日蝕・一月物語 の商品レビュー
表面的には、硬派な文体を取っている。それでも、どこか暴風のような乱流も感じる。それはまるで、本質そのものを知ってしまったが、若さゆえに、その非情な感情が過剰な顕示欲に結晶化しているような感触だ。確かに硬派な清閑さはあるが、その裡で燃え盛る狂気にも近い情動を感じる。しかもその光景は...
表面的には、硬派な文体を取っている。それでも、どこか暴風のような乱流も感じる。それはまるで、本質そのものを知ってしまったが、若さゆえに、その非情な感情が過剰な顕示欲に結晶化しているような感触だ。確かに硬派な清閑さはあるが、その裡で燃え盛る狂気にも近い情動を感じる。しかもその光景は、無声映画を見るように、静かだ。そこに作者自身の強烈な生命力を感じた。
Posted by
著者の作品は初めて読んだが、独特の世界観に引き込まれた。 文章や単語の使い方の分かりにくさはあるにしても、それを上回る魅力たっぷりの作品だった。 読み応えのありそうな著作が多々ありそうなので、今後も楽しめそうだ。
Posted by
平野啓一郎は今年二冊目だけど、デビュー作のほうがよくわからない。難読漢字と美文体調の形容詞に彩られた中世ヨーロッパの物語。解説もよく頭に入ってこなかった。二回目読んだら何か違うとおもうけど、それはまた今度。
Posted by
『日蝕』も『一月物語』も単行本で読みました。 読みづらいとかいう意見はよく聞きましたが、大学時代に、お前の頭の中は別世界か!ってつっこみたくなる哲学書を読まされてばかりだったので、それに比べたら読みやすかったです。漢字もわざと難しいものを用いてますが、文脈でおおよそ読めます。 ...
『日蝕』も『一月物語』も単行本で読みました。 読みづらいとかいう意見はよく聞きましたが、大学時代に、お前の頭の中は別世界か!ってつっこみたくなる哲学書を読まされてばかりだったので、それに比べたら読みやすかったです。漢字もわざと難しいものを用いてますが、文脈でおおよそ読めます。 逆にこんな漢字があるんだと新しい発見もあったりして、別の楽しみもあります。
Posted by
以前読んだ「ドーン」の時にも感じたが、言葉の使い方が面白い。 幻想的な物語。 個人的には一月物語が読みやすいと感じた。 言葉の中に、上手く自分の気配を隠していて、非常に制御されている文体だなと思う。うかつに真似したら、中2病この上ないだろう。 文庫とはいえ、解説が3...
以前読んだ「ドーン」の時にも感じたが、言葉の使い方が面白い。 幻想的な物語。 個人的には一月物語が読みやすいと感じた。 言葉の中に、上手く自分の気配を隠していて、非常に制御されている文体だなと思う。うかつに真似したら、中2病この上ないだろう。 文庫とはいえ、解説が3つも入っているあたりに、文壇の期待のほどが伺える。あまり見たことがないので驚いた。
Posted by