沈没船が教える世界史 の商品レビュー
考古学に無知なダイバーによる沈没船からの遺物取得、陸地の発掘より海底の沈没船発掘の方が考古学上、今まで知り得なかった歴史の真実を知るためには大きな可能性があることも分かった。しかし、沈没船に至るまでの記述が長いこと、沈没船の記述に関しても断片的でイマイチ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
2010年刊行。テキサスA&М大学博士課程在学。水中考古学(海底等に眠る遺跡・遺物を陸上考古学と類似の方法論で発掘採集し、保存しつつ解析・分析する学問)の見地から、西洋の大航海時代の在り様・沈没船の分析結果、元寇(日と越南)による沈没船の分析をざっくりと解説。学問の黎明期とはこういう感じなのかな、という意味でも面白い。蒙古襲来絵詞に描かれていた「てつはう」と思われる遺物を長崎県鷹島近海で発掘、日元船に満載された銅銭、英国に敗れたスペイン無敵艦隊は実は寄せ集め船団の可能性など、史実の逆転・補強に資する。
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ダイバー的にはすごく気になる水中考古学の世界。 本書は沈船からのアプローチ。「第4章 沈没船発掘マニュアル」からが俄然面白い! 水中洞窟内の遺跡の発掘などの世界もあると聞いていますが、日本で本格的に行っている大学はないものか・・・と思って探したら、学会やらいろいろあるのですね~...
ダイバー的にはすごく気になる水中考古学の世界。 本書は沈船からのアプローチ。「第4章 沈没船発掘マニュアル」からが俄然面白い! 水中洞窟内の遺跡の発掘などの世界もあると聞いていますが、日本で本格的に行っている大学はないものか・・・と思って探したら、学会やらいろいろあるのですね~ 具体的に参加できるような活動をしていきたいと思います。
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沈没船ってなんだかロマンがありますね。 『タイタニック』の映画を思い出すと、沈んだ当時は大惨事なのですが、時代を経て、残骸から昔のお宝などが発見されたりするからです。 2009年に開催された「海のエジプト展」も非常に面白かったため、タイトルに引かれて読んでみました。 水中の沈没...
沈没船ってなんだかロマンがありますね。 『タイタニック』の映画を思い出すと、沈んだ当時は大惨事なのですが、時代を経て、残骸から昔のお宝などが発見されたりするからです。 2009年に開催された「海のエジプト展」も非常に面白かったため、タイトルに引かれて読んでみました。 水中の沈没船は地表のものよりも保存状態が良く、つい昨日沈んだばかりに見える数千年前の船が、ある日突然発見される可能性もあるのだとか。 やはり海にはまだロマンが眠っているようです。 イギリスがスペイン無敵艦隊を破ったアルマダの海戦の裏の事情も紹介されています。 イギリス艦隊の副司令官フランシス・ドレイクは、海賊行為をしながらマゼラン海峡を突破したんだとか。 彼は祖国の英雄ですが、スペイン人には海賊扱いされているそうです。 映画やディズニーランドでおなじみのカリブの海賊は、18世紀に活躍したとのこと。 「黒ひげ」の話が紹介されていました。 黒ひげ危機一発のモデルですね。 スチーブンソンの『宝島』は、海賊キャプテン・キッドの隠した財宝がどこかに眠っているという伝説がベースになっています。 海賊が元ネタとなっているものは、案外多いことに気がつきます。 「三角貿易」とは、ヨーロッパで武器→西アフリカで奴隷→西インドで砂糖→ヨーロッパ、の三角形。 社会の授業を思い出しました。 ヴァイキングは好戦的というより、交易を主な目的として各地に植民していった民族だとか、日本一島が多い県は長崎(971島)だとか、興味深い雑学が文中にいろいろと取り込まれています。 元寇の「神風」は台風のことで、瞬間最大風速が約55m。 洞爺丸台風に匹敵する強さで、海上交通の難所の伊万里湾にいた元の船はぶつかり合い、大きな被害を出したそうです。 著者が携わっている海洋考古学の調査法についても紹介されていました。 ダイバーが発見した与那国海底遺跡のイメージが強いですが、そんなきれいな海にもぐることはないのだとか。 透明度の高い海に沈んでいる船は、すでに発見されて引き上げられているため、見つけにくいヘドロの漂う汚い海に潜ることがほとんどだそうです。 海洋研究者の悩みもつづられます。 生活の為の漁業者に、遺跡が知らず破壊されてしまうケースが多いのだとか。 特に底引き網漁の盛んな海域に被害が多いそうです。 ウォーターフロントの不動産物件も、古い時代の沈没船の上に建っている可能性があるのだそうです。 日本もよく調査してから埋め立てしないと、貴重な歴史資料を発見できずに終わってしまいそう。 