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時の地図(下) の商品レビュー

3.9

34件のお客様レビュー

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2013/06/08
  • ネタバレ

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上巻(第1部と2部)は「あれ、NVだしこれはSFではないの?」「でも切り裂きジャックって未解決のはずだけど…」と思いつつ読んだ。タイムトラベルもののように見せて実は違う、という趣向の話なんだなと納得しつつ第3部に来ていきなり大きなどんでん返しが。途中からはまさに page turner で一気に読み終えた。第1部あたりでの伏線もきちんと回収されていてお見事。 第2部のシャクルトン将軍役とクレアのやりとりはフィニィの「愛の手紙」へのオマージュかしら。いろいろなSFやファンタジー、当時の小ネタがちりばめられていて楽しかった。

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2013/04/10

いやぁ すかっと痛快SF冒険小説! ひさびさに堪能しました。 なんとなく、最近は雰囲気が暗め?のが多くて ねじまき少女とかベルディードストリートステーションとか それなりに面白くは読めたんですが、、、 この小説は、たぶん意図的に こういう昨今のトレンドを払拭 したかったんじゃ...

いやぁ すかっと痛快SF冒険小説! ひさびさに堪能しました。 なんとなく、最近は雰囲気が暗め?のが多くて ねじまき少女とかベルディードストリートステーションとか それなりに面白くは読めたんですが、、、 この小説は、たぶん意図的に こういう昨今のトレンドを払拭 したかったんじゃないかなぁ、いわゆるセンスオブワンダーの シンプルな楽しさを全面に出してきてますよね ただそのための「装置」をいろいろ用意しないと現代で 受け入れてもらえない、ということで、あえて舞台を19世紀にもってきて、かつ、主役?がなんと H.G.ウェルズ! ともあれ、非常に楽しませていただきました。おススメの逸品 d^^)

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2013/02/22

内容(「BOOK」データベースより) クレアはタイムトラベルで会った未来の男と、奇妙な恋に落ちていった。やがて、謎の武器で胸に大きな穴を開けられた死体が発見される。犯人の調査を開始したウエルズは、現場の壁に、書き上げたばかりで誰も知らないはずの小説『透明人間』の冒頭が記されている...

内容(「BOOK」データベースより) クレアはタイムトラベルで会った未来の男と、奇妙な恋に落ちていった。やがて、謎の武器で胸に大きな穴を開けられた死体が発見される。犯人の調査を開始したウエルズは、現場の壁に、書き上げたばかりで誰も知らないはずの小説『透明人間』の冒頭が記されていることを知り、愕然とする。そして、さらなる殺人事件が起き、意外な犯人とウエルズ自身の想像を絶する秘密が明らかに!愛と冒険と仕掛けに満ちた驚愕の小説。

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2012/04/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

19世紀末のイギリスを舞台に、『タイム・マシン』の作者H・G・ウェルズをはじめ、切り裂きジャックやエレファントマンなど実在した人物達も多数登場している冒険エンターテイメント。H・G・ウェルズへのオマージュ溢れる科学ロマンスで、運命の輪、カオス理論、バタフライ効果など、題材はとても面白かった。が、、、説明等が冗長すぎて、まどろっこしい。もっとすんなりとしていれば、もっとサクサクと楽しめたのになぁと、非常にもったいなかったと思う。でもこれがこの作者の味と言われれば仕方ないのだけど。とりあえずH・G・ウェルズの作品が読みたくなったのは間違いない。

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2012/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

19世紀イギリスを舞台に、「タイムマシン」の作者、H・G・ウェルズが鍵となる、ミステリーのようなSFのようなファンタジーのような、なんとも不思議な感触の物語。 三章仕立てで、それぞれ独立性の高い物語が、最後に一つに繋がる。その最終話の核にはたしかにSF的な仕掛けがある。ただ、そのアイデアそのものはとりたてて奇抜というものでもなく、むしろタイムパラドックスものの基本に忠実とも言えるわかりやすいアイデア。 でも、なぜだろうか。おっ、そう来たか!というようなどんでん返しを繰り返されるうちに(ネタばらし自体はむしろチープなB級の香り漂うものなんだけれども)、作者が作り出したこのめくるめく独特の世紀末ロンドンに絡め取られていくような感覚で、最終章を読み終える頃には、こんな世界がどこかにあってもいいような気がしてくる。 また、一つ一つのエピソードのオチが、ほっとさせられるような温かみのあるものなのもいい。 テーマパークで思い切り遊んだ一日の終わりに、非日常の世界にもう少し浸っていたいなと後ろ髪を引かれつつも、心地よい疲れを感じながら帰りの電車に乗る、そんな気分でそっと本を閉じることができる、爽やかな読後感の佳作。

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2012/02/03

ロマンティックなSFなのかなーと思って読んだらば、途中でびっくり、あきれる。なんじゃこりゃ、と思った。これってSF~? 19世紀のロンドンの雰囲気がよくわかるのが楽しかったし、エレファントマンとの話とかも興味深かったし、細かいエピソードにわくわくする要素がたくさんあっておもしろ...

