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百人一首 の商品レビュー

3.9

19件のお客様レビュー

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2024/05/30

百人一首を学び、味わうのに、入門として誰にでも薦められる好著。 個人的には、右近の「忘らるる身をば思わず誓いてし人の命の惜しくもあるかな」の深い読みに震撼させられました。

Posted byブクログ

2024/02/12

百人一首について勉強しようかと思い、買ってみた一冊。一首につき、2〜3ページの解説がされている。解説がコンパクトなので、気に入った一首、気になった一首とかをサクッと知りたい時に便利である。 和歌というのは、「出会いや別れ、ある風景を前にしたとき、恋に落ちた瞬間など日常生活の一齣...

百人一首について勉強しようかと思い、買ってみた一冊。一首につき、2〜3ページの解説がされている。解説がコンパクトなので、気に入った一首、気になった一首とかをサクッと知りたい時に便利である。 和歌というのは、「出会いや別れ、ある風景を前にしたとき、恋に落ちた瞬間など日常生活の一齣」に「心のときめき、緊張を感じ」た「ハレ」の瞬間を捉えた写真集のようなものだ。そんな考え方から、和歌が捉えた「ハレ」の「瞬間」を解説する姿勢が一貫してるので、和歌の一つの楽しみ方が、読み終わったときに身についているような気がする。 特に、目に見えない気持ちや感覚を、目に見えるもので「描こう」とするところに、和歌の表現があるという説明で、かなり和歌の楽しみ方が変わった実感がある。 「難波潟短き蘆の節の間も逢はでこの世を過ぐしてよとや」では、恋人会うことのできない時間が、たとえ短い時間であっても待っていられない気持ちを伝えるのに、「蘆の節の間」に託していると読む。「蘆の節の間」は、視覚的に見える空間的な短さだけれども、それ一気に恋人と離れている時間の短さに転じている。 こうした目に見えないものを、目に見えるもの託す、比喩と見立てが和歌の一つの表現なのだ。 こんな解説を百首分も読んでいると、次第に和歌の描く風景を、それを詠んだ人の情景として見ようとする。そうすると、何も知らずに読んだときとは、違った歌に見えてくる。それが楽しかった。 他にも、歴史的背景や歌人同士の人間模様など、別の楽しみ方も触れられている。ただ、似たような名前と人物関係がこんがらがって、まだまだそうした楽しみ方には程遠い。割と、自分自身が、歌の言葉そのものには興味はあっても、その人物模様にあまり興味がないのかもしれないなとも思った。 いずれにせよ、和歌の楽しみ方を、ちょっとお堅めの文章で初めて学ぶ一冊として、いい本だと思う。

Posted byブクログ

2023/11/02

子供が中学生のときにすべて暗記していたが、この本はその歌の内容の解説があるので、意味がわかっていいと思う。ドラマ鎌倉殿で、源実朝様に興味を持ち、百人一首にもその歌があるとのことで、家の本棚にあったこの本を読んでみました。

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2023/09/07

昔から好きなのは「さびしさに宿を…」なんだけど、今回は38番「忘らるる身をば思わず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな」も面白かった。 ううん、私のことはいいの。ただ、私との愛の誓いを破ったあなたが神罰で死ぬのがとっても残念で…と、悲痛な顔で中指立ててそうで笑っちゃった。

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2023/08/06

全部じっくり読めてはいないのですが、百人一首は授業で覚えさせられるもの、という今まで抱いていた負のイメージを払拭するきっかけになった本。 解説文が個人的に読みやすく、親しみを持って歌に触れることができました。お気に入りの歌は、 一五「君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降...

全部じっくり読めてはいないのですが、百人一首は授業で覚えさせられるもの、という今まで抱いていた負のイメージを払拭するきっかけになった本。 解説文が個人的に読みやすく、親しみを持って歌に触れることができました。お気に入りの歌は、 一五「君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ」 八四「ながらへばまたこのごろやしのばれむ憂しと見し世ぞ今は恋しき」

Posted byブクログ

2023/04/05

中高生の時に国語便覧で拾い読みしかしたことのなかった百人一首を、初めて全て読んだ。やっぱり古文は難しいなぁと思ったが、意味がわかると風景や心情がすっと理解できた。当時の人が思っていたこと、恋愛のようす、自然などが歌を通して感じられた。たった三十一文字に様々な意味を込め、余韻を感じ...

