水域(上) の商品レビュー
ファンタジーだけどホラーでもある。「水」に対する感情(畏怖・静謐・神聖視etc...)は日本人ならではの感覚なのかもなー。と。水神伝説は嘘か真か。
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「蟲師」の語り尽くせない、語り残す、その余韻が好きだった。物語よりずっと大きなものがそこにある感じがして。「水域」は長編の分、語りきっちゃったみたいなところがあって、逆にちんまりした感じも。そこが若干物足りない。いや、いい話なんだけれども。
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ダムのお話で、自然の豊かさや厳しさや人間の勝手さや人の愛温かさなど、いろんなものがひっくるめられたドラマがある話でした。泣けた。 絵もこの話にとてもぴったり。著者漆原さんの「蟲師」が有名らしいので、そちらも読んでみようと思った。
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漆原さんの作品は、じわ〜と染みが広がっていくような話の進め方なので、読んでいてとても気持ちがいい。 この作品もまさにそんな感じだった。 読んで損は無いと思う。
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上下巻。始まりの辺りに描かれる、カラカラに乾いた夏の日と山深い村にひたすら降り注ぐ雨の対比がきゅんきゅんきました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ダムに沈んだ村に住んだ一家の時間軸が微妙に乱れた不思議なノスタルジーのお話。 渇水でダムが干上がったことをきっかけに、爺さん婆さんと、龍神の祠で神隠しにあった長男と、妹、妹の娘が沈んだはずの村で多分に重層的な邂逅を果たす。 神域、村、時代、そういったものにとらわれたり、決別したり、それでも別れ難かったり。忘れ難い思いを静かに書いている印象がある。長男の神隠しと、彼の囚われた時空に紛れ込んでしまう孫娘が中心になるが、長男を捉えたと思しき龍神の直接的な描写はなく、なんとなく焦点の定まらない、霞のかかったような話になっている。 蟲師の頃から、読者の捉え方は読者次第というような、ある種突き放した書き方をする作者だが、それが更に進んだような印象もうける。雰囲気変わってないし、好きな人は好きだと思うが、穏やかすぎてなかなか迫らない、とも思えた。 もののけ姫みたいな感覚、かもしれない。
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いろんなとこで紹介されてたから、気になってた。蟲師と同じ作者らしい悲しくなっちゃう話。20110416
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◎ダ・ヴィンチ2011年4月号 「今月のプラチナ本」。 2011年6月3日(金)読了。 2011-36。
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泣けた。失われていく故郷。愛しい子との別れ。親を求める子の想い。誰も悪くないのに、皆心のどこかに深い深い悲しみを湛えた水域を持つ。もし澄夫に出会ったのが母親なら、きっと澄夫を一人にはできなかっただろう。もし子を失ったら。その想像は子を持つ母親には想像することさえ忌まわしいほどの恐...
泣けた。失われていく故郷。愛しい子との別れ。親を求める子の想い。誰も悪くないのに、皆心のどこかに深い深い悲しみを湛えた水域を持つ。もし澄夫に出会ったのが母親なら、きっと澄夫を一人にはできなかっただろう。もし子を失ったら。その想像は子を持つ母親には想像することさえ忌まわしいほどの恐怖だ。
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このひとは本当に故郷などひとや生き物の根源を思い出させるものを描くのがうまい。それが蟲師のときみたいに、人や動物ではないあの世に近い蟲であったり、今回はスミオであったりした。泣いてしまった。あと水に投げ打つ感覚は水泳経験者には特別のもの。
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