感染宣告 の商品レビュー
血友病の薬害、性的マイノリティ間での奔放な性交渉、風俗でのアルバイト。感染の原因は様々。診断されることは死の宣告ではない。投薬を続ければ日常生活を営むことはできる。…妊娠により女性の感染が発覚した2組のカップル。運命をわけた男性側の反応|同性愛を隠してよき夫を演じてきた男性。自ら...
血友病の薬害、性的マイノリティ間での奔放な性交渉、風俗でのアルバイト。感染の原因は様々。診断されることは死の宣告ではない。投薬を続ければ日常生活を営むことはできる。…妊娠により女性の感染が発覚した2組のカップル。運命をわけた男性側の反応|同性愛を隠してよき夫を演じてきた男性。自らの感染発覚後の告白。妻が受けた衝撃。二人は父と母として生きていく|薬害被害者の男性に献身する女性。父の結婚反対の中、子が宿る。そのとき男性は他の女性と…運命を変える感染という事象。宣告の後も時は流れる。それぞれの人生を刻みながら。
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特に女性の話し言葉が読みづらくて なかなか入ってこなかったけれど 非常に面白く読んだ。 なかなか病気への考えは難しい。 だけど私は受け入れられる人になりたいなぁ。
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HIVは感染症のひとつにすぎないのに、日本では同性愛者への偏見もあって、社会的な差別が大きい。自分だっていつHIV感染者になるかわからないのに。日本は異質なものを排除して同質なもので集まりたがる、正常と異常とで白黒つけたがる文化が根強いなあと感じる。 この本に出てくるHIV感染者...
HIVは感染症のひとつにすぎないのに、日本では同性愛者への偏見もあって、社会的な差別が大きい。自分だっていつHIV感染者になるかわからないのに。日本は異質なものを排除して同質なもので集まりたがる、正常と異常とで白黒つけたがる文化が根強いなあと感じる。 この本に出てくるHIV感染者たちも、まず感染した自分の体を心配する間もなく、親やパートナーに伝えるか伝えないかを悩まなくてはいけなくなる。がんやほかの感染症とは違う根強い偏見との闘い。 最初はセックスの話ばかりでちょっとうんざりしたのが正直なところ。性感染症のひとつでもあるから仕方ないけどね。でも読み進めるにつれ、HIVに感染したことで他者との関係や人生にこんなにも影響する現実を知り、思っていた以上の驚きだった。
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ノンフィクションの重たい話だが、いくつかの話を小分けにして切り替えながら進めることで感情移入し過ぎずに読み進めることが出来た。 死ぬ病気と思われていたエイズも、医療的には今や糖尿病と同程度の認識だというのには驚いた。 ではなにが問題なのか。 ウィルスへの恐怖ではなく、愛する人を...
ノンフィクションの重たい話だが、いくつかの話を小分けにして切り替えながら進めることで感情移入し過ぎずに読み進めることが出来た。 死ぬ病気と思われていたエイズも、医療的には今や糖尿病と同程度の認識だというのには驚いた。 ではなにが問題なのか。 ウィルスへの恐怖ではなく、愛する人を失う恐怖、偏見による差別。 偏見の問題は難しいが、啓蒙していくことで確実に減っていくものでもあるのではないかと思う。 エイズには知るワクチン のキャッチフレーズは、状況が変わった今、違う意味で活きている。
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相変わらず、世界を広げてくれるという意味ではすごい著者だなと感じます。 エイズは薬では抑えられるとは聞いていたけど、その人間模様もそれぞれなんだなと改めて。 一番驚いたのは、医療関係者の間ではエイズと糖尿病が同じレベルで語られているということ。世間とのギャップはまだまだ・・・
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エイズに関わらず性感染症は、誰かと性的な関係を持つことによって誰にでもなる可能性があるもの。 みんな頭では理解できているつもりでも、実際にその場面にあたったときに危険な行為をしてしまうのでしょう。 HIVに関して、ニュースやネットで得る知識程度しかしらなかったので、この本を読んで...