中高生の時に国語便覧で拾い読みしかしたことのなかった百人一首を、初めて全て読んだ。やっぱり古文は難しいなぁと思ったが、意味がわかると風景や心情がすっと理解できた。当時の人が思っていたこと、恋愛のようす、自然などが歌を通して感じられた。たった三十一文字に様々な意味を込め、余韻を感じさせる。和歌は素晴らしい文化だと思う。

Posted byブクログ

2022/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

学生の頃に暗記した百人一首。 今も多少興味はありつつも、その背景や込められた意味をほとんど知らないなと思い、手に取りました。 ・田子の浦にうち出でてみれば白妙の       富士の高嶺に雪は降りつつ 富士山に雪が積もっている歌…と、漠然としたイメージだったのが、「開放感とともに、青い空と青い海にはさまれた富士山頂の真っ白な風景が、見事なコントラストで、ぐっと迫ってくる。」と読み、この短さでこんなにはっきりイメージできるのか、と驚きと発見でした。 写真を撮ることも、それを映像で共有することもできない時代(絵はあったけど)、目を閉じて歌からその情景を楽しんだ多くの人がいたんだろうと、感慨深い気持ちになりました。 ・奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の       声聞く時ぞ秋は悲しき 秋になると、どことなくもの悲しい、人肌恋しい、と思う哀愁は、当時の日本人も感じていたんだと、遠い昔が急に身近に思えました。 そして「悲しい、侘しいという感覚は、決して悪いことではなく、むしろそう感じていたいという願望の対象でもあった。」という一文に、私もこの感覚だ!と妙に納得。 秋が来たらこの歌を思い出しそう。 ・君がため春の野に出でて若菜摘む       わが衣手に雪は降りつつ 1つ目の天智天皇とこの歌、"露に濡れつつ"なのか"雪は降りつつ"なのか、いつも曖昧でした。 でも「(若菜の)緑と(雪の)白の鮮やかな対象」と情景が目に浮かび、こうして色をイメージしていたらちゃんと覚えられたな~。 どの歌からも、当時の日本がいかに美しかったか(特に秋)、風光明媚な土地に囲まれていたかと想像し、現代にはない風景が羨ましくなりました。

Posted byブクログ

2019/09/24

紫式部「めぐり逢ひて~」について、高校で習ったころにはピンとこなかった歌も、社会人になり環境が変わると少しわかるようになった気がする。

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2019/02/10

万葉集、古今和歌集、新古今和歌集と、順に楽しんできたので、とても親しい気持ちで読みすすめられました。 和歌というものがいかに決められた枠組みの中で詠われたものか、ということが大変よくわかります。感情を素直に言葉にするのだけではなくて、高度にルールが規定されたものでした。 百人...

万葉集、古今和歌集、新古今和歌集と、順に楽しんできたので、とても親しい気持ちで読みすすめられました。 和歌というものがいかに決められた枠組みの中で詠われたものか、ということが大変よくわかります。感情を素直に言葉にするのだけではなくて、高度にルールが規定されたものでした。 百人一首は、膨大な和歌の中から、わずか100首を選りすぐった珠玉のベスト盤です。決められた数の音で、「縁語」「掛詞」「本意」「歌枕」「本歌取り」などの技巧をたくみに活用した名作集です。 こんな芸術性の高い歌を、即興バトルで披露し合ったというのですから、鎌倉以前の人たちの知識量と創造性には脱帽です。 この本は、現代語訳と解説に加え、和歌の世界をより深く理解するためのコラムなども織り交ぜながら、現代の私たちが共感できるように軽妙な語り口で、100首すべてを紹介してくれています。どういう境遇の人がどんな場面で詠んだものなのか、ということがわかると、歌に込められた思いがより深く味わえます。 高校古文ような眠くなりそうな授業ではありません。気軽な気持ちで、私たちの財産であるクラシック文学に触れることができます。

Posted byブクログ

2018/01/05

 百人一首の入門書。読み物としても面白い。少々見解の違う解釈もあるがそれも古典の古典たるゆえんである。和歌をめぐる様々な知識もコラムとして載せられている。中高生は必読。大人も読みやすい。  電子書籍版(Kobo)では多少レイアウトが崩れるところがある。

Posted byブクログ