お初の繭 の商品レビュー
生臭くって恐ろしい。 生理的に受け付けないというひともいるでしょう。虫が苦手な人は読まないほうがいいです。お蚕さんから絹糸をとる、小さな女工たちに訪れる悲劇。どうすることもできない真っ暗なお話です。 人の悪意、アレに隠された真実、想像すると吐き気を催すような数々の描写…。 ホラー...
生臭くって恐ろしい。 生理的に受け付けないというひともいるでしょう。虫が苦手な人は読まないほうがいいです。お蚕さんから絹糸をとる、小さな女工たちに訪れる悲劇。どうすることもできない真っ暗なお話です。 人の悪意、アレに隠された真実、想像すると吐き気を催すような数々の描写…。 ホラー大賞は伊達じゃないです。怖い話、どろどろが好きなら是非。壊れていく女の子たちが可愛いです。 絹製品の見方が変わりました。
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瓜生(うりいく)製紙は若い娘を特殊な蛾の生き餌にしているブラック企業.何も知らずに連れてこられて洗脳される哀れな娘たち.若旦那の二成(ふたなり)の行動からおぞましい真相を知ったお初.逃走を企てるが結局捕まってしまうお初.なんともぞっとする話だ.
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家族のため、村のため、製糸工場に奉公にだされた12才の少女・お初。屈辱的な身体検査を受け、格付けされる少女達。お初を残し、仲間の少女たちが姿を消して行く中、煮繭の臭いがむせかえる部屋でお初が見た真実とは。 はやい段階で最終の結末がわかってしまった。さらに終わり方も尻切れトンボのよ...
家族のため、村のため、製糸工場に奉公にだされた12才の少女・お初。屈辱的な身体検査を受け、格付けされる少女達。お初を残し、仲間の少女たちが姿を消して行く中、煮繭の臭いがむせかえる部屋でお初が見た真実とは。 はやい段階で最終の結末がわかってしまった。さらに終わり方も尻切れトンボのようでした。
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製糸工場に奉公に出された少女たち。時折異様な仕打ちがあるものの、そこで待っていたのは辛い・苦しいとは大凡無縁の生活だった。甲種一等の女工とされた主人公・お初は時折垣間見る工場の習慣に違和感を覚えながらも日々を過ごしていたが、朝夕飲む丸薬でアレルギーをおこしたことをきっかけに隔離さ...
製糸工場に奉公に出された少女たち。時折異様な仕打ちがあるものの、そこで待っていたのは辛い・苦しいとは大凡無縁の生活だった。甲種一等の女工とされた主人公・お初は時折垣間見る工場の習慣に違和感を覚えながらも日々を過ごしていたが、朝夕飲む丸薬でアレルギーをおこしたことをきっかけに隔離されたお座敷で、工場の裏側を知る。 巻末に第十七回ホラー大賞の選評、過去の受賞作一覧付き。 悪趣味はホラー小説大賞だからいっても仕方がない。むしろ褒め言葉の部類になる。まだうら若い女の子にあんな事こんな事うふふ、と想像するのは大凡健全な悪趣味なのだろうと思う。尤も趣味は悪い。これは仕方がない。 語りかけるような三人称の語り口は心地よいけれども、描写がさらりと済んでしまうのは是か非か悩むところ。全く描写がない訳ではないが、さらりと読んでしまう。想像で補うところか。 ふりーくにふぐりにふたなりに、ふるちんすきーだの冥途人形だのらふ画だのの駄洒落センスについては本筋に絡むところではなく、お遊びの部分であると思われるため、さほど気にならなかった。読んだ感覚が若干ライトになる効果があると思う。それを是とするか非とするかは個人の好みか。
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日本ホラー小説大賞っていえば岩井志麻子の「ぼっけえ、きょうてえ」を読んだときの衝撃がよみがえり(立ち読みしはじめたら止まらなくなって、夢中で全部読んじゃったのだった)、つい期待。 これも最初はかなりぐぐっと来る。貧しい農村の悲惨さが切実。 そのままの路線で行ってくれたらよかったんだけど、中盤以降は、この独特の文体が、うまく作用してるとこと、逆効果になってるとこがあって、笑わせようとしてるのかなんなのかちと混乱。「ドッスンコ」とかね…。 いつまでも真実に気づかない少女たちの無垢さを、わざと皮肉っぽく書いてる、んだと思うけど、訴えてくるものが目減りしちゃう。 あの異人さんの「ばなな飴」とか、作者の趣味がちらっと。いいけどさ。 ぞっとするような怖さはないけど、でも一気に読めるくらい面白かったです。岩井志麻子と比べちゃいかん。
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このホラー大賞はなんともまたオーソドックスというか。。。むかぁーし昔で始まる古典的な昔話みたいですね。怖くは全くありません。本当の野麦峠の方が悲惨で怖いかもです。人繭がホラーチックってことなんかな?でも普通の読み物としたら十分良かったです。一気に読ませます。
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前半はお初達の健気さも感じさせる内容でしたが、途中から「こう来るんじゃないか」「ああなるんじゃないか」と色々グロテスクに想像していました。何度も「気持ちわる~!」と思いながらも「これは一気読みしなきゃあいかん」という心理で読みつづけました。 グイグイと引き込み、読ませるこ...
