妄想気分 の商品レビュー
内へ内へと向かう人、反対に外へ外へと向かう人。物凄く乱暴に二分すると人間にはその2つのタイプがあるような気がするけれどこの人は前者。しかも筋金入りの。でもけして根暗とか陰湿とかそいういうネガティブな雰囲気は一切感じない。孤独を孤独と感じない、そういう人なのだろうと勝手に考える。親...
内へ内へと向かう人、反対に外へ外へと向かう人。物凄く乱暴に二分すると人間にはその2つのタイプがあるような気がするけれどこの人は前者。しかも筋金入りの。でもけして根暗とか陰湿とかそいういうネガティブな雰囲気は一切感じない。孤独を孤独と感じない、そういう人なのだろうと勝手に考える。親しい他人とそうするように、自分自身と一見無駄にしか思えないあれこれを呟きあう。この本を読んでいるとそれはとても楽しい事のような気がしてくるのです。
Posted by
小川さんの妄想、心配事についてのエッセイがたくさん。 ミシンつきの車を心配しているなんて、小川さんの想像力はすごい。 「阪神電車高架下の秘密結社」の妄想がとっても素敵。 彼らのような人は阪神タイガースにしかいないのか、他の球団にもいるのか私にはわからないけれど、今度また野球観戦...
小川さんの妄想、心配事についてのエッセイがたくさん。 ミシンつきの車を心配しているなんて、小川さんの想像力はすごい。 「阪神電車高架下の秘密結社」の妄想がとっても素敵。 彼らのような人は阪神タイガースにしかいないのか、他の球団にもいるのか私にはわからないけれど、今度また野球観戦の機会があったら勝敗は二の次にして探してしまうだろう。 いつか小川さんが秘密結社の会員になったら、エッセイに書いてくださいと頼みたいが、秘密結社なんだから公表出来ないんだろうな‥と残念になる。 それでもせめて小説(フィクション)として書いてほしい。 「自著へのつぶやき」の章ももちろん楽しく読んだけれど、まだ読んでいない本がこんなにあるんだ‥なんて驚きもした。 これ読みたい、あぁ‥これもいいなぁと、読みたい本が増えていく。そんなに読めるのだろうか…。 本の内容についてではなく、その本を執筆していた時の印象的な一場面の記憶が書かれている。 作品の生まれたきっかけだったり、その作品によってつながった縁だったり、つぶやき自体がとても優しい短い物語になっていた。
Posted by
心に何か、つらい事、苦しい事がある時につい、漏らしてしまうため息… 愚痴、って言うのはつまりそういう<ため息>程度であって、 ふうっと、吐き出してしまえば、それでスッキリ…。 アドバイスなんか、求めていないんですよ。 聞いてさえもらえれば、ありがたい。 例え、その返答が ...
心に何か、つらい事、苦しい事がある時につい、漏らしてしまうため息… 愚痴、って言うのはつまりそういう<ため息>程度であって、 ふうっと、吐き出してしまえば、それでスッキリ…。 アドバイスなんか、求めていないんですよ。 聞いてさえもらえれば、ありがたい。 例え、その返答が 「大変だね~~」 「つらかったでしょう~」 「何もしてあげられないけれど。」 そんな当たり障りのないものだとしても、 ええ、ええ♪ それでいいのです! それで充分 が、稀に。 (そう言ってくれるのを待っていたの!!) ほんと、極希に、 そんな言葉をかけてくれる人がいる。 この人は…! この人は一体何者なのだろう?! 訳もわからなくなるほど、嬉しくなって、 泣きたくなって、 どうして、この人が、私の心の奥の奥のずーーーっと奥にある本音に気づいているのだろう? (自分でさえ、よくわからないと言うのに…) と、感激しながら受け取った言葉は いつまでも消える事なく、 時々心の抽斗からそぉ~~~っと出して眺めたり出来る、 本当の宝物になると思うのだ。 長くなってしまったが、 昨夜読んでいた小川洋子さんの著書『妄想気分』でのエピソードに 作家ならではの苦悩が綴ってあった。 初めての長編を書き終えた後のプレッシャーからか? とにかく文章が一行も書けなくなってしまったのだ。 何も浮かばない…! 何も書けない…! 不安、不安、、、不安で押しつぶされそうな著者…。 そんな彼女の下にタイミング良く届いた一枚の葉書。 それは作家の三浦一郎さんからであった。 (我が郷土が誇る素晴らしい作家さん!!私も大ファンであります…) そこにはこんな言葉が… 『毎日一行でも二行でもお書きになられますよう』 小川さんは飛び上がって喜び、 何よりも心強いその言葉を何度も何度も繰り返し読んだ後は、気持ちがすーっと楽になり、普通にワープロの前に座る事が出来たと言う。 頂いた言葉ひとつで、 雁字搦めになっていた心は解けた。 小川さんにとっての特効薬は、その言葉だったのか… 苦しめる原因があれば、 それを解く方法も必ずある、と言う希望 いいですねー と~~~っても、清々しい気持ちになりました。
Posted by
本を読むとき、気持ちをこんなにも具体的に言葉にできるって素晴らしいなといつも思う。 小川さんはその言葉ひとつひとつも温かい。 学生時代の寮の話と夫婦の話が好き!!