エイズに関わらず性感染症は、誰かと性的な関係を持つことによって誰にでもなる可能性があるもの。 みんな頭では理解できているつもりでも、実際にその場面にあたったときに危険な行為をしてしまうのでしょう。 HIVに関して、ニュースやネットで得る知識程度しかしらなかったので、この本を読んで勉強になった。 もっと怖くなった。 だって、あるとき血液検査が陰性が出たとして、その後同じパートナーと性交をし続けていたからといって(相手が危険行為をしていない前提)安心ではないから。 たまたま相手のウイルス数が抑えられていたときだったから。とか、たまたま感染しなかったという”たまたま運が良かった”というのがありえるから。 そうはいっても、きっとこういうことを考えているのは生活する中でほんの少しであり、恋人とセックスしないということもないと思う。 本当に人間は矛盾しているよな都合が良いよな。 薬害エイズの被害者、同性愛者、自分のせいで感染した人、恋人のせいで感染した人、自分は感染していないが夫が感染していてそれを支える人… いろんな立場の人の話が読めていろんな問題が明るみになり、いたたまれない気持ちになった。 人の心をも襲ってしまうエイズについてもっと理解が深まればいいと思う。 ただ、この本、同性愛者の話が多かった気がする。 もっとなんというか浅はかな行動で…みたいな話も知りたかった。
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HIVに感染した方々を追ったノンフィクション。 作中にもあるが、感染すると「人間性がむき出しになる」という。 読み進むにつれていくつもの事例が描かれ、「むき出し」がどういう事なのか極めて厳しい現実を見せられる。 主な感染経路が性的接触とされているが故、どうしてもオープンにし辛い...
HIVに感染した方々を追ったノンフィクション。 作中にもあるが、感染すると「人間性がむき出しになる」という。 読み進むにつれていくつもの事例が描かれ、「むき出し」がどういう事なのか極めて厳しい現実を見せられる。 主な感染経路が性的接触とされているが故、どうしてもオープンにし辛い病。でもこの社会にこの病気と向き合って、一生懸命に生きている方々がいるという現実を無視するわけにはいかないだろう。 そういう現実を知るきっかけになった。 読んでいる間、ノンフィクションであることを忘れてしまいそうになった。 それくらいに衝撃的だった。
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何でしょうねぇ~。もう、献血のときぐらいしか日常生活には出てこなくなってしまったエイズ。ついこの前まではあんなに騒がれていたのに。まるでオウム真理教のような・・・・・ とにかく、面白いというかいっきに読ませてしまう内容でした。著者らしい本当に真ついた部分も多かったと思います。 中...
何でしょうねぇ~。もう、献血のときぐらいしか日常生活には出てこなくなってしまったエイズ。ついこの前まではあんなに騒がれていたのに。まるでオウム真理教のような・・・・・ とにかく、面白いというかいっきに読ませてしまう内容でした。著者らしい本当に真ついた部分も多かったと思います。 中には何か、暴力が嫌いなくせにレイプもののAVを借りてみてしまう心境というか、怖いもの見たさというような感じもありましたが後半は今の自分が重なるような部分もあり・・・・ まぁ、途中で著者に女医さんが「ただ、こう言う人はほんの一部。あなたのような人は、本を書くために面白い事例を見つけたがるでしょうけど、・・・」っと言うようにほんの一部かもしれないが真実。エイズの本質がここにはあるような気がします。 でも悲しさだけでなく、人の強さや優しさもこの本の中にはあり、読後は良い余韻でした。
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HIVに関わらず、人は病気になれば、それも生死に関わるような病気になれば人生観が変わるのだろう。自分も以前、肺がんの疑いがあったときは変わった。疑いが晴れた後は元に戻った。HIVは元に戻ることはないのだから、変わったままになる。しかも自分ひとりの問題ではなく、連れ合いや子供の人生...