前半はお初達の健気さも感じさせる内容でしたが、途中から「こう来るんじゃないか」「ああなるんじゃないか」と色々グロテスクに想像していました。何度も「気持ちわる~!」と思いながらも「これは一気読みしなきゃあいかん」という心理で読みつづけました。 グイグイと引き込み、読ませるこの雰囲気は嫌いではありませんが、動物でも虫でも‘団体’はとっても苦手。なので途中から変に想像してしまって、身体を‘掻き掻き’しながら読んでいました。気持ち悪いし、痒いし、痛い…そして後から思い出した時、鳥肌になるような結末でした。 文章はですます調で書かれていて、物語の雰囲気にはぴったりだと思います。でもこの展開が目新しいのかどうか…ま、目新しけりゃいいってもんでもないですけどね。 全体的に面白く読めたと思います。でもホラーとしては物足りない。今度は違うタイプのホラー作品が読みたくなりました。次作はもっともっとコテコテのものを書いてくれるといいなぁ。
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感想を一言でまとめると「このド変態が!」である。 それ以外何も言えないんだぜ…。 ホラー小説大賞ですが、幽霊的な怖さではなく、不気味もしくは気持ち悪い(エグイとは違う)という怖さ。 ある程度するとだいたいオチはわかってしまう。 それでも読ませるのはすごいのだけど、ページを閉じた最...
感想を一言でまとめると「このド変態が!」である。 それ以外何も言えないんだぜ…。 ホラー小説大賞ですが、幽霊的な怖さではなく、不気味もしくは気持ち悪い(エグイとは違う)という怖さ。 ある程度するとだいたいオチはわかってしまう。 それでも読ませるのはすごいのだけど、ページを閉じた最終的な感想は「このド変態が!」です(大事なことなので2回言った) 二回目は読まないだろうなあ…。
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※このレビューにはネタバレを含みます
読みやすい。ホラー小説、というよりも、本当は怖い昔話(創作)といった感じ。グロテスクではなくその手前くらい。 フルチンスキーという外人が出てくるのだが、名前が・・・。彼が出てくると下ネタ満載です。バナナ飴とか。 和風ファンタジーといった設定ですが、名前が違うだけでフィギュアやアニメ絵といった小物が登場しています。 オタクはにやりとするのではないでしょうか。
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アリカ様ご推薦の書だし、装丁も綺麗でタイトルも良かったから期待してみたら……。まったくの期待外れ。 何ていうか、キャラや話の作り込みが薄っぺらい。 冒頭数ページはよかった。雰囲気出てた。 けど読み進めるにつれて、描写がだんだん適当というか、分かりやすい表現になっていったのに興醒...
アリカ様ご推薦の書だし、装丁も綺麗でタイトルも良かったから期待してみたら……。まったくの期待外れ。 何ていうか、キャラや話の作り込みが薄っぺらい。 冒頭数ページはよかった。雰囲気出てた。 けど読み進めるにつれて、描写がだんだん適当というか、分かりやすい表現になっていったのに興醒めした。 やってることがえげつないのはいいけど、ただえげつないだけで面白みがない。 えげつなくて残酷なことをやってればホラーってわけでもないでしょうに。 てゆうか、途中までホラー大賞だったこと完全に忘れ去っていたくらい怖くなかった。 2chのオカ板の方がよっぽど怖いわ。 唯一評価できるのは、先を読ませる力があったこと。 妙に続きが気になる書き方をしていて、その点に関しては完全に感服いたしました。
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