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女ぎらい の商品レビュー

3.9

83件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

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2014/02/14

女性には溜飲の下がるのような舌鋒の鋭さだが、もちろん男性だけがミソジニーの原罪を背負い女性はイノセント、などということはないはずだ。思いこみのベールが一枚ずつ剥がされていく解放感と肌寒さのようなものを感じながら読んだ。

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2014/02/12

共感できるし、学ぶところも多かった。ただどうしても腑に落ちないのは、著者が男が女を論じるのを一切認めないところ。男が書く女についてのテクストはすべて「男の性幻想についてのテクスト」でしかないというのはその通りと思うけれど、そこでやり玉に上がる吉行淳之介、佐野眞一、斉藤環ら三人のお...

共感できるし、学ぶところも多かった。ただどうしても腑に落ちないのは、著者が男が女を論じるのを一切認めないところ。男が書く女についてのテクストはすべて「男の性幻想についてのテクスト」でしかないというのはその通りと思うけれど、そこでやり玉に上がる吉行淳之介、佐野眞一、斉藤環ら三人のおっさんたちが男一般を代表しているとはとても思えないし、思いたくない。男は女でないことでしか定義されず、だからこそ男の女性嫌悪と女の自己蔑視は宿命的であるという汎ミゾジニー的な世界観は便利なように見えて、そこから外れる現代的な事象を包含しきれていない。「男の自己嫌悪」「女同士の絆」あるいは単に「男ぎらい」だってあるはず。聡明な著者はそのことをちゃんと自覚していてその筋からの批判を周到に封じている。批判を予防的に封じ込む手つきが異常にうまいのは研究者として一流の証拠だと思うが、そこから次の新しいヴィジョンは何も見えてこない。「そんなことわかってますよ」とまた例の取り澄ました声が聞こえてきそう。

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2013/12/31

久々の上野千鶴子。 いやぁ~、この人の本てね、 わたしのモヤモヤを本当に適切に言葉にしてくれちゃうもんだから。 言語化されて、輪郭がはっきりするにしたがって、不機嫌になる(^^; 不機嫌に付き合わされる夫が可哀想だけど… まぁ、そこは、じゃあ「読んでみ」と。 読んで、かつ、なんと...

久々の上野千鶴子。 いやぁ~、この人の本てね、 わたしのモヤモヤを本当に適切に言葉にしてくれちゃうもんだから。 言語化されて、輪郭がはっきりするにしたがって、不機嫌になる(^^; 不機嫌に付き合わされる夫が可哀想だけど… まぁ、そこは、じゃあ「読んでみ」と。 読んで、かつ、なんとかフォローできるならしてみろよ…と。

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2013/09/18

日本人の男って ある意味 幼いのかもしれない。女が ある意味 大人すぎて 幼い男が ついていけないのか。 それにしても 上野千鶴子さんの文は、きっぱりしてる。

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2013/07/14

男の値打ちは男同士の覇権ゲームで決まり、女を性的客体することで、性的主体性を確認し合っている。 なるほどなー、と思って読むということが、捕らわれている、ということなんですね。

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2013/06/03
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論理的な人だが、案外感情的な内容だと思った。 フェミニズムについて一貫した内容なので、賛否あるのは仕方ないと思う。 むしろ賛否意見を出すために上野さんは存在しているのかもしれないと思った。 今の時代とはまた少し違って