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雨の塔 の商品レビュー

3.6

82件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    1

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2026/03/03

桃の節句に、女子から大人になろうとする年齢の子達のお話を。 寄宿舎ものだと思っていたけど、どちらかというと寄宿舎(一部の町のような施設も含む)を舞台にした、女子達の葛藤を描いていた。 雰囲気は曇天、たまに土砂降りというような青空が見えない。確実にお嬢様であろう四人の女子が、すれ違...

桃の節句に、女子から大人になろうとする年齢の子達のお話を。 寄宿舎ものだと思っていたけど、どちらかというと寄宿舎(一部の町のような施設も含む)を舞台にした、女子達の葛藤を描いていた。 雰囲気は曇天、たまに土砂降りというような青空が見えない。確実にお嬢様であろう四人の女子が、すれ違い惹かれ合い、その顛末は、嵐からちらりと青空が見えたかの様。 自分は煙草は苦手だけど、お嬢様からは考えられないアイテムだったので、いい感じにアクセントになっていた。ベビースモーカーのお嬢様。大人になりつつあるアイテムだったのかもしれない。

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2025/11/30

陸の孤島と言われる、外界から隔絶された全寮制の女子大を舞台に、四人の少女の関係性と、それぞれの揺れ動く繊細な想いを綴った物語。 ちょっと浮世離れした設定ではありますが、儚さや美しさが際立つ世界観に惹きつけられました。 シャンプー、マフィン、煙草など、香りを連想させるアイテムの...

陸の孤島と言われる、外界から隔絶された全寮制の女子大を舞台に、四人の少女の関係性と、それぞれの揺れ動く繊細な想いを綴った物語。 ちょっと浮世離れした設定ではありますが、儚さや美しさが際立つ世界観に惹きつけられました。 シャンプー、マフィン、煙草など、香りを連想させるアイテムの用い方が効果的で、甘さと苦さ、救いと諦めが共存する物語に、彩りを与えているように思います。

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2025/11/17

好き。 匂いがしてくる小説だった。 タバコの匂い、マフィンの匂い、インスタントコーヒーの匂い、雨の匂い、桃のシャンプーの匂い、潮の匂い、終わりの匂い。

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2025/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お金持ちの家庭の子だけが入学できる孤島の大学。 ドラマにできそうな話。 とりあえず設定が富豪過ぎて共感できる部分は少ない。 女子校の経験はないのだけど こんな世界もあるのだろうか。 1人の友達を独占したくなるようなそんな気持ちは 理解できるかな。 結末はどうなるのか気になったけど 全部が不幸になるわけではなかったのが救い。

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2025/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

200ページ余なのにとてつもなく濃度が高かったです。そして静か。太平とは異なる静謐な文章と物語。だからこそ心の乱れが際立っているんだと感じました。 4人の少女はそれぞれ望む形で治るべき、治るべき結着を迎えたのだろうと思います。 手元に置きたい1冊です。 矢咲と小津が、ともに歩む未来を見たかった。

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2025/02/08

女性(学生)4人の繊細で脆く拗れる心理描写が細かい作品だと思いました。 うまく説明できないですが「女のこういうところが面倒くさい」みたいな人間関係が、美しく表現されていて、そのギャップに怖さも感じました。 作中のほとんどが4人のうちの誰かのシーンとなりますが、語り手が頻繁に変わ...

女性(学生)4人の繊細で脆く拗れる心理描写が細かい作品だと思いました。 うまく説明できないですが「女のこういうところが面倒くさい」みたいな人間関係が、美しく表現されていて、そのギャップに怖さも感じました。 作中のほとんどが4人のうちの誰かのシーンとなりますが、語り手が頻繁に変わります。 誰が誰の話をしてるのか混乱してしまいました。 現実の人間関係も誰が何を考えてるのかわからないですし「あの人はこういう人だと思ってたのに話してみたら違った」みたいな感じになり、何回も前のページに戻って確認しながら読み進めました。