ロマンティックなSFなのかなーと思って読んだらば、途中でびっくり、あきれる。なんじゃこりゃ、と思った。これってSF~? 19世紀のロンドンの雰囲気がよくわかるのが楽しかったし、エレファントマンとの話とかも興味深かったし、細かいエピソードにわくわくする要素がたくさんあっておもしろいのだけど、なんだろう~、まとまりがない感じで気が散るというか、いまひとつ入り込めないというか。なんか惜しい感じ。 第三部あたりからますますほんとにSFなんだかどうなんだかわからなくなってきて、(読む力もなくなってきて)どうでもよくなってしまった(笑)。 でも、ラストのウエルズの思いみたいなところはけっこう感動的でしみじみした。

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2011/12/31

スペイン発、話題のSF(?)小説、下巻。翻訳者がこなれたのか、作家の技術が上がったのか、文章の流れ良し。「タイムトラベル」というカードの威力をチラつかせ、読者の読みを逸脱させる試みは評価できる。新しさはない。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ターミネーター」、「バタフライ・エ...

スペイン発、話題のSF(?)小説、下巻。翻訳者がこなれたのか、作家の技術が上がったのか、文章の流れ良し。「タイムトラベル」というカードの威力をチラつかせ、読者の読みを逸脱させる試みは評価できる。新しさはない。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ターミネーター」、「バタフライ・エフェクト」など、優れたSF映画を換骨奪胎し、H・G・ウエルズのロンドンを舞台装置に世界を再構築させた。また、スペインの作家である故か、ガルシア=マルケスやボルヘスといったラテンアメリカ出身の作家が醸し出す冗長性がアクセントとなっている(上巻では空回り気味)。ただ、H・G・ウエルズに対する賞讃として挙げられた「論理性」が最後にこの小説で無視されるキライがあるのをどう理解すべきか。たぶん再読しないので、他の読書人の意見を待ちたい(「作家」⇔「H・G・ウエルズ」の二重性が彼らの互換性を保証できるとは僕には到底思えない)。

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2011/12/13

3編が可愛らしくまとまりましたね。 読んでいる途中何度も発行年を確認した。こういう近未来(???)SFもあるんだなぁ。新鮮だった。

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2011/12/07

タイムトラベル物。 科学的というよりは、まやかしを含めて途方もないが、19世紀末当時流行した小説の傾向を加えて、捻った構成。エピソードはけっこうロマンチック。 上流階級の娘クレアが未来に憧れ、時間旅行社が宣伝している未来の将軍に恋してしまう。 2000年に自動人形に人類が滅ぼさ...

タイムトラベル物。 科学的というよりは、まやかしを含めて途方もないが、19世紀末当時流行した小説の傾向を加えて、捻った構成。エピソードはけっこうロマンチック。 上流階級の娘クレアが未来に憧れ、時間旅行社が宣伝している未来の将軍に恋してしまう。 2000年に自動人形に人類が滅ぼされそうになり、人類を率いて闘い、最後の決戦に臨んだという。 デレク・シャクルトン将軍は長身で筋骨たくましく、美しい緑の目が暗く鋭く品がある表情で、まさしく人類を救済するように見える頼もしい男。ところが…? 時間旅行社を主催するギリアム・マリーは、かってウエルズに憧れ、自分が書いたへたくそな小説を読んで貰いに来た男だった。 ウエルズに冷たくあしらわれて憤慨し、ある思いつきを実行に移す… 誰も興味を持たないだろうと酷評された内容を、もし人々が信じたら? 因縁ある展開に悩むウエルズ。 ウエルズに加えて、ヘンリー・ジェイムズにブラム・ストーカーまで、タイムトラベルに関わってくるのが面白い。 上流階級で気むずかしい紳士ジェイムズ、感情的なアイルランド人のストーカー。 まだ大ヒット作を発表する前の時点で、未来からの使者が、本当に連絡を取ってくるのだ…はたして?! 時間旅行は何故出来るようになったのか? めくるめくタイムパラドックス。 かいま見える未来と、未来からの手紙。 意外な深みも見せて、面白かったですよ! 面白さを伝えるにはどうしてもちょっとネタばれになるんだけど~なり過ぎないように~微妙に注意を払って書いています。 作者は1968年生まれ。 スペインの新人作家登竜門であるセビリア学芸協会文学賞をこの作品で受賞、ベストセラーに。

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2011/11/12

読んでいる途中は、ダメダメだなぁと思った。 読了後は、まぁ悪くはないなとの感想。 第 3 章後半になって初めて、 それまでのモヤモヤ感が吹き飛んだね。 H・G・ウェルズへのオマージュ溢れる科学ロマンス。 ドラえもんの新作映画を観終わったかのような読後感。 良いのか?悪いのか? ...

読んでいる途中は、ダメダメだなぁと思った。 読了後は、まぁ悪くはないなとの感想。 第 3 章後半になって初めて、 それまでのモヤモヤ感が吹き飛んだね。 H・G・ウェルズへのオマージュ溢れる科学ロマンス。 ドラえもんの新作映画を観終わったかのような読後感。 良いのか?悪いのか? 2008 年 セビリア学芸協会文学賞受賞作品。

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