また、沈没船などの水中遺産を人類共通の文化遺産とせずに、宝として盗む盗掘者が研究者にとっての敵。 オークションで好事家の手に渡ったら、もはや手を出せないそうです。 水中文化遺産保護の必要性が叫ばれ、2009年にユネスコが「水中文化遺産保護条約」を採択し、20カ国以上が批准したそうです。 ただ排他的経済水域の扱いを巡って折り合いがつかず、アメリカ、イギリス、日本はまだ批准に至っていないのだとか。 日本もまだだとは。遺跡の破壊や盗難防止のために、一刻も早く協定が結ばれればよいのですが。 水中考古学の歴史はまだ50年という新しい学問。 世界中の海にはまだ300万隻の沈没船が眠っているそうです。 改善点は多いものの、やはりロマンがまだまだ残っている領域だなと思いました。
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海からタイムカプセルを見付け出すロマンあるお話。 何となく宇宙より深海に惹かれる性分なので楽しかった。 こういう分野がまだまだ未開拓だというのは意外だったな。 関われたら楽しそう。
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水中考古学というまだ50年程の新しい学問の紹介と、水中遺物が教えてくれる新しい世界史。 特に1章が物語を読んでいるようで、興味深かった。 2章は少し駆け足気味の感あり。 新しい発見がある度に又本に書いて教えて欲しいなっと思った。
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長いあいだ、人類は海を調査する術を持たず、人や財宝とともに沈んだ船は、歴史から消えたも同然だった。だが、20世紀末に水中考古学の発展が状況を変えた。歴史を閉じ込めて眠る沈没船が続々と発掘され、スペインの無敵艦隊やヴァイキングなどに関する新発見が相次いだ。我々の知る世界史は海の考古...
長いあいだ、人類は海を調査する術を持たず、人や財宝とともに沈んだ船は、歴史から消えたも同然だった。だが、20世紀末に水中考古学の発展が状況を変えた。歴史を閉じ込めて眠る沈没船が続々と発掘され、スペインの無敵艦隊やヴァイキングなどに関する新発見が相次いだ。我々の知る世界史は海の考古学者たちの発掘によって塗り替えつつある! 以上が本書の概要である。著者のランドール・ササキ氏は1976年生まれの水中考古学者で、ランドール・ササキアメリカのサウスウェストミズーリ大卒後、中近東での陸上発掘に携わり、テキサスA&M大で水中考古学を学ぶ。元寇の沈没船をはじめアジアの沈没船調査に参加している。 本書は五つの章で構成① 大航海時代とカリブの海賊-ポルトガルの栄光と衰退、大洋の沈まぬ国スペイン、イギリスの台頭とカリブの海賊。② ヨーロッパを作った船たち、ク表紙Book cover フ王の太陽の船、ローマのガレー船、ヴァイキング船、カラヴェル船とキャラック船の登場。③ 沈没船が塗り替えるアジアの歴史-中国の沈没船史、元寇。海の世界史と世界で発掘されている沈没船の状況。④ 沈没船発掘マニュアル。⑤ 新しい真実を探して-沈没船はタイムカプセル、歴史の謎は水中にある。
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単に宝探しの話ではなく、背景の世界史も著述されているのでとても興味深く読めた。 海外に比べ日本では水中文化遺産の保護が全くされていないのは、とても残念である。 12/0/12-19
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海底遺跡に興味があったので買ってみたら、読みやすく面白かった。 遺物からどんな事が分かるのか、は陸上での遺跡で分かる事と全く異なるのに驚いた。 まだまだ見つかっていない沈没船が沢山あると書かれていたので、まだ見ぬ史実や今まで誰も知らなかった発見がこれからもっと出てくるんだと読んで...
海底遺跡に興味があったので買ってみたら、読みやすく面白かった。 遺物からどんな事が分かるのか、は陸上での遺跡で分かる事と全く異なるのに驚いた。 まだまだ見つかっていない沈没船が沢山あると書かれていたので、まだ見ぬ史実や今まで誰も知らなかった発見がこれからもっと出てくるんだと読んでてわくわくする。 期待して待っていると共に、これからも水中考古学に期待してしまう本でした。
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海の先に陸があるともわからずに航海するなんて大冒険だなー。地球儀を見ながら読みたくなる本です。面白かった。
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