1,800円以上の注文で送料無料

女ぎらい の商品レビュー

3.9

83件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/10/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ほぼ自分自身で見返す用の書き留め。 殺人は究極の所有 母は抑圧者でありながら犠牲者 母を否定することは自分の出自を否定すること 息子は父を追い越しいわゆる下に置くことが可能だが、娘はそれが出来ない。 フェミニズムは女にとって自分自身と和解する道だった。男にとっても自分自身と和解する道がないわけではなかろう。 その道を示すのは、もはや女の役割ではない。 男性支配社会で生まれるプライドがあるから弱者男性は生まれるのだなぁと思った。

Posted byブクログ

2024/04/21

この本で批判されている、まさに「女ぎらい」な社会を生きてきた「男」として興味深く読む(そんな社会に加担した覚えはないが、その自覚自体この「ホモソーシャル」な「男社会」で安寧と暮らしている怠慢の産物だろう)。ぼくからすればボーヴォワール的に「女になる」のと同様に男だって例外はあれど...

この本で批判されている、まさに「女ぎらい」な社会を生きてきた「男」として興味深く読む(そんな社会に加担した覚えはないが、その自覚自体この「ホモソーシャル」な「男社会」で安寧と暮らしている怠慢の産物だろう)。ぼくからすればボーヴォワール的に「女になる」のと同様に男だって例外はあれどどこかで(たぶんに性愛を通して)「男になる」「男に染まる」ものなのだと異論も言いたくなるし、他にも言いたいことはあるがしかしこの本の論点から切実に「逃げちゃダメだ」とも思った。彼女の指摘する「男」とこのぼくの実感のズレはどこから?

Posted byブクログ

2024/07/08

面白い!面白すぎる!目から鱗すぎた。上野千鶴子、名前は知ってたけどちゃんと読んだのは今回が初めて。この本読んで、自分ってつくづくミソジニーを身体化してるんだなって思った。そして周りの人も。これまで付き合ってきたモラハラ男も。 でも相手がモラハラ男なのって、単純に私の運が悪かっただ...

面白い!面白すぎる!目から鱗すぎた。上野千鶴子、名前は知ってたけどちゃんと読んだのは今回が初めて。この本読んで、自分ってつくづくミソジニーを身体化してるんだなって思った。そして周りの人も。これまで付き合ってきたモラハラ男も。 でも相手がモラハラ男なのって、単純に私の運が悪かっただけじゃなくて、私のように典型的なミソジニー的恋愛観(年上がいい、三高、尊敬できる相手がいい等)を持つ女にとって不可避説ある。

Posted byブクログ

2023/05/25

二日連続でレビューを全消ししてしまい、泣きそう。 読んでいて、具合が悪くなってきた。 でもこの本に出会えてよかったと思う。 女性学に向き合い続けることが、いかにしんどいかわかったから。 女性の困り感をなくしたいし、でも男性のしんどさも理解しようとしたいし、誰もが平等という意味...

二日連続でレビューを全消ししてしまい、泣きそう。 読んでいて、具合が悪くなってきた。 でもこの本に出会えてよかったと思う。 女性学に向き合い続けることが、いかにしんどいかわかったから。 女性の困り感をなくしたいし、でも男性のしんどさも理解しようとしたいし、誰もが平等という意味でのフェミニズムって良いよな、と思っていたけれど、女性学ってのは、カテゴライズしたくないという意思に反して、男性とは~女生徒は~と両者の溝を深める作業なのか、と感じてしまった。 歴史を知れば知るほど、きついし、そんなんだったらフェミサイドとか起こるよな、とかぐちゃぐちゃとした思考でよくわからなくなった。 面白かったところ、納得したけどしんど~と思ったとこ⇓ (抜粋ではない) P.58- 1960年代の半ばに「全員結婚社会は」ほぼ100%に達しそれ以降下降に転じた。 階層差の大きい身分社会では、上位の男がたくさんの女を独占し、下層の男には女が行き渡らない。独身者の都市であった江戸には、かれらのための遊郭が発達したことは知られている。 P.146- 母は娘の幸せを喜ぶだろうか?母は娘に期待しながら、娘が実際に自分が達成できなかったことをなしとげたら、喜ぶだけでなく、ふくざつな思いをするだろう。息子が何かを達成しても母はそれと競合する必要はないが、娘なら同じ女だから、自分自身がそれを達成しなかった言い訳ができない。 P.180- F県の名門公立女子高が共学化に踏み切ったときのこと。上野ゼミの学生が目の覚めるような卒業論文を書いてきた。「男子生徒の出現で女子高生の外見はどう変わったか」 本人は女子高としての最後の卒業生、妹は共学化初の生徒。彼女の論文の鮮やかなところは、「主観的な」意識調査を避け、第三者の目から客観的に判断できる「外見」という指標に、徹底的にこだわったことにある。彼女が通っていた時に、授業中は体操服のズボンに履き替えて受けるという慣行は消え、スカート=最も強い女性性の記号である を履いて女子高生は「女装」を自ら選んだ。 P. 225- 女がミソジニーを自己嫌悪として経験しないで済む方法=自分を女の「例外」として扱い、自分以外の女を「他者化」することで、ミソジニーを転嫁すること 二つの戦略=男から「名誉男性」として扱われる「できる女」になること、女というカテゴリーからドロップアウトし、値踏みから逃れる「ブス」になること 「論理的な女はいない」 「そうなのよ、ほんとに女って感情的でいやになるわ」 「キミ?キミは特別だよ」 「そう。わたしは『ふつうの女』じゃないわ」 この「例外視」をつうじて、「ふつうの女」への蔑視を再生産しているのは彼女自身だ。 「二グロの使用人ってのはね、ほんとにこずるくってすぐごまかしばかりやりやがる、眼を離したスキにね。あ、キミ?キミは特別だよ。キミはボクらと同じ教育をうけてきているもの。」 「年とるってほんとにいやーね、ぐちが多くてくりかえしばかり。あら、お義母さま、お義母さまはべつよ、アタマがしっかりしていらっしゃるんですもの。」 「日本の女ってのはどうしてあんなにハッキリしないんだい?イエスもノーもわからないじゃないか。キミ?キミは特別だよ。キミは典型的な日本の女の子とは言えないね。」 「ええ、あたしだってうんざりよ。あたしは日本に合わないのよ。だから、日本を出てきたんだわ。」 ほとんどブラックジョークだ。 特権的な「例外」を産出することで、差別構造は無傷のまま、再生産され続ける。

