「つながり」を突き止めろ の商品レビュー
ネットワーク・サイエンスという研究領域があることを初めて知る。 社内のメールログの解析から全社員の人間関係を分析して企業管理に生かすビジネスが既に存在していることの驚きや、知り合いの知り合いを数人辿るだけで想像以上に人間関係が広がる事実の面白さを堪能する。 しかしながらそ本書...
ネットワーク・サイエンスという研究領域があることを初めて知る。 社内のメールログの解析から全社員の人間関係を分析して企業管理に生かすビジネスが既に存在していることの驚きや、知り合いの知り合いを数人辿るだけで想像以上に人間関係が広がる事実の面白さを堪能する。 しかしながらそ本書全体から強く感じるのは、この学問の未熟さ(学問として体系化されていない)と人間関係を対象とする難しさ(プライバシーの問題が研究の妨げとして常に立ちはだかる)に対する著者の苦労であり、この研究が孕む知的興奮が読んでいてあまり伝わってこなかったことが残念である。
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最近は、ネットワークと聞くとWebに関連する話を想起するが、子供時代、一般回線の電話しか通信手段がない時代から、「人間関係」というネットワークについては常に身近で、興味の最もたる対象であったなぁと、この本を読んでつくづく思った。 巻末の夢を空間の向こう側に見るか、時間の向こう側...
最近は、ネットワークと聞くとWebに関連する話を想起するが、子供時代、一般回線の電話しか通信手段がない時代から、「人間関係」というネットワークについては常に身近で、興味の最もたる対象であったなぁと、この本を読んでつくづく思った。 巻末の夢を空間の向こう側に見るか、時間の向こう側に見るかという言葉は印象的だった。 若かりし頃は、常に空間の向こう側に夢を描いて行動を繰り返していたが、最近年をとると共に、時間の向こう側に思いを巡らせることが増えてきた気がする。 どちらが良い、悪いとは思わないが、ネットワークの向こう側に、空間の向こう側にアクティブに行動することをわすれてはいかんかなと思いなおす良いきっかけになった一冊でした。
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ネットワーク研究について、最近のトピックを織り交ぜながら説明している。 正直、まとまりがない、という印象だ。しかし、通読すると、ネットワーク研究の面白さと難しさが伝わって来る…噛めば噛むほど味が出るスルメのような感じか? テロリストのネットワーク分析などは非常に興味深いところ。...
ネットワーク研究について、最近のトピックを織り交ぜながら説明している。 正直、まとまりがない、という印象だ。しかし、通読すると、ネットワーク研究の面白さと難しさが伝わって来る…噛めば噛むほど味が出るスルメのような感じか? テロリストのネットワーク分析などは非常に興味深いところ。裏ワザも書いてあったりして… ボブも書きたいことを書いていくと、こんな感じの本が出来上がるのかもねf^_^;)…
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面白かった。 ネットワークサイエンス。ソーシャルメディアから、HIVの感染、テロリストの捜索まで、様々なネットワーク(つながり)を研究している。著者は人の人格を決めるのもネットワークだと言う。たしかにそういうところもあると最近出席したグループインタビューで、そう思っていたので、納...
面白かった。 ネットワークサイエンス。ソーシャルメディアから、HIVの感染、テロリストの捜索まで、様々なネットワーク(つながり)を研究している。著者は人の人格を決めるのもネットワークだと言う。たしかにそういうところもあると最近出席したグループインタビューで、そう思っていたので、納得。 でも、この著者が女性であることを、半分くらいまで気がつかなかった。それらしい、気配りに気が付いたのはその後だ。 お勧め!
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出だしが一番わくわくして読んだ。途中中だるみした。最後の方はまた集中して読めた。 コンピュータサイエンスが中心の話かと思ったが社会科学の話だった。普段読んでいる本と若干傾向が違うだけで読みにくく感じてしまった。 分かりやすく書かれていると思うので、悪い本であるとは思わないが、僕自...
出だしが一番わくわくして読んだ。途中中だるみした。最後の方はまた集中して読めた。 コンピュータサイエンスが中心の話かと思ったが社会科学の話だった。普段読んでいる本と若干傾向が違うだけで読みにくく感じてしまった。 分かりやすく書かれていると思うので、悪い本であるとは思わないが、僕自身がもう少し慣れないとすんなりは読めないのだな、きっと。
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第4章が、とてもおもしろかった。カレシノ元カノの元カレと考えていくと、簡単に人と恋愛関係に落ちるのは、どうかと思う。
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豊富なデータと鋭い考察。良書だと思う。コミュニケーションやマーケティングを勉強している人間には有用な本なのだろう。 ただ、いかんせん自分の能力が足りなかったせいか、面白い本ではなかった。
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一週間ぐらいまえに読み終わった。バラバシや増田直紀の著作と同様の内容が多いが、著者が専門とする社会学系のネットワーク理論の魅力を伝える点で優れている。とくにメッセージの不伝達要素を測った実験は秀逸で、孤立点に代表されるような構造的不伝達もあるが、相手に数ステップを介して、つながっ...
