政策がありました。
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現代の海賊をテーマにしようと思ってたら,なぜか16世紀の海賊の本になってしまったらしい。現代のって「海賊戦隊ゴーカイジャー」とか「ワンピース」じゃないよね…。 海賊と言えばイギリス。エリザベス一世の庇護のもと,スペイン船やポルトガル船を略奪しまくったフランシス・ドレーク,ウォ...
現代の海賊をテーマにしようと思ってたら,なぜか16世紀の海賊の本になってしまったらしい。現代のって「海賊戦隊ゴーカイジャー」とか「ワンピース」じゃないよね…。 海賊と言えばイギリス。エリザベス一世の庇護のもと,スペイン船やポルトガル船を略奪しまくったフランシス・ドレーク,ウォルター・ローリー,ジョン・ホーキンズたちの活躍をまとめている。大航海時代に遅れてきたイギリスが,産業革命を経て栄光の大英帝国を打ち立てるには,海賊の貢献が欠かせなかった。16世紀の終わり頃,スペインの無敵艦隊を撃破した立役者も海賊たちだった。 海賊をやったのは,香辛料とか黒人奴隷の貿易で出遅れてしまい,船ごとかっさらうのが手っ取り早かったから。とはいえ乱暴だな…。ま,海賊だからしょうがないか…。というより乱暴だから海賊なのか。奴隷なんか単にアフリカに行っても何百人も捕まえられない。先行者ポルトガルは,奴隷海岸を拠点に,地元の部族長と結託して効率よく集めてた。そういうのをひっくるめたシステムがものをいうから,新参者はまともな手では勝ち目がない。(人身売買自体まともな手ではないが…) なので,イギリスの海賊は奴隷船ごと拿捕して,砂糖農場で猫の手も借りたいカリブの島々に奴隷たちを売りさばき,船はわがものにして次の海賊行為に利用する。それがカリブの海賊。著者も執筆のためTDLに足しげく通ったとか(必要か?)。イギリスは,当初略奪をこととしてたが,返り討ちにあって拠点の必要性を痛感し,ジャマイカを分捕る。アフリカー奴隷→カリブ・新大陸ー砂糖・煙草→イギリスー銃・毛織物→アフリカ,という三角貿易。 海賊の活躍で国力をつけたイギリスは,次第にまともに貿易で儲けるようになってくる。香辛料が値崩れしてくると,コーヒーが,その後は茶が重要な貿易品になる。コーヒーと茶,それぞれに一章が割かれて受容史がつづられる。紅茶だけでなく緑茶も人気だったらしい。へぇ。 内容もおもしろく,著者がおちゃめなのもよい(テーマ変更とかTDLとか)。いい本だった。
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船乗りになりたかったな~職選び間違えたかしら、とか最近思ってるのだけどwオモシロイ本でした。イギリスが資源がないなか、大国にのし上がって行くために海賊をどのように利用したのかがよくわかる。イギリスの諜報活動というのはこのときから盛んなのね。007とかが出てくる背景が理解できた。最...
船乗りになりたかったな~職選び間違えたかしら、とか最近思ってるのだけどwオモシロイ本でした。イギリスが資源がないなか、大国にのし上がって行くために海賊をどのように利用したのかがよくわかる。イギリスの諜報活動というのはこのときから盛んなのね。007とかが出てくる背景が理解できた。最近、佐藤優とかがインテリジェンスについて色んな本を書いてるけど、この時代から既に高度な活動が行われてたのね、と感心。歴史の授業では東インド会社がインド支配のために作られたみたいな語られ方がされるけど、ホントは純粋に利益を得るための海賊集団だったのね、ということが分かる。オモシロイ。
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某マンガと言うよりは「そして船は行く」の世界。 留学経験の賜物か、日本の学者としてはかなり読みやすい本を書ける人だ。 イングランド(イギリス)ひいてはヨーロッパが中世からどれだけあくどかった事か、お人よしの日本人が太刀打ちできるはずもなし。
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ってゆーか女王も堂々と海賊さんたちに肩入れしとったんかい!! なんて強か!なんて合理的主義!そこに痺れる憧れるぅぅぅ!!!
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16世紀、貧しい二流国家イギリスが海賊行為という手法で豊かさを追求し、一流の国家へと変貌していく過程を描いた本。 イギリスでは、国家戦略として海賊が機能していたことがわかります。 学校の教科書とはかけ離れた印象(ただ私がちゃんと勉強してなかっただけかもしれませんが)を受けました。...
16世紀、貧しい二流国家イギリスが海賊行為という手法で豊かさを追求し、一流の国家へと変貌していく過程を描いた本。 イギリスでは、国家戦略として海賊が機能していたことがわかります。 学校の教科書とはかけ離れた印象(ただ私がちゃんと勉強してなかっただけかもしれませんが)を受けました。 第一章 英雄としての海賊―ドレークの世界周航 第二章 海洋覇権のゆくえ―イギリス、スペイン、オランダ、フランスの戦い 第三章 スパイス争奪戦―世界貿易と商社の誕生 第四章 コーヒーから紅茶へ―資本の発想と近代社会の成熟 第五章 強奪される奴隷―カリブ海の砂糖貿易
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イギリスの海賊は全てエリザベス女王の後ろ盾があった。最大の敵、被害者はスペイン。イギリスがあれだけ繁栄したのも海賊が世界中の財宝をイギリスに持ちこんだから。それをエリザベス女王が影でバックアップしていた。 イギリスは海賊のスパイ養成としてケンブリッジの優秀な学生も活用していた。 ...
イギリスの海賊は全てエリザベス女王の後ろ盾があった。最大の敵、被害者はスペイン。イギリスがあれだけ繁栄したのも海賊が世界中の財宝をイギリスに持ちこんだから。それをエリザベス女王が影でバックアップしていた。 イギリスは海賊のスパイ養成としてケンブリッジの優秀な学生も活用していた。 奴隷貿易と海賊による略奪でイギリスは物凄い富と反映を手にしていた。
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最近読んだ本の中でかなり面白かった一冊。エリザベス女王はイギリスを強国にした一人だが、貿易でスペインやオランダに負けを取っていた同国は、女王の名の下に、海賊を使って他国の貿易船を襲撃し、戦利品を横取りしていたという。東インド会社も彼らを中心に作られ、彼らの指示によってケンブリッジの学生がスパイとして各国に散っていたらしい。尖閣諸島でトラブルを起こした中国の船長も、国とは関係ないとしながらも、明らかに国がバックにいると思われるので、同じような状況か。エリザベス女王にはそんな卑怯な手を使ってほしくなかったが、これが世界政治の現状といったところだろう。思えば大国と呼ばれる国の中で、今まで卑怯な手を使ったことのない国なんて一つもないのだから。ちなみに、海賊は海上で真水が手に入りにくかったことから、腐らない水としてお酒を常に持ち歩いていたので、アル中が多かったとか。まさにパイレーツオブカリビアンの世界。
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