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繁栄(上) の商品レビュー

3.9

45件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

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2011/05/08

レビューはブログにて♪ http://ameblo.jp/w92-3/entry-10881778709.html

Posted byブクログ

2011/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間が他の動物と一線を画して進歩を始めたのは「交換」という行為をしたのが本質であり、その後の進歩もつまるところ「交換」により実現してきたという視点は斬新である。 言われてみれば、家族以外のものを信用して自分が損をするかもしれないのに交換をするというのは実は当たり前のようで大変なハードルがその信用が社会的、個人的に築かれるまでにはあったのだなと気付かされた。 「交換」により「分業」が可能となり「専門化」が進むというのは確かにそうだ。その進歩の反対方向の動きとして「自給自足の罠」というのが挙げられていたことも興味深い。 信用が崩れたり、大きな事故である専門家との交換が失われたときに自給自足の方向へいくが、これが集団としての機能、知を大きく損なってしまうといのは納得できる。

Posted byブクログ

2011/03/29

人々がここまでこれたのは、交換や組み合わせによって絶えず変化を起こし、種の一元化を避けてきたということがあげられる。グローバルな視点で見れば、まだまだ種の中でもさらに繁栄しているところやそうでないことが浮かびあがってくるわけだが、いずれにせよ、近代合理主義や情熱、意識の変化によっ...

人々がここまでこれたのは、交換や組み合わせによって絶えず変化を起こし、種の一元化を避けてきたということがあげられる。グローバルな視点で見れば、まだまだ種の中でもさらに繁栄しているところやそうでないことが浮かびあがってくるわけだが、いずれにせよ、近代合理主義や情熱、意識の変化によって、内面的に外面的に我々の生活は繁栄していくにいたったといえそうである。今後もその傾向は続きながらも、同じように今とはまた違った形で世界は前進に向かっていくような気がしている。進化や退化は後になってみないと正直なところ見えてこない。が、そうであっても変わらないところも残しつつ、その一方で何らかの変化を伴って何かが変わり続けているのである。

Posted byブクログ

2011/03/01

いったい人と動物の何がちがうんだろう? 古来よりそれを一言で表現しようと試みられてきた。 人は○○をする唯一の動物である。その言葉によって。 曰く、人は道具を作る動物である。 本当に?古代の人類は見事に左右対称なハンドアックスを作ることができた。でもそれだけだった。彼らは数十万...