HIVに関わらず、人は病気になれば、それも生死に関わるような病気になれば人生観が変わるのだろう。自分も以前、肺がんの疑いがあったときは変わった。疑いが晴れた後は元に戻った。HIVは元に戻ることはないのだから、変わったままになる。しかも自分ひとりの問題ではなく、連れ合いや子供の人生にも関わることだから、その葛藤はすさまじいものになるのでしょう。
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日本のHIV感染者・エイズ患者を追ったノンフィクション。 「きれいなひがいしゃ」じゃない感染者像を描こうとしたんだろうけど、どうにもフィクションを読んでいる気分だ。 小説のようにサクサク読める、という意味ではなく、つくりばなしのような印象。 インタビューを書き起こしたような書き方...
日本のHIV感染者・エイズ患者を追ったノンフィクション。 「きれいなひがいしゃ」じゃない感染者像を描こうとしたんだろうけど、どうにもフィクションを読んでいる気分だ。 小説のようにサクサク読める、という意味ではなく、つくりばなしのような印象。 インタビューを書き起こしたような書き方の部分も、発言者の言葉そのままなのか著者による再話なのかよくわからない。 嘘っぽさに耐えきれなくて少し読んでやめた。 嘘っぽいとは言っても、イデオロギーにもとづいた捏造みたいなのではない。 ただ、見たもの聞いたものは本当だとしても、見たいものが見られる場所へ行って聞きたいことを聞いただけなんじゃないかと思ってしまう。 たとえば「(男性)同性愛者はパートナーの数が多くて性的接触も多いからリスクが高い」という話。 感染者(多分乱交パーティーに来ていた人)に聞いたところによると一対一で付き合う人もいるけれど三桁斬りも珍しくなくて云々と書かれている。 なんだかインターネット利用率をネット上のアンケートで調べるみたいな話だ。 使わない人はその場所にいない。 使う人がいるのは事実でも、使わない人を考慮せずに語るなら、その「事実」は歪んでいる。 一部の事実だけを見てそれがすべてだと思うのは危険なことだ。 だからこの本を鵜呑みにすることはできない。 そもそも同性愛についての記述が、ものすごいヘテロ脳。 きちんと「同性間の性行為と性的指向はイコールではない」と書いているにもかかわらず、性行為は「同性愛行為」、男同士でセックスしている人たちは「同性愛者たち」と記述される。(この本の世界では同性愛者=ゲイらしい) 普通に「男同士でセックスして」と書けばいいのに、「同性愛行為に耽溺し」「性愛を交わし」「淫行にふけり」などと表現される。 これだけ同性愛が同性愛がって書いているのに、男性の感染経路の説明では「膣に挿入すると」と言い切る。 ハッテン場やら「タチとウケ」(「受け」ってBL用語じゃないのか)やらの理解もなんか変。 古いイメージに基づいた「ヘテロの考えるホモ」像にひっぱられて、そこにいる人をそのままみるってことができていないように思う。 こういうのがみんな悪意じゃなくて、著者の頭がどうしてもヘテロの枠組みから出られないだけなんだろうなと思えてしまうのが悲しい。そんなに難しいことなのか。 ゲイだけじゃなくて、男女間でセックスして感染した女子も薬害エイズ被害者も、みんな偏見を助長するような書き方をされている。 貶めようとするヘイトスピーチとは違うし、「良い患者」「きれいな被害者」の枠を壊したいのかもしれないけれど、やっぱりこの本だけを読んだ人には悪い印象を持たせてしまいそうだ。 「かわいそうな薬害エイズ被害者」とやりたがる支えてあげたがる恋愛したがる女の子たちの話は『ニグロと疲れないでセックスする方法』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4894348888の白人女子大生に似ている。 やってることは同じなんだけど、分析があるから、あっちは嫌な感じを受けずに読めた。
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