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はじめての宗教論(左巻) の商品レビュー

3.7

24件のお客様レビュー

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2018/11/12

神を空から引きずりおろしたシュライエルマッハーを通じて、キリスト教を理解し直す本。現代では、また神は空にいるという解釈となっているが、それはシュライエルマッハー以前とは違うことを認識する必要があるとこの書は問うている。

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2018/10/09

右巻ともに通読.背景になる知識が乏しいため,十分な理解は出来なかったが「見えない世界」をどのように扱うのか?神学の考え方については何となく理解できた.視野は広がる

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2017/02/05

2016年度「哲学演習」後期。 演習の発表でじっさいに用いた一冊。 前書きと第一章にあたる部分はていねいに段落単位で抜き出し、あとの章は通読して大意を要約した。発表のレジュメでは、すべての章のそして一冊ぶんの「問い」「答え」「論拠」をメインとし、参考資料として第一章の作業過程を添...

2016年度「哲学演習」後期。 演習の発表でじっさいに用いた一冊。 前書きと第一章にあたる部分はていねいに段落単位で抜き出し、あとの章は通読して大意を要約した。発表のレジュメでは、すべての章のそして一冊ぶんの「問い」「答え」「論拠」をメインとし、参考資料として第一章の作業過程を添付した。 内容としては、シュライエルマッハーを足がかりとしてナショナリズムと宗教の関連性をあきらかにしていく。宗教は現実と乖離したものではなく現実と直結したもの、という感想。

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2016/10/26

本書は、シュライエルマッハーから弁証法神学(バルト、ゴーガルテン)への神学的発展と、その社会史的意義について記されている。 シュライエルマッハーは「天上」にいた神を、人間の内面に持ってくる道筋を与えた。そしてそれによって、ナショナリズムが「神」として人々の心に滑りこみ、その結末...

本書は、シュライエルマッハーから弁証法神学(バルト、ゴーガルテン)への神学的発展と、その社会史的意義について記されている。 シュライエルマッハーは「天上」にいた神を、人間の内面に持ってくる道筋を与えた。そしてそれによって、ナショナリズムが「神」として人々の心に滑りこみ、その結末は第一次大戦の悲惨であった。それを受け、バルトは神を再び人間の内面から取り上げ、「絶対他者」として人間の外側に置いた。それはナチズムへの戦いにもつながったが、同じ弁証法神学者でも、ゴーガルテンは決断を重んじ、ナチズムへの迎合を「決断」してしまった。以上のような、神学=社会史的なとらえ方は、おそらく正しいのだろうと思う。 興味深く読めたのは、神学諸科へのイントロダクション。ここには著者の神学的関心の濃淡がよく表れていた。信仰者共同体としての教会論や、サクラメント論については大変薄く、記述もかなり怪しい。伝道学や宣教学についてはまったく触れられていなかった。 著者自身は、神学は「公共神学ではありえず教会の神学だ」と言っているが、実践的には、やはり公共神学者に分類されるのではないか。

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2016/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フォトリーディング&高速を交えて熟読。ジムの自転車マシンで1時間半で読了。 右巻に続きリベラル神学の歴史などを学べた。右巻には聖書解釈があって、氏のいうファンダメンタリストとしては解釈の違いに辟易させられたが、左巻では神学の(リベラル派から見た)歴史がよく分かった。啓蒙思想と神学、またナショナリズムと神学、そしてそれを克服したとされるバルト以降の(リベラル派)神学の流れがよく分かった。しかしその次については全く言及していない。福音主義やペンテコステ運動については、いわゆるメインラインの神学では無視を決め込むのかも知れない。あるいは知らない? 下記に付箋を貼った箇所の要約をのせる: 13:自由主義神学の父、シュライエルマッハーは、神を人の心の中にいる物とした。そして「主教の本質は直感と感情だ」とした。宇宙の精神を直感で察するというのはそのままロマン主義であると佐藤氏は指摘する。 14:第一次大戦後、自由主義神学はその無力を露呈して崩壊。代わりにカールバルトは弁証法神学(危機の神学)でシュライエルマッハーを批判し、人間の心理作用から神を隔絶させ超越した神を再確立させる運動を起こした。 16:その後、ドイツの弁証法神学の一部はナチスの神学の構築に邁進することとなった。 52-53:金(拝金主義)とナショナリズムは現代の二つの主流宗教。 60:民族が国際的に尊敬されるのは富のおかげ。アジアはマルコポーロの時代に尊敬され、第二次大戦以後は欧米から低く見られた。 82:シュライエルマッハーは自由主義神学の父。バルトは彼を批判し、自由主義神学を葬った。(故にバルトは自由主義神学ではなく、リベラル派というべき。) 96-97:バルトは「教会教義学」のした原稿を愛人に書かせた。しかも妻も住む自分の家に住まわせて書かせた。そんな環境で愛人(キルシュバーム)は精神を病み入院。それ以後「教会教義学」は未完となる。 日本の神学者はバルトのこの部分を知らず、ものすごく立派な人と思い込んでいる。ブッシュの「バルトの生涯」には多生(2行ほど)そのことが書いてあり日本語訳も出ている。 ヘーゲルも私生児を産ませ、カントには複数の女性スポンサーが在ったので金のために独身を貫いた。 124-125:シュライエルマッハーによると、救いを感じさせない教会はだめ教会。彼は教会は病んでいるという意識があった。 131:バルトの「教会教義学」の第三巻第四部「創造論Ⅳ」だけは読んで置いた方が良い。 144:弁償学とは異教徒とどのように論争するかという学問。論争学とはキリスト教徒同士の内ゲバの学問。 234:教父アウグスティヌスの悪い影響は、マニ教の影響。彼は罪が遺伝するとした。これは優生学にも通じる考え。氏によると教会はこの影響をいまも受けているとのこと。