Posted byブクログ

2024/12/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「作り物の空は、日の光を降らしてはくれないんだよ、小津。」 なんて、愛しいんだろう。 ねえ幕の下ろし方まで完璧なんて、そんなのは狡いよ。 作中に出てくる人物たちはみんな、どこか傷付いて痛々しい。 分類としては少女小説になるのかな。 私はこれを百合小説とは呼びたくないな、と思う。 愛しい、かなしい。と、そればかり思いながら読んだ。 三島が当然の様に要求する事を我儘だと思う人もいるだろうし、小津の斜に構えた思想が苦手な人もいるだろうな。偶像を押し付ける津岡の事も、優し過ぎる矢咲の事も、誰かは無責任だと言うのかも知れない。 行き場のない苦しみを抱えて、何も自分で決められず生きるしかないのに、だからこそ美しいなんて。 オススメしてくれてありがとう。 目を瞑って、螺旋階段を上る彼女達の事を考えると、堪らない気持ちになったよ。 スーッ……小津ーーーーーー!!!!!!(一番好きだった)

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2024/10/13

閉鎖された塔の中で過ごす囚われの少女たち。自分の運命を知っていながらも逃げる術を知らないし、世界を閉ざされている。砂糖菓子のように甘く儚い。脆くて、触れると壊れてしまいそうな。綺麗なだけでは無いけれど、執着や愛憎も全て含めて、繊細で美しかった。その可愛らしさに心がときめく。でもや...

閉鎖された塔の中で過ごす囚われの少女たち。自分の運命を知っていながらも逃げる術を知らないし、世界を閉ざされている。砂糖菓子のように甘く儚い。脆くて、触れると壊れてしまいそうな。綺麗なだけでは無いけれど、執着や愛憎も全て含めて、繊細で美しかった。その可愛らしさに心がときめく。でもやっぱり寂しくて苦しくて、心が締め付けられた。どうしようもないくらいに、耽美的で不安定なこの世界観が好きです。

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2024/03/10

宮木あや子が2007年に発表した長編小説の文庫版。最初期の作品の一つです。資産家の娘だけが入れる全寮制の女子大に「捨てられた」4人の少女の出会いと別れを描いた物語です。学校の敷地内、登場人物は4人という限られた舞台の中で濃密な時間が流れます。物語自体は淡々と進みますが、全体の雰囲...

宮木あや子が2007年に発表した長編小説の文庫版。最初期の作品の一つです。資産家の娘だけが入れる全寮制の女子大に「捨てられた」4人の少女の出会いと別れを描いた物語です。学校の敷地内、登場人物は4人という限られた舞台の中で濃密な時間が流れます。物語自体は淡々と進みますが、全体の雰囲気が素晴らしいです。ただし悲劇的な結末が苦手な人はご注意を。4人の行動や心情がかなり細かく描写されていて分かりやすいはずなのですが、誰が誰か分からなくなる瞬間があります。あえて人物の認識がしにくく書かれているのかな?

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2024/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

資産家の娘達がこの世の果ての塔に閉じ込められる、って設定だけでわくわくしてたけれど、実際は女の子の弱くて繊細で美しい描写がもりだくさんのお話で、胸がいっぱいになる。 ずっと側にいてほしい、どこにも行かないでほしい、って気持ち。捨てられた彼女達がそれを切に願う所が皮肉のようで苦しくなる。 香りが特徴的な小説。 シャンプーの桃の香り、煙草の香り、焼き上がったマフィンの香り、インスタントコーヒーの香り。香りが印象づいているのは魅力的。 ずっと小津はいつか海に帰るのだろうと思ってはいたけれど、凄く苦しい。矢咲は、帰ったらまた顔を合わせて話そうね、と未来を語れたけれど、そう考えられなかった小津のことを馬鹿だとは思えないし、子供の頃から大人びていて、リアリストだった彼女はそう考えるのが必然だったと思える。三島が止めていれば、と言うが、きっともう止められなかったんだろうね。 都岡が帰ってきてくれたシーンが苦しくて切なくて、何故帰ってきたのか分からないけれど、良かった。せめて三島だけでも救われてくれて、良かった。「また会おう、などと…」が1番胸に刺さった。 長々書いたけれど、結局ストーリーよりも、本のもつ雰囲気と香りが大好きでした。

Posted byブクログ