また会う日まで の商品レビュー
この感覚すごくわかる 年に1人とかのレベルじゃなくて今まで生きてきて2、3人、恋愛とか尊敬とは別のベクトルで惹かれ合うことがある あれなんなんだろ、自分だけじゃないって知れて嬉しい 相手もそう思ってるかもってなんとなく思ってたけど、本当にそうなのかもって思える その感覚を丁寧に丁...
この感覚すごくわかる 年に1人とかのレベルじゃなくて今まで生きてきて2、3人、恋愛とか尊敬とは別のベクトルで惹かれ合うことがある あれなんなんだろ、自分だけじゃないって知れて嬉しい 相手もそう思ってるかもってなんとなく思ってたけど、本当にそうなのかもって思える その感覚を丁寧に丁寧に考えて咀嚼したら自分なら恋愛に結びつけちゃいそうだから、やっぱり柴崎友香さんの感性がすごく好き 素敵なタイトル、読んでて気持ちよかった!
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自分の5日間の東京滞在中に読んだ本。柴崎さんの文って修飾語が多くて、会話がトントン進むというよりは、その間のちょっとした心の動きから眼に映る光景まで、ものすごい情報量。なので、入り込むと情景が鮮明に浮かんできます。大きなことが起こるでもなく、なんてことなく日々が描かれているのが好き。でも、考え直すと結構起きえない内容だよなぁとも思ったり。P.114の「あっ、今だ、と思ったその瞬間っていうのはほんとうにその一瞬しかなくて、〜」からの文が好き。写真に残せるのって素敵だけど、眼に、記憶に、焼き付けることも大事。
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誰かに対するはっきりしない感情とか関係性ってあるよなあ、と思った。 自分だと上手く言い表せないいろんな微妙なことを柴崎さんが綺麗に言語化してくれて、読み進めながらずっとそれな、それな、と思った。 にしても結婚前なのに女の子と会いすぎでしょ鳴海くん。
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高校生の頃に同級生と「セ」(ックス)の一文字すら喋れなかった私とは、そもそもクラスタが異なる。 というやっかみはさておき。 不思議な読後感。 何が起きたわけでもない、ただカメラアイとして存在するだけの「私」が、なぜか引っ張りだこ。 具体的にはみんな彼女に「自分の部屋へおいで」と声をかけてくるのだ。 最終的にはいわゆる「ゆきずり」へと。 (宿泊場所を変えられない自分とはまた、クラスタ違い。) この図式的な感じは『春の庭』でも気づいたが、それがいったい何を示すのかは、やはりわからない。 「セックスフレンド」云々のエピソードはなぜか心に残っており、それを確かめるように動く。 つまり《過去の記憶に触ろうと》している。 この感覚を描くために、この中編はできたのではないだろうか。
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【自分の日常と近いところにある物語】 柴崎さんの本は、今まで数冊読んだことがありますがちょっとにがてでした。文末が「〜た」で終わることが多く、単調に感じてしまったのかもしれません。 でも今作は今までで一番よかったなと思いました。大阪で働いている主人公が、東京に来た一週間を描い...
【自分の日常と近いところにある物語】 柴崎さんの本は、今まで数冊読んだことがありますがちょっとにがてでした。文末が「〜た」で終わることが多く、単調に感じてしまったのかもしれません。 でも今作は今までで一番よかったなと思いました。大阪で働いている主人公が、東京に来た一週間を描いた物語。 主人公は写真を撮りたいと思っていて、友達の李花ちゃんは女優になることを目指している。男友達のしょうちゃんもカメラマンのアシスタントをしながら腕を磨いている。 やりたい仕事ができるよう頑張ったり、気心しれた友達と飲んだり、恋愛に失敗したり、友達と一緒に深夜に銭湯に出かけてみたり。なんでもない日常だけど、10年たったときに楽しかったなぁと思い出せる日々なんだろうな。 どこにでもいそうな人たちが、私たちと変わらない日常を過ごしていて、すごく普段の自分に近いところにある物語だなあと思いました。
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柴崎友香の女の子が主人公の話はだいたい友だちの話をきく感覚で読むけど、これはわたしだと思って読んでる。単行本でも数えてですけど、何度目かの再読。毎回そうそうって思う。
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言葉にしなきゃ伝えられないのに、言葉にすると実感から離れていく。そのジレンマを乗り越えようと努力してもたいてい無駄に終わるのに、なんてことないきっかけで言葉を越えて分かり合っている瞬間がやってきたりする。この小説ではそのジレンマのもやもや感と感覚レベルで分かり合う瞬間の行来が自然...
言葉にしなきゃ伝えられないのに、言葉にすると実感から離れていく。そのジレンマを乗り越えようと努力してもたいてい無駄に終わるのに、なんてことないきっかけで言葉を越えて分かり合っている瞬間がやってきたりする。この小説ではそのジレンマのもやもや感と感覚レベルで分かり合う瞬間の行来が自然に描かれていて、読んでいるととても安心した気持ちになる。感じていることが完全に一致しているわけではないのは分かっているけど、確かに気持ちを共有できている感覚があって、それでいいやと思える。気持ちが通じ合うときの言葉にできないその感覚が確かによみがえってきた。 主人公のものの見方・感じ方にも共感する部分が多くあった。街を眺めたり、ライブを聞いたり、友人の寝ている姿を見たりしながら彼女が巡らす素朴な思考は、たぶん誰でも覚えがあるのではないかと思う。主人公は精神的にあまり成熟していないのだが、そのことで焦っている様子はないのが私には眩しい。この小説には「あまりよく分からない」という趣旨の彼女の言葉が笑ってしまうくらい何回も出てくる。今は分からなくても、自分なりの視点を持って自分なりに考えることをやめない彼女の健気さに少し元気をもらった。大満足の一冊。
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普通に日常生活を淡々と描いているようで、視点や感性がほんの少し特別な、これぞ柴崎さんの作品という感じでした。 過去の作品もきちんと内容を覚えていないくせに、なんとなく好きでたまに読みたくなる作家です?
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大阪府立大OGにして、昨年に芥川賞を受賞された柴田さんの作。大学卒業後の、不安定な関係が描かれている。ナオコーラ風。男性の部屋に普通に泊まる世代は理解不能だ、、、
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何気ない日常の中での人々の心情描写がとても上手いと思った 多分この著者の作風なんだろうけど、特別これといった事件がある訳ではないから、推理モノや刑事モノが好きな人は物足りなさを感じる
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