Posted by
小川洋子さんって、いつでもほんとうに小川洋子さんなんだなぁと思えるエッセイ。 方向音痴で機械音痴なのも、阪神タイガースや古い建物や老婆をこよなく愛しているのも、息子さんの離乳食にかぼちゃばかり与えちゃうのも、どれもやっぱり小川洋子さんだ。 気取りや衒いのない文章が心地よい。初めて...
小川洋子さんって、いつでもほんとうに小川洋子さんなんだなぁと思えるエッセイ。 方向音痴で機械音痴なのも、阪神タイガースや古い建物や老婆をこよなく愛しているのも、息子さんの離乳食にかぼちゃばかり与えちゃうのも、どれもやっぱり小川洋子さんだ。 気取りや衒いのない文章が心地よい。初めて読んでからだいぶ経つけど、変わらず好きな作家さんだ。
Posted by
この本を読むと、作家・小川洋子さんがとっても身近に感じられました。 小川さんの本では、「猫を抱いて象と泳ぐ」が一番好きです。そのつぎに「ミーナの行進」。でも正直、ほかの作品では、あんまり共感も感動もできずう~ん・・っていうか分かりづらいっていうか、というものもありました。 でも、...
この本を読むと、作家・小川洋子さんがとっても身近に感じられました。 小川さんの本では、「猫を抱いて象と泳ぐ」が一番好きです。そのつぎに「ミーナの行進」。でも正直、ほかの作品では、あんまり共感も感動もできずう~ん・・っていうか分かりづらいっていうか、というものもありました。 でも、このエッセーを読むと、私の思っていた「なんとなく分かりづらい掴みにくい雰囲気」みたいなのが払拭されました。 そういえば小川洋子さんと河合隼雄さんの対談集も、とっても素敵でした。 小川洋子さんの本、また読みたいです(図書館で予約中!)。
Posted by
*著者の仕事風景や著作についてのエッセイ集* 印象的だったのは小川先生が「恐る恐る書く」と仰っていたこと。だからこその文体なのかな~と思いました。 原稿のデータを誤って消してしまった話は、衝撃のシーンなのに文体のおかげ(?)か、どこか静かな雰囲気を醸しています。
Posted by
作家ってすごいな。なんでこんなに私の気持ちを言い表してくれているのか。 自分を肯定してくれる言葉が欲しいから、本を読むんです。今の結論。
Posted by
エッセイを読むのは初めてでしたが, なんか,ゆったりとして読みやすい文章が好印象でした。 もっといろいろ読んでみたいと思いました。
Posted by
うーん、やっぱり小川さんのエッセイはいいなぁ。自分の好きなもの、周囲に対する愛情がたくさんつまってる。 ひょっとしたら見逃してしまうほどの、日常のさりげない出来事を両手でやさしく掬って問ってまじまじと観察しているイメージ。 こういう生き方ができれば、何のとりえもない人生でも、...
うーん、やっぱり小川さんのエッセイはいいなぁ。自分の好きなもの、周囲に対する愛情がたくさんつまってる。 ひょっとしたら見逃してしまうほどの、日常のさりげない出来事を両手でやさしく掬って問ってまじまじと観察しているイメージ。 こういう生き方ができれば、何のとりえもない人生でも、かけがえのない大切なものに思えるんだろうなぁ。
Posted by