一刀斎夢録(下) の商品レビュー
新選組三部作の完結編『一刀斎夢録』。 斎藤一の口述筆記「夢録」を、小説として蘇らせた浅田次郎の人間ドラマ。 ──子母澤寛が昭和4年(1929年)に発表した『新選組遺聞』に、斎藤一の口述を記録した「夢録」(むろく)という文書があると書かれているが発見されてのいない。── 『壬生義士...
新選組三部作の完結編『一刀斎夢録』。 斎藤一の口述筆記「夢録」を、小説として蘇らせた浅田次郎の人間ドラマ。 ──子母澤寛が昭和4年(1929年)に発表した『新選組遺聞』に、斎藤一の口述を記録した「夢録」(むろく)という文書があると書かれているが発見されてのいない。── 『壬生義士伝』の吉村寛一郎に対して、 沖田でもなく永倉でもなく、 斎藤一を持ってきたところに三部作のミソがある。 2011年の刊行はぎりぎりだったと思う。 令和の青少年に斎藤一は理解できるだろうか。 『壬生義士伝』では吉村寛一郎の息子、 『一刀斎夢録』では市村鉄之助と、 浅田次郎の描く少年には涙させられる。 ここが泣かせどころとわかっていて泣くのだから、 ちゃんと木戸賃払わないといけないなーと思う。 陸軍近衛師団の梶原中佐のその後は、どうなったのかな。
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斎藤一は、自分で言うほど糞ではない気がしました。歴史や時代が人間をこのようにしてしまったのではないでしょうか?個人的には、言ってることにとても共感できました。
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下巻は主に戊辰戦争の末期、会津藩で戦うところから西南戦争に至るまでの話。輪違屋糸里と同様に単なる歴史小説ではなく、西南戦争そのものが大久保利通と西郷隆盛の大陰謀であるという謎解きが山場の一つ。もう一つの山場が新撰組から会津戦争に至るまで面倒を見た市村鉄太郎との再会とその対決。再会...
下巻は主に戊辰戦争の末期、会津藩で戦うところから西南戦争に至るまでの話。輪違屋糸里と同様に単なる歴史小説ではなく、西南戦争そのものが大久保利通と西郷隆盛の大陰謀であるという謎解きが山場の一つ。もう一つの山場が新撰組から会津戦争に至るまで面倒を見た市村鉄太郎との再会とその対決。再会後のシーンは感動的だった。
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長広舌をふるう、斎藤一に最後まで馴染めず。 やはり、斎藤一は寡黙なイメージがある。 新選組に物語の中でも、面白味にかける。 三部作の前二作が名作であったため、少し残念である。
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西南戦争までが幕末なんだなと再確認。賊軍となり散々負けた幕軍の侍たちが、最後の死に場所としたのが西郷討伐だったんだなぁ。鬼になりきるまでの斎藤一の葛藤が痛いほど胸に刺さる。面白かった!
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ネタバレあり。 新撰組のとある1人にフォーカスした時代小説。 幼少期の生活から西南戦争までの戦が情景豊かに描かれている。 主人公はかなり癖のある人物で、人をバッタバッタと切ってしまうので残酷な話ではあるけれど、何か信念のような哲学のような考えがあり、そんなに酷い話には聞こえないの...
ネタバレあり。 新撰組のとある1人にフォーカスした時代小説。 幼少期の生活から西南戦争までの戦が情景豊かに描かれている。 主人公はかなり癖のある人物で、人をバッタバッタと切ってしまうので残酷な話ではあるけれど、何か信念のような哲学のような考えがあり、そんなに酷い話には聞こえないのが不思議だ。 タイトルに夢録とあるだけあって色々な意味で夢のような話。日本酒を飲みながら昔語りをするスタイルで、それもまた夢のような情景を醸し出しており、時代の匂いまで感じれるような気がした。 まだ読んでいないのだが、恐らく壬生義士伝のスピンオフのような小説だと思われる。 新撰組が好きな人はもちろん、歴史に迷い込みたい人にオススメです。
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浅田次郎の新撰組三部作の完結編です。新撰組最後の生き残り、斎藤一の視点から、激動の幕末・明治が描かれます。「壬生義士伝」が様々な人物が吉村貫一郎を語るという形式に対し、「一刀斎夢録」は主人公・梶原に対して斎藤が語る回顧録の形式を採ります。梶原と共についつい語りに引き込まれてしまい...
