木洩れ日に泳ぐ魚 の商品レビュー

恩田陸【著】

2010/11/23

恩田陸ワールド。
でもちょっと私好みではないかも…
引越しを明日に控えて、何も無くなった部屋で過ごす、双子の兄妹。
二人の会話から、その関係が少しずつ見えてきて、殺人事件をも連想させたりする…

2019/09/26

表紙に描かれている掌は一見爽やか、だけどよく見ると何となくぞわぞわ〜。
物語の感じもそんな感じ。
一組の男女が迎えた最後の夜、それぞれの側から語られる現在と過去。二人の関係、出会い、子どもの頃の思い出、二人で行った１年前の登山旅行、二人の父と思しきガイドとその死亡事故。
小出しに明らかになっていく二人の正体、事故の真相。
ただ、謎を解く話でもなく、二人の間で出された解も真実かはどうかは杳とせず…。
話がどのように展開されようと、常に曝け出されるのは、強かで激しい女の怜悧さと受け身で小賢しい男の卑小さで、結局は、二人の腹の探り合いから醸し出される、掛け違えたシャツの釦のようなひんやりとした違和感を楽しめるかどうかが好き嫌いへの分かれ道。
私はダメでした。

2014/06/19

意味深に始まり、あっけなく終わる。
二人がたどり着いた答えは真実かもわからないけど、終わりは妙に清々しいから不思議。

憎くてしかたないくらいの愛情、ほんとにそれだけの理由だったのかな～
なんだか寂しい気がするけど・・・

2010/11/19

別々のところへ引っ越すその前夜、それまでお互いに確かめられずにいた、一年前の旅行で起きたガイドの転落死に相手が関わっていたのではないか？という暗い疑惑を胸に、一組の男女がガランとした部屋で語り合うという２人芝居のようなお話。忘れていた記憶を呼び覚ますと、過去の出来事も人間関係もまったく別の形で浮かび上がり、立っていたはずの地面が突如として液状化したような不安定な気持ちになりました。でも読後感は爽やか。さすが恩田陸。

2010/11/18

上質な舞台を見ているよう。
一人の男と一人の女が、一つの部屋で一晩過ごす。ただ、それだけ。
少しずつ色々なことが明らかになって、でもそれが真実かどうかはわからない。
途切れない緊張感と濃密な空気を味わって、何年分もの想いをいっぺんに共有したような感じ。

2010/11/17

10/11/17読了 読んでて先を急かされるわけでもなく恐怖があるわけでもなく、かといって平和な雰囲気でもない小説。家族愛ねぇ…。

2010/11/16

期待していた以上に面白かったです。

恩田作品はひさしぶりですが、やはり心理描写が上手いですね。

展開の早さと謎解きの強引さはやや感じますが、結局は一晩の彼らの回想と想像からの推理なので、別に正当化された真相ではないんですよね。

読んでる途中は腑に落ちないものがあっても、読み終えるとあまりにすんなり納得する彼らに納得できました。

2010/11/14

久々に、ノンストップで最後まで一気読みしてしまった。リーダビリティの高さは相変わらずですが、最近文庫化されている作品は比較的キャラクターの印象というか、自己主張みたいなものが薄くなっている気がします。

2010/11/12

文庫になるの待ってたよ！
買ったその日に一気読み。
推定読書時間２Ｈ。

読み進めるに従って、刻々と状況が変わっていく様子に、途中で読むのを止められなかった。