一週間ぐらいまえに読み終わった。バラバシや増田直紀の著作と同様の内容が多いが、著者が専門とする社会学系のネットワーク理論の魅力を伝える点で優れている。とくにメッセージの不伝達要素を測った実験は秀逸で、孤立点に代表されるような構造的不伝達もあるが、相手に数ステップを介して、つながっているものの、的確な伝送相手を選ぶことができずに、メッセージのループが発生することを指摘しているのは興味深い。この点を掘り下げて、グラノベッターのいう「弱い関係」は実は「ブリッジ」の強さをいっていると指摘し、また、「弱い関係の間柄では、相手のネットワークの詳細が分からないために、伝達がループになりやすい」ことを指摘している。テキストマイニングと言葉の応酬の観点から行った、組織の「レントゲン」(「原爆」)と称されれるメールサーバーのログ分析も興味ぶかいものである。若干暴走ぎみの部分や学界内輪ネタがあるので、もっとクールに書いてほしいと思った箇所もあるが、ネットワークサイエンスの魅力を十分伝えている良書である。テロリストの関係探索などは、刑事の捜査と同じで特に「つながりは武器になる」と強調するまでもないと思う。
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タイトル通りネットワーク・サイセンスの入門書。 インターネットではなく(もちろんインターネットも含まれるが)人と人との「つながり」について研究しているのがネットワーク・サイセンス。 小飼弾の言う「怨念」というものをあまり感じなかった。それだけ私の読解力が低いのだろう。 人は誰か...
タイトル通りネットワーク・サイセンスの入門書。 インターネットではなく(もちろんインターネットも含まれるが)人と人との「つながり」について研究しているのがネットワーク・サイセンス。 小飼弾の言う「怨念」というものをあまり感じなかった。それだけ私の読解力が低いのだろう。 人は誰かと繋がっていないと生きていけない。だけどその「つながり」についてはまったく分かっていない。 ■この本を知ったきっかけ 小飼弾 404 Blog Not Found の書評 ■読もうと思ったわけ 書評で面白そうだと思ったので。
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ネットワークに着目して、さまざまな領域を分野横断的に分析した一冊。かといって、決して研究論文然とした書物ではなく、著者がネットワーク・サイエンスという学問と格闘してきた、ドキュメントのような仕立てになっている。その格闘は迫力に富み、まるで著者の息づかいまで伝わってくるようである。...
ネットワークに着目して、さまざまな領域を分野横断的に分析した一冊。かといって、決して研究論文然とした書物ではなく、著者がネットワーク・サイエンスという学問と格闘してきた、ドキュメントのような仕立てになっている。その格闘は迫力に富み、まるで著者の息づかいまで伝わってくるようである。 TwitterやFacebookの登場により、ソーシャルグラフというものが昨今、非常に身近なものとなっている。ただし、これらは可視化かつオープンになっている、ごく一部のネットワークに過ぎない。世の中にはまだまだ可視化できないソーシャルグラフ、クローズドに閉じたソーシャルグラフが、たくさんある。そして、そのような幾多のソーシャルグラフに、著者は負の側面、正の側面から真に迫っていく。 本書の最大の特長は、”お題設定のうまさ”に尽きると思う。ネットワーク・サイエンスという普段は縁遠い学問を、実に自然な流れで”自分ごと化”させてくれる。 ◆本書において触れられているお題は、以下のようなもの ・社内における電子メールのやり取りから分析したハイパフォーマーの特徴とは? ・SNSの人脈連鎖と、実際の人間関係における人脈連鎖は、どう似てる? ・彼氏の元カノの元カレは何人いるか? ・新型インフルエンザ発生時の休校措置は正しいか? ・6次の隔たり(6人の知人を通せば世界中の人とつながる)は、過大推定か、過小推定か? 結論が明確に出ていないものもあったが、実に多種多様で、興味深い内容ばかり。 ネットワークという壮大な観点から世の中を見ていくと、まるで宇宙の歴史でも聞いているかのような気分になる。自分などネットワークの一部にすぎない、ちっぽけで相対的な存在であることを、痛感せずにはいられなくなるのだ。なんだか、多少鼻っ柱を折られた気分だ。
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