いったい人と動物の何がちがうんだろう? 古来よりそれを一言で表現しようと試みられてきた。 人は○○をする唯一の動物である。その言葉によって。 曰く、人は道具を作る動物である。 本当に?古代の人類は見事に左右対称なハンドアックスを作ることができた。でもそれだけだった。彼らは数十万年の間変わることなくハンドアックスを作り続けた。彼らが進歩させたことといったら、見事に左右対称なハンドアックスを、より見事に左右対称なハンドアックスに変えたことくらいだった。 曰く、人は言語を使う動物である。 本当に?骨格や遺伝子の研究によると、ネアンデルタール人は言語を使った可能性が高い。しかも複雑な言語を。でも彼らは絶滅した。遺跡を見ても彼らの道具が進歩していった様子は見られない。 それじゃ人と動物を隔ているものは何なんだろう。そこでこの著者は言う。人は交換をする唯一の動物である、と。 なんだそれ?そう思うかもしれないがちょっと考えてみよう。物々交換をしている動物って見たことある? 確かに血縁関係を守る行為や、お互いに背中のしらみを取り合うような行為は動物にも見られる。 でもここでいう交換はまったく血縁関係にない見ず知らずの他者とお互いに合意の上で取引をすること。これってスゴイことじゃない? 俺のドッグフードやるから俺の代わりに吠えてくれない?そうやって取引する犬なんて考えられる? 交換はお互いを豊かにする。釣り針をつくって魚を釣りに行くより、釣り針をつくる人と魚を釣る人がお互いに魚と釣り針を交換する方が得をする。それが高度になっていけばいくほど。 ひとりで鉄鉱石を掘って、1000度以上の炎で精錬し、鋳造し、鍛えることなんてできるだろうか? 交換することによって専門化が進む。鉄鉱石を掘る人、精錬する人、鋳造する人、鍛える人、それぞれがそれだけをやることでひとりで全部やるよりも技術は進歩する。釣りをする人、農業をする人もしかり。交換によっておまんまにありつけることで、安心して専門的な仕事に専念できる。 もし誰もその技術と、食料やその他、様々なものと交換してくれなかったならそんなことやってられない。故に技術は進歩しない。 ネアンデルタール人の遺跡からは、彼らが作った道具の材料は徒歩で1日圏内にあるものばかりということがわかる。現生人類が数百キロ離れたところにある材料を加工したり、ある土地で作った装飾品が数百キロ先で発見されたりしているのと同じ時代に。 そして交換をすることで得られるすばらしいことがもうひとつある。それはアイデアが生殖を始めることだ。 あんパンというものがある。あん+パンであんパン。でもあんパンを作った人は、あんを作った人でも、パンを作った人でもない。これってスゴくない? もし仮に交換がない世界だとしたら、まあ滅んでるだろうけど、あんを作った人と、パンを作った人がいたとしても、その二人が血縁関係じゃなければあんパンは生まれない。ましてや生まれた国や時代が同じでなければ。 でも交換することによってそんな縛りはなくなる。べつにパンを作った人じゃなくともパンのアイデアを持つことができる。同様にあんのアイデアも持つことができる。 そうして数千年の時と国を超えて19世紀日本の木村屋で、あんのアイデアとパンのアイデアがセックスをして、あんパンが生まれるに至ったわけである。 あんパンでこれなんだから他の種々雑多なアイデア大乱交パーティはいわんや。アイデアは加速度的に増殖し、増殖したアイデアが更に増殖の勢いを増す。 客商売系のシミュレーションゲーム、コンビニとかテーマパークとか、だと客の考えてることがわかる。おでんが欲しいんだな、お化け屋敷に入りたいんだなとか。あーゆーノリだよね。僕たちは遺伝子の乗り物である以上にアイデアの乗り物である。様々なアイデアを積め込んでセックスの相手を探している。もちろん。アイデア様のお相手を。

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2011/02/08

人類10万年史を楽観論から繁栄の歴史として、様々な角度から縦横に論じる あなたは50年前の生活に戻りたいのか? 映画に登場するのどかな田園風景は理想郷なのか? 自給自足が望ましいのか? 中学の時、キャンプに行って飯盒でご飯を炊きカレーを作った時のことを思い出した。 水道もまき...

人類10万年史を楽観論から繁栄の歴史として、様々な角度から縦横に論じる あなたは50年前の生活に戻りたいのか? 映画に登場するのどかな田園風景は理想郷なのか? 自給自足が望ましいのか? 中学の時、キャンプに行って飯盒でご飯を炊きカレーを作った時のことを思い出した。 水道もまきも用意してあるキャンプ場だったが、昼ご飯が終わってかたずけたら、じきに夕ご飯の準備、食べ終わり食器を洗い、明日の朝食の準備を終わったら疲れてしまった。 早く家に帰りたいと思った。

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2015/06/08

貧困や気候変動への危機感など、世界中に蔓延する「悲観主義」に正面から反論し、「合理的楽観主義」を提唱する。膨大な量の史実とデータの検証により、単なるアンチテーゼに終らない説得力のある主張が展開される。本書を読むと「消費型社会vs持続型社会」とか「経済的豊かさvs精神的豊かさ」とい...