浅田次郎の新撰組三部作の完結編です。新撰組最後の生き残り、斎藤一の視点から、激動の幕末・明治が描かれます。「壬生義士伝」が様々な人物が吉村貫一郎を語るという形式に対し、「一刀斎夢録」は主人公・梶原に対して斎藤が語る回顧録の形式を採ります。梶原と共についつい語りに引き込まれてしまいます。
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上下巻合わせてのレビューです。 新選組 斎藤一の物語。藤田翁の回顧録という形式で話が進んでいきます。語り口は良かったんですが、登場人物にいまいち共感できず。 特に主人公たる斎藤一が情緒不安定、キーパーソンたる市村鉄之助にも人間らしい感情が感じられなかったのは、私だけでしょうか。...
上下巻合わせてのレビューです。 新選組 斎藤一の物語。藤田翁の回顧録という形式で話が進んでいきます。語り口は良かったんですが、登場人物にいまいち共感できず。 特に主人公たる斎藤一が情緒不安定、キーパーソンたる市村鉄之助にも人間らしい感情が感じられなかったのは、私だけでしょうか。 壬生義士伝ばりのクライマックスを期待してしまったからでしょうか、ちょっと残念でした。
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一刀斎とはよく言ったものだ、僕は伊藤一刀斎景久をすぐに思い浮かべたのだが、やはり全く違うものだった。もともと浅田次郎先生が伊藤一刀斎を題材にして書くなんて思っていなかったので、これは何?と手にとってみた 一刀斎夢録(上) 浅田次郎 一刀斎夢録(下) 浅田次郎 斎刀...
一刀斎とはよく言ったものだ、僕は伊藤一刀斎景久をすぐに思い浮かべたのだが、やはり全く違うものだった。もともと浅田次郎先生が伊藤一刀斎を題材にして書くなんて思っていなかったので、これは何?と手にとってみた 一刀斎夢録(上) 浅田次郎 一刀斎夢録(下) 浅田次郎 斎刀一…逆に読むとこうも読める。一文字置き換えると斎藤一。漫画などでもお馴染みの新選組三番隊長の斎藤一のことである。 浅田先生の時代小説に「輪違屋糸里」と映画化された「壬生義士伝」がある。そんな関係から伊藤一刀斎は考えなかったがまさか逆さに読むとね2011年に創刊されて僕はボロボロになるまで読み上げた折り目を入れたページは10ページ以上で多くのことを学んだ。本来、僕の中で書こうと思っていた作品に近いもの…というよりもエンディングが近いんですよね。かなりがっかりしたのですが、これはこれでかなり勉強になった。 夢録とあるが、どちらかといえば酒語りの中での回想録に感じる。斎藤一が藤田五郎として西南の役の際に抜刀隊に入り、九州に渡った。ここでの浅田先生の斎藤の心情として山口次郎でもなく藤田五郎でもなく、新選組三番隊隊長の斎藤一に戻ったのだとあるが、僕もそんなふうに前々から捉えていた。 市村鉄之助は死に場所を求めていたんだと思う。新選組の旧隊士たちは心の片隅にいつでも死に場所を探していたんじゃないかと思う。 「千年の武士の世は、生き残ったものの方には重すぎる」 女性がこの作品に共感を得るかと言ったら微妙であるが、エンディングは斎藤の話から離れ、梶原と榊という天才剣士二人の天覧試合になるのだが、何とも言いようがない終わりがまたいい。男に生まれてきて…と実感させられるような作品である。 浅田先生の新選組の個人をテーマにした作品は群を抜いているような気がします。
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新選組生き残りの一人である斎藤一。時代は明治から大正。新選組結成秘話に始まり、坂本龍馬や西郷隆盛との出会いを経て、鳥羽伏見の戦い、西南戦争と命を賭して駆け抜けた半生を近衛師団の若手将校に語る回顧録として書き上げる。そして本当に伝えたかった事、死する事を辞め生きる事を決意した真意に...
新選組生き残りの一人である斎藤一。時代は明治から大正。新選組結成秘話に始まり、坂本龍馬や西郷隆盛との出会いを経て、鳥羽伏見の戦い、西南戦争と命を賭して駆け抜けた半生を近衛師団の若手将校に語る回顧録として書き上げる。そして本当に伝えたかった事、死する事を辞め生きる事を決意した真意に向かって一気に最終章にて収束。本人が乗り移ったかのような鬼気迫る斎藤の語りに終始引き込まれ最後に涙腺開放~。
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