いっぺんさん の商品レビュー
9(続きもあるので8)からなる短編集 優しく温まる作品もあるがほとんどがゾッとする怖い話 特におすすめなのが二作 「蛇霊憑き」 妹が病気の治療後おかしくなり蛇になったと言い出す、なぜその妹が死んだのか? 「山から来るもの」 主人公はクリスマス母親とその愛人のことを思って祖父母の家...
9(続きもあるので8)からなる短編集 優しく温まる作品もあるがほとんどがゾッとする怖い話 特におすすめなのが二作 「蛇霊憑き」 妹が病気の治療後おかしくなり蛇になったと言い出す、なぜその妹が死んだのか? 「山から来るもの」 主人公はクリスマス母親とその愛人のことを思って祖父母の家に行く祖母のおかしな行動と夜見たものはそして私の居場所はどこにあるのか最後の祖母の一言に注目!!
Posted by
'21年11月13日、読了。 本作でも、また、やられてしまった…朱川湊人さん、素晴らしい! 特に印象に残ったのは、「磯幽霊」「磯幽霊・それから」「八十八姫」の3作でした。以下、少しネタバレかも…未読の方、ご注意を! 「磯幽霊」の2作…なんと悲しく、そしてなんと恐ろ...
'21年11月13日、読了。 本作でも、また、やられてしまった…朱川湊人さん、素晴らしい! 特に印象に残ったのは、「磯幽霊」「磯幽霊・それから」「八十八姫」の3作でした。以下、少しネタバレかも…未読の方、ご注意を! 「磯幽霊」の2作…なんと悲しく、そしてなんと恐ろしい物語か!人間が、ここまで残酷になり得るのか? 「八十八姫」も…同じような感じでしたが、ラストに少し、救われたかな。哀しみと優しさが絶妙にまざり合う、まさに僕が思う「朱川さんらしい」小説でした。 「小さなふしぎ」「山からくるもの」等等、全作品がとても満足できる短編集でした。
Posted by
9つの短編集。 「いっぺんさん」表題作、 「コドモノクニ」 冬「ゆきおんな」 春「いっすんぼうし」 夏「くらげのおつかい」 秋「かぐやひめ」 「小さなふしぎ」「逆井水(さからいみず)」 「蛇霊(じゃれい)憑き」「山から来るもの」「磯幽霊」 「磯幽霊・それから」「八十八姫(やそ...
9つの短編集。 「いっぺんさん」表題作、 「コドモノクニ」 冬「ゆきおんな」 春「いっすんぼうし」 夏「くらげのおつかい」 秋「かぐやひめ」 「小さなふしぎ」「逆井水(さからいみず)」 「蛇霊(じゃれい)憑き」「山から来るもの」「磯幽霊」 「磯幽霊・それから」「八十八姫(やそやひめ)」 昭和的な夢と希望と願いと絶望が詰まったお話。 セピア色って言うけれど、確かに懐かしい小物や行事は 出て来るけれど、本当はもっと埃臭くて残酷です。 生贄にされる子供を必死に騙す大人と、 それぞれの安堵と絶望・・・ 理不尽な迷信と欲の矛先はいつも子供だったりする。 その対比が大きいからこそ、子供の純粋さが際立つ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
花まんまの次の次に買った本で、①を読んで、朱川作品集めを始めた。ホラー、理不尽色が半数ある短編集。 ①いっぺんさん 特に前半のしーちゃんと私の描写がいい。子供の頃「世界」はこんな感触だったな。 ②コドモノクニ 悪趣味。苦手。残酷でブチッと切られる感じ。ただ子供の頃想像した恐怖のよう。 ③小さなふしぎ ささやかで上品でかわいらしい幽霊の話。味わいあるなぁ。音まで聞こえてきそう。 ④逆井水(さからいみず) 初読時、発想がすごいと思った。今は笑ってしまうな。思い出すドリフ混浴コント。 ⑤蛇霊憑き なるほど、と思ったが気持ちの良い話ではないな。ホラー好きの人はOKかも。 ⑥山から来るもの 救いようのない話。これもホラー好きの人向き。 ⑦磯幽霊 この話(ホラー)は抵抗感なし。「海から手が」誰でも想像したことあるかも。 ⑧磯幽霊・それから 実体験のような続編。ブラックだが、意外な角度からの話の切込みはおもしろい。 ⑨八十八姫(やそやひめ) 淡い思春期の香り漂う、残酷な民話ファンタジー。ま、昔話にはこの類いが多いか。
Posted by
無条件に面白い。 朱川さんの作品を読むたび一流、一級だと唸る。 短編が多いのだが、もう少し伸ばしていただけると幸い。というのもすぐに一編を読み終えてしまうのがもったいなくてしょうがない。『鉄柱』くらいのボリュームが丁度いいと感じる。
Posted by
一遍だけ願いをかなえてくれる神様が起こした奇跡 ホラーであり、懐かしい世界であり 「こわいもの見たさ」を満喫させてくれる短編集 こんな世界ってすぐ隣にあるんじゃないかと思わせてくれます
Posted by
「磯幽霊・それから」のみの感想です。 短いながらも後味が悪くて非常に良かった。もちろん話の土台はあるけど、特に派手な展開はなく相手の報告だけでこんなに怖くなるのは素晴らしい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読んでいると背筋がぞわぞわしてしまう短編集。 民俗学のような、地方に古くから伝わる、ちょっと不思議な伝説を現代に持ってきた感じの物語達。 それぞれの物語の最後に、ゾクッとするオチがついていて……クセになりそう。 恐いもの見たさと言おうか……。 全編を通して、子供の居場所とか心の拠り所って大事なんだ、と改めて気付かされた気がした。 特に表題の物語は、どうしようもなく泣けた。 「いっぺん」の意味ってそっちなんだね。 この物語のオチ、特にラストの一行は切ない。 また朱川さんの物語を追いかけてみたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
口裂け女の話って「綺麗です」と答えても「ブスや」と答えても結果は死ぬ、トイレの花子さんもそう。怖い話ってのは、絶望的だったり、突き放された感が伴うと、恐怖感がいや増すと思う。 道中がどんなに怖くても、明るい希望溢れた結末だと、小説としての出来は良くても、怖い話としてはインパクトが弱いと思う。 その辺、朱川さんはさすがである。ノスタルジックホラーで「三丁目の夕日」的感動作を描いてる部分もあるが、どこかに絶望とか突き放し感をしっかり持たせている話が多い。この短編集でいうと「コドモノクニ」なんかは好例。表題作や「八十八姫」などの感動作も例外ではない。「エエ話」に思わせといて(いや実際エエ話なんだけど)実は登場人物たちを突き放した部分をもたせていたりする。 「ホラー」と「ノスタルジック」がお似合いなのは、どちらも「もう戻れない」という絶望とか突き放し感が共通しているからかもしれない、そういえば「少年少女の頃」ってのも同じ共通項があるよな。 そこに着目し、掘り下げていく朱川さんって小説の匠やなぁと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いつものほんわか優しく懐かしいホラーではなく、割と本当にホラー。懐かしい雰囲気の怪談と言った所か。柔らかな印象は変わらずなので安心して読めます。
Posted by