貧困や気候変動への危機感など、世界中に蔓延する「悲観主義」に正面から反論し、「合理的楽観主義」を提唱する。膨大な量の史実とデータの検証により、単なるアンチテーゼに終らない説得力のある主張が展開される。本書を読むと「消費型社会vs持続型社会」とか「経済的豊かさvs精神的豊かさ」といった単純な二元論が無意味に思えてくる。人類の歴史は即ちイノベーションの歴史であり、未来に向けてもそうであるはずだという本書の主張を最も必要としているのは日本なのかもしれない。

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2011/01/30

「ちょうど今、いろいろと悲観論が出ているけど、全然大丈夫だよ。」って内容の本。 この本を読みながら、歴史と今の繋がりを考えた。 そして、結局のところ人間ってどんな存在なんだろうって考えた。

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2011/01/27

人類の繁栄は交易によってもたらされたという本書が展開する説は、合理的で納得のいくものだ。交易が分業を生み、効率化された結果、繁栄する。 交易によって社会性を獲得した人間は、利己主義には走らず、集団にたいして貢献しようとする。なるほど。

Posted byブクログ

2010/12/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

紀伊国屋書店で平積みされていたし、ハヤカワのノンフィクションだし、購入。以下要点のまとめ。 現代には、悲観論者が多く、「現代は悲惨だ」という意見の方が人気がある。いつの時代もその時代を悲観する悲観論の人気があった。。過去を理想化し、懐かしむ場合、過去にあった貧困や差別、暴力は注目されない(理想的に描かれる産業革命以前の田園の生活、生活の実際をリアルに描写すれば、病気、細菌、飢餓、差別、貧困の温床)。 ・現代は、人類史上一番幸福で、繁栄している時代である。何故多くの人が、現代こそ最高の社会だと信じないのか。もし社会が幸福で、自分自身が不幸なら、自分が惨めになる。社会に不幸なニュースは満ちているが、自分の人生はそこそこ快適なら、人は満足を得られる。どうも人間は、他の人、社会全体の平均より自分が不幸という状況に耐えられないようである。 ・自然の生物は、生殖、つまり遺伝情報の交換によって繁栄する。生物は生殖を繰り返すことで累積的に進化する。文化も、交換、異なるアイデアの融合によって、累積的に発展する。 ・互恵と交換は異なる。互恵は、何かしてもらったから、何かを後に返す行為である。互恵には時間差がある。互恵は動物でも見られる。交換は同時に何かと何かを贈りあうことであり、人間だけに見られる。チンパンジーは交換ができない。 ・分業=交換によって経済が発展する。自給自足では貧困になる。 ・商品の交換は、等価ではない。交換者双方が恩恵を受ける。 ・礼儀正しい社会、人々が穏やかな社会では、商業が発展する。 ・経済的に豊かな人は貧しい人よりも幸福であり、豊かな国の方が、貧しい国より幸福である。ただし総じてそうなので、例外はありえる。 ・自分のライフスタイルを自由に選択できる社会に暮らす方が、幸せの度合いは高まる。 ・都市で集団生活を送れるのは、人間の特徴。チンパンジーが人間並みに密集したら、けんかが始まる。人間は互いを信頼して、集団社会を築くことができるようになった。 ・日常的な親切がニュースにならないのは、ありふれているから。凶悪事件や事故のニュースが多いのは、身の回りでめったにおきない珍しいことだから。 ・世界人口が90億人なっても、人類は自分達を養うことができる。 ・集約型農業の方が生産性が高い。前近代的な農業は、多くの生物を死滅させる。 ・何故人間は牛を大量に家畜し、牛乳や牛肉を消費しているのか。牛が家畜としてふさわしかったから。もし牛が家畜でなかったら、別の動物が家畜になっていただろう。

Posted byブクログ

2019/01/16

この本の著者のプレゼンがすごく興味深かったので読んでみる。 マット・リドリー: アイディアがセックスするとき http://www.ted.com/talks/lang/jpn/matt_ridley_when_ideas_have_sex.html しかし翻訳の問題なのか、...

この本の著者のプレゼンがすごく興味深かったので読んでみる。 マット・リドリー: アイディアがセックスするとき http://www.ted.com/talks/lang/jpn/matt_ridley_when_ideas_have_sex.html しかし翻訳の問題なのか、すごく読みづらいです・・

Posted byブクログ