妄想気分 の商品レビュー
エッセイって、好き。小説を読んでいるだけだと、その作家の人がどんな人なのか分からないけれど、エッセイを読むことで人となりや生活観が分かり、ぐっと親近感が沸く。 小川洋子さんのエッセイ集は今までに何冊か読んだが、この本は今年一月に出版されたにも関わらず、古い内容が多かった。また、...
エッセイって、好き。小説を読んでいるだけだと、その作家の人がどんな人なのか分からないけれど、エッセイを読むことで人となりや生活観が分かり、ぐっと親近感が沸く。 小川洋子さんのエッセイ集は今までに何冊か読んだが、この本は今年一月に出版されたにも関わらず、古い内容が多かった。また、今までのエッセイと異なるのは、最終章の自著へのつぶやきで、出版された著書の順に、その当時のエピソードが書かれていることだ。 またひとつ、小川洋子さんに近づけたような気がする。 そうそう、私の好きな小川洋子さんと俵万智さんが同い年で、かつ、早稲田大学第一文学部の同窓と気がついたのも、大きな発見だった。エッセイには何一つ書かれていない内容だけれでも。
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小川洋子のエッセーはとても好き。外連味がなくて等身大の自分としっかり向かい合っている感じがする。 学生時代の思い出話などは特にしんみり沁みてくる。 表紙も素敵だ。
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短いエッセイをまとめた一冊。 子供の頃や小説家になる前、なりかけの頃の ふとしたエピソードが静かにそっと置かれている。 小川洋子の小説と同じトーンで。 長年、苦手だった小川洋子さん。 最近の数冊を読んでみると とても面白く目を啓かれる。 書かれる本は好きと言えそうだ。 が、なんとなく、本当に失礼なんだが、 なんとなく仲良くなれないタイプの女子だろうなと ずっと思っている。 この本で描かれる「小川洋子」さんに 思いがけず共通点を見出しドキっとした。 同じクラスの小川洋子さんに憧れつつ 素直に近づけない・・・そんな感じなのだろうか。 もっと小川さんの小説を読んでみよう。
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異界はいつでも日常の中にある。目を凝らし耳を澄ますと入口が見えてくる。そこを覗くと物語がはじまる。創作をめぐるエッセイ集(「BOOK」データベースより) カーテン姫がかわいいなぁ。 私も昔はカーテン姫でした。
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なんてことない文章なのですが、その簡潔さとリズムが心地よい。お手本のようなエッセイ集。けっこう長期間にわたる作品が収められていて、小川さん自身の変化もなんとなく伝わってきて面白い。特に、学生時代のエピソードなどが好きでした。小川洋子さんの一面がうかがえる貴重な1冊かもしれません。
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とても素敵な言葉をあやつり不思議で独特な世界に連れて行ってくれる小川さんのエッセイ集。 学生時代の話しから愛する阪神タイガース、主婦としての話し、そして自分の書いたものへのつぶやき。 キラキラとした宝石のような作品に比べると普通っぽいんですが何事にもキッチリと向かい合って生きてき...
とても素敵な言葉をあやつり不思議で独特な世界に連れて行ってくれる小川さんのエッセイ集。 学生時代の話しから愛する阪神タイガース、主婦としての話し、そして自分の書いたものへのつぶやき。 キラキラとした宝石のような作品に比べると普通っぽいんですが何事にもキッチリと向かい合って生きてきたんだなぁ~ってことがよくわかる一冊でした。 これだけの作家さんでも小説を書くのが怖いっていう気持ちになるんですね。定期的に頭の中に動物が棲みつくなんてのはとっても小川さんらしいなって思った。
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彼女の著作の独特の雰囲気が、ここでも感じられる。 倉敷・芦屋に暮らす、都会にはない時間と空間がさらに独自のムードをかもし出すような・・気がした。 これを妄想と呼ぶのがいい。妄想気分で彼女の文学をゆったりと味わう愉しみが増幅した。
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2011.03.11. 修学旅行の班分けで、自分の名前だけ抜けていたこと、それでも別にそのエピソードを悲しいモノとして受けとめていない。友だちは、ひとりいれば充分。ひっそりと心豊かに生きる。
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小川さんのエッセイは自分と真正面で向き合いすぎていて、少し物足りなく思うのが常であったのだが、今回はふと彼女の小説に紛れ込んだ錯覚を引き起こさせるエッセイが含まれていて、単純にとても嬉しかった。 読者はまったくをもって勝手なもので、私は小川さんに血を通わせない孤高の作家であって欲...
小川さんのエッセイは自分と真正面で向き合いすぎていて、少し物足りなく思うのが常であったのだが、今回はふと彼女の小説に紛れ込んだ錯覚を引き起こさせるエッセイが含まれていて、単純にとても嬉しかった。 読者はまったくをもって勝手なもので、私は小川さんに血を通わせない孤高の作家であって欲しいと思ってしまう。読者に感謝なんてして欲しくないし、ましてやおドジなんてしてもらいたくない。 それだけ小川さんは独立峰。
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小川洋子さんの本は読める時と読めない時があって、今回は前者だった! この間読んだ「博士の本棚」はからきしだめだったのだが。 本作では、ものすごくたくさん共感できるところがあった。 大学時代の話(自分も一人暮らしの時、母親が送ってくれた荷物には、こまごましたどこにでも手に入るもの...
小川洋子さんの本は読める時と読めない時があって、今回は前者だった! この間読んだ「博士の本棚」はからきしだめだったのだが。 本作では、ものすごくたくさん共感できるところがあった。 大学時代の話(自分も一人暮らしの時、母親が送ってくれた荷物には、こまごましたどこにでも手に入るものが、隙間を逃さず入っていたなと思いだした)とか、飼っている犬がおばかだ(我が家の犬も、拾い食いの王者)とか、一日に一件予定があるだけで、それが気になって前日から仕事が手につかない(自分も一日にたくさんの予定を入れるのは苦手、というか無理)とか、化粧品の不必要なまでの進化にどぎまぎする(ほんとに)とか、本当にたくさんたくさん、共感できるところがあった。 しかし、たった一つ、私にはどうしてもわからない感覚が。 野球大好き、タイガースの大ファンの小川さんだが、私は全く野球に興味がないので、その部分はどうしても一歩も二歩も引けてしまう。それがちょっと残念…。 実は、「武蔵小金井女子学生寮」(今でいったらシェアハウスだよね)では、懐かしい時代を自分も思い出して、ちょっと、じん、と来てしまいました。
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