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2015/08/31

・シェリングの世界観では、この世の中は泥沼のようなもので底は見えません。しかし底なし沼とはいえ、底の底のほうまで潜っていくと、「無底」という名前の底がある。その無底の向こう側に神の世界がある。無底に触れることができるような、一種特殊な才能を持った人は瞬時にして世界の構造を知ること...

・シェリングの世界観では、この世の中は泥沼のようなもので底は見えません。しかし底なし沼とはいえ、底の底のほうまで潜っていくと、「無底」という名前の底がある。その無底の向こう側に神の世界がある。無底に触れることができるような、一種特殊な才能を持った人は瞬時にして世界の構造を知ることができると考えるわけです。 ・中世のスコラ学では、神はすべてをなすことが可能かどうかが問題になり、結局は不可能ということになりました。神を善であると規定するならば、悪を作り出すことはできないわけです。この立場にしばられることによって、悪は存在しないという結論になっ た。 ところが聖書を読む限りにおいて、悪は厳然として存在するし、キリスト教の特徴というのは原罪感にあるわけです。人間による悪事というのは善の欠如などという水準のものではない。そうなると結局神が悪を作り出したということになります。悪を作り出すのは神ではなくて悪魔だとすれば、神と悪魔は同一のものになってしまいます。

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2014/03/25

 著者は、将来、牧師か神学者になるつもりなのか。話は面白いが、救済につながる人となるか疑問。キリスト教というのは、本当にユニークな救済を示している。現在の状況では、心に届くか。

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2014/01/02

フォトリ55。キリスト教がなぜ戦争を抑止できないのか、ナショナリズムと親和性があるのか、近代以降の歴史を追いつつ解説。 佐藤さんの勉強術、処世術のファンは多いと思いますが、宗教系の本を手にするかは「人の実存をも破壊する神」や「人が知る由もない真理」のあることを無条件に信じるか否か...

フォトリ55。キリスト教がなぜ戦争を抑止できないのか、ナショナリズムと親和性があるのか、近代以降の歴史を追いつつ解説。 佐藤さんの勉強術、処世術のファンは多いと思いますが、宗教系の本を手にするかは「人の実存をも破壊する神」や「人が知る由もない真理」のあることを無条件に信じるか否かによるのでしょうか?宗教にアレルギーのある方にも、後書きはおすすめです。

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2013/08/15

自由主義神学の祖、シュライエルマッハーの功績と限界から始まります。彼は「宗教の本質は直観と感情である」「絶対依存の感情である」との考え方。そしてイエス・キリストが見失われていったとのこと。ナチスに毒されていくことを予言しているような言葉である。カール・バルト、ゴーデルマンらの弁証...

自由主義神学の祖、シュライエルマッハーの功績と限界から始まります。彼は「宗教の本質は直観と感情である」「絶対依存の感情である」との考え方。そしてイエス・キリストが見失われていったとのこと。ナチスに毒されていくことを予言しているような言葉である。カール・バルト、ゴーデルマンらの弁証法神学の意味。「人間は神について語ることはできないが、不可能であるとはいえ、神について語らざるを得ない」という緊張感があるという危機の神学について及んでいきます。宗教がナショナリズムになぜ陥りやすいのか、シュライエルマッハー、ゴーデルマンなどの系譜の中にその危険性を示しています。この著者の博識には今回も驚きましたが、私たちの信仰とのスタンスの違いは何となく感じざるを得ませんでした。

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2013/04/13

なかなか良かった。久しぶりの宗教、神学関係の書籍。専門的なことが深く書かれているわけではないけど、自由主義神学による現在の我々への影響がわりと細かく、わかりやすくく書かれていて面白かった。なかなか手をつけられずにいたシュライエルマッハー、バルトについての導入にもなったのでなかなか...

なかなか良かった。久しぶりの宗教、神学関係の書籍。専門的なことが深く書かれているわけではないけど、自由主義神学による現在の我々への影響がわりと細かく、わかりやすくく書かれていて面白かった。なかなか手をつけられずにいたシュライエルマッハー、バルトについての導入にもなったのでなかなかいい読書だったと思う。 13/04/13

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