働かないアリに意義がある の商品レビュー
一見役に立たなそうなことでもいつかは役に立つかもしれない、そんな当たり前のことを忘れかけていました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
働かないアリに意義がある 高度で不思議な社会を作るアリや蜂の生態から見えてくる進化と効率の考察。 短期的な効率性を考えると自然淘汰の圧力によってなくなってしまいそうな多様な社会や組織が残っていることから、長期的な生存適性もあるのでは無いか? 働き者と思われているアリの中にも全く働かないアリがおり、どうやらその秘密は遺伝的多様性による働くトリガーとなる状況に個体差があるからではないかということがわかって来たとのこと。女王蜂は何匹もの雄と交尾して遺伝的な感応性が異なる働きアリを生み、そのことが巣全体の効率性を高めているのだそうです。要はいざという時に必要なリソースを蓄えておくことによって必要な仕事に必要なリソースを割り当てられるようにする仕組み。なので、遺伝的な感応性が低い個体は本当に困った時以外は働かないということです。こんなことを会社でやったら効率が悪いということでマネージャーは即首ですが、全体の長い目で見た効率性はこの方が上ということ。 また、別の話題では、社会ができればそこにただ乗りするフリーライダーが現れて、それが増えることによってその社会が壊滅してしまうという現象が見られるということ。どこかで聞いたことがあるような話です。そうローマ帝国の「パンとサーカス」の話。為政者に「もっとパンをくれ、もっとサーカスで楽しませてくれ」と要求ばかり市民がし出したことがローマ帝国の滅亡につながったとか。現代のどこかの国もこんな傾向が最近顕著になって来たような。。。。 歴史は人の浅知恵では、滅亡が防げないことを示しています。虫が教えてくれることに謙虚に耳を傾けることも必要でしょう。 と怠け者の竹蔵はサボる理屈をこねるのでした。 竹蔵
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アリやハチの社会性昆虫の観察から、人間社会についての考察が面白かった。 でも3.4章の遺伝子の話がイマイチ理解できなかった...。もう一度読み込みたい。
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蟻や蜂にも有意な個体差があるなんて知らなかった。[more]人という巨視的世界と蟻の微視的世界、蟻の巨視的世界と細胞という微視的世界の相似も面白い。フリーライダーやチーターは人間が勝手につけたレッテルであること、『働かない』のではなく働く場面が違うということには注意が必要か。終章...
蟻や蜂にも有意な個体差があるなんて知らなかった。[more]人という巨視的世界と蟻の微視的世界、蟻の巨視的世界と細胞という微視的世界の相似も面白い。フリーライダーやチーターは人間が勝手につけたレッテルであること、『働かない』のではなく働く場面が違うということには注意が必要か。終章でも再提起されているが、複雑な環境における進化理論もなかなか興味深そう。
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読み手を選ばないように簡単な日本語で面白おかしく書かれた社会性昆虫のお話。 以下のような人に話したくなるトピックがたくさん。 - 真社会性生物はアリ、シロアリ、ハチ、ネズミに限らずアブラムシやカブトムシ、エビ、カビまで - 働き具合(腰の軽さ)の違いは「反応閾値モデル」仮説 -...
読み手を選ばないように簡単な日本語で面白おかしく書かれた社会性昆虫のお話。 以下のような人に話したくなるトピックがたくさん。 - 真社会性生物はアリ、シロアリ、ハチ、ネズミに限らずアブラムシやカブトムシ、エビ、カビまで - 働き具合(腰の軽さ)の違いは「反応閾値モデル」仮説 - 疲労&回復と非効率システム - 遺伝的多様性の低さと反応閾値変異のジレンマ 1番ビビったのは - コカミアリとウメマツアリ(オスとメスが完全に親のコピー、ていうかメスの単性生殖はまだいいとしてオスがメスの身体を借りて自身の完全コピーを作らせるのはもうやり過ぎどころじゃないし、こういうのって宗教マジな人はどう処理してんのかしら。んもー神様ったらお茶目なんだからぁって感じ?柔軟性高いね。うらやま。) でした。 なおツチハンミョツの幼虫が集団で花に化けてハチを誘き寄せるとの記載がありますがあれはハチのメスフェロモンを真似て誘ってるのではないかと by ナショジオ
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短期的効率が高くなるよう進化が起こるとされるが、繁殖するまでに生物が死んでしまえば意味がない。なので短期的な効率は犠牲になっても、長期的な存続に寄与する場合がある。 全員が一斉に働く組織は労働効率は良いが、組織は長く存続しない。働かない個体がいる組織は労働効率は低いが、組織が長...