Posted byブクログ

2023/04/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館にて。 確か韓国で上野千鶴子さんの本がすごく読まれているというニュースを見てさっそく予約した中の1冊。 筆者本人があとがきに書いている通り、”不愉快な読書経験”はそれはそうだった。 でもそれは読めば読むほど、私たち女性の置かれている環境、現実がその通りだったからだ。 でもこのような的確な分析がされている、ぐうの音も出ない状況分析を目の当たりにすることで、違う状況に置かれている人たちも気が付くべきだ。 もしくは気が付いていないふりをやめるべきだと思う。 読んでいるときはつらかったけれど、この本の文章はたいへんわかりやすく、ある意味痛快ともいえる。 そして私たち自身も現実を見て感じることによって、理不尽を当たり前と思わないことが大切だと思う。 ナチュラルに虐げられることに慣れてはいけないと強く思う。

Posted byブクログ

2023/02/22

ホモソーシャルという概念、非常に面白かった。男社会に存在する絆を理論的に解き明かして、そこから得られる帰結としての「ミソジニー」。 難解な部分もあったが、これを機にミソジニーについて考えることができた。

Posted byブクログ

2023/02/08

 上野千鶴子さんの著書をちゃんと読むのは初めてだった。この本は、二〇一〇年つまり十三年前、自分に引きつけて考えると、だいたい私が働き始めたようなころに出た本だ。女性の私が会社員として働くなかで見えていた風景ひとつとっても、この十数年でけっこう変わったという実感がある。この本の内容...

 上野千鶴子さんの著書をちゃんと読むのは初めてだった。この本は、二〇一〇年つまり十三年前、自分に引きつけて考えると、だいたい私が働き始めたようなころに出た本だ。女性の私が会社員として働くなかで見えていた風景ひとつとっても、この十数年でけっこう変わったという実感がある。この本の内容は、そういう意味では「古い」と感じる点がないわけではなかったが、だからといって今更読む意味がないということにはならない。理由は次の通り。  第一に、「けっこう変わったという実感がある」といってもそれはつまり、「私が個人的に経験する範囲では、女性蔑視的な文化・習慣が弱まったりなくなったりしていると感じることもある」という意味なので、社会全体から見ればまだまだ局所的な変化でしかないと思われるため。それどころか、逆に女性蔑視がより強まっている領域だって、おそらくあるようにも思う。  第二に、第一の理由の通りまだ大きく視座が変わるほどの変革は起きていないとするならば、執筆時点以前の歴史的経緯や、事件や、作品や、先行研究(上野さん自身のものも含む)に対して本書で上野さんが行なっている整理・紹介・評価は、全く古びることはなく有用であるため。流行りが過ぎれば価値がなくなるというようなものではない。  第三に、仮に一部の局所的な恵まれた環境においては女性蔑視の克服が達成されているとして、かつ読者がそこに安穏に暮らす者であったとしても、そこに至るまでの凄惨な歴史や、折り重なる死屍累々の存在や、周囲では今もなおそれが現実であるということを、知らないよりも知っていた方が人として深く豊かになるだろうと思うため。  …というわけで、少なくとも私にとってはこの本を読んだことがフェミニズムに目を開く第一歩となった。「今この本」だったのはたまたまのご縁だが、上野千鶴子という人の積み上げてきた功績の偉大さ(の片鱗)がわかったので、今後も読んでいきたい。  内容各論の読書メモや感想は山ほどあるが、ありすぎるので割愛。中途半端にはまとめられない…。

Posted byブクログ

2023/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

男性が自分の自尊心の為に女性を所有したり、都合よく扱おうとする様子を女性として生きてきて幾度となく見て来た。あのような考えはどこから来ているのかずっと不思議に思っていたが、なるほど、分かった気がする。これは個人の話ではなく社会生物としての話だった。

Posted byブクログ

2021/08/16

ミソジニーについてよくわかった。ホモソーシャル、ホモフィビア、ミソジニーの三点セット。ふむふむ。面白いが中盤以降疲れてきた。読書にも体力が要るのだ。でも、読んでよかった。これ読んでおけばミソジニーという単語が出てきたときに狼狽えずに話がきける。軸がブレずに返答できるだろう。

Posted byブクログ

2021/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

勝手に夏の課題図書、ようやく読み終わった!フェミニズムやミソジニーについてはわかっているつもりでいたけれど、全然だったな!そもそも、自分の中にもミソジニーがあって、無意識にその意識を再生産していることにも気付いていなかった。それに気づけたことが本書における最大の学び。 著者が最後の方に述べていたように、ホモソーシャル、ミソジニーが気づきようもないくらい浸透している社会で育ってきた人間にとって、〈それがなくなった社会〉なんて想像できない。だからこそ、女も男も自分の中のミソジニーを克服し続けなければならない。

Posted byブクログ