短期的効率が高くなるよう進化が起こるとされるが、繁殖するまでに生物が死んでしまえば意味がない。なので短期的な効率は犠牲になっても、長期的な存続に寄与する場合がある。 全員が一斉に働く組織は労働効率は良いが、組織は長く存続しない。働かない個体がいる組織は労働効率は低いが、組織が長く存続する。
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BSEの研究の話が興味深い。目先の役に立つことばかり研究するのが良しとする昨今。いざというとき何が役に立つか誰にもわからない。プリオンを研究している人がいなかったら、狂牛病の対応はもっと時間がかかっていたし、被害も拡大していたということか。
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アリは働き者である、という言説が存在する。 しかし、実際にはそんなことはなく、1-2割のアリは全く働いていない。では、なぜそのようなアリが存在するのか?それは、閾値が異なることで、周りのアリが手に負えない仕事量になるまでは「仕事ができない」からなのだ。では、なぜこのような機能が必...
アリは働き者である、という言説が存在する。 しかし、実際にはそんなことはなく、1-2割のアリは全く働いていない。では、なぜそのようなアリが存在するのか?それは、閾値が異なることで、周りのアリが手に負えない仕事量になるまでは「仕事ができない」からなのだ。では、なぜこのような機能が必要なのか?全てのアリの閾値が同じだと、ホンマにヤバイ時に誰も手が空いておらず、コロニーが死滅する危険性があるからだ。 これら生物の機能は、環境(自然環境、外的環境)に対して適応するために、自然選択の中で進化してきた、非常に合理的なシステムなのだ。
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最新版が出ているにもかかわらず、あえて2010年初版(2011年第8刷)をAmazonの中古でポチ買い。 これがあの「20万部超えのベストセラー」本なのかと。 最新版は表紙が文字だけなので、やはりこの”怠け者のアリ”のイラストはインパクト大。この方がよい、良い。 日経の記事で、先...
最新版が出ているにもかかわらず、あえて2010年初版(2011年第8刷)をAmazonの中古でポチ買い。 これがあの「20万部超えのベストセラー」本なのかと。 最新版は表紙が文字だけなので、やはりこの”怠け者のアリ”のイラストはインパクト大。この方がよい、良い。 日経の記事で、先に結論部分を読んではいたが、あらためて筆者の考えがよくわかり、通読する価値あり。
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アリやハチの社会について生物学、進化学の視点から考察し、人間社会の例を交えながら分かりやすく解説した本。 真社会性昆虫であるアリの7割は働かずにいる。「反応閾値(仕事に対する腰の軽さ)」が個体間で違っており、巣の中に働きたくても働けないアリを待機させておくことで集団としての「...
アリやハチの社会について生物学、進化学の視点から考察し、人間社会の例を交えながら分かりやすく解説した本。 真社会性昆虫であるアリの7割は働かずにいる。「反応閾値(仕事に対する腰の軽さ)」が個体間で違っており、巣の中に働きたくても働けないアリを待機させておくことで集団としての「余力」を上手く残している。短絡的にみれば意味のないように思えることも、大きな視点で捉えると機能的であることが分かる良い例で、人間社会も短絡的な効率だけを追求していてはいけないという筆者の生物学者としての望みにとても共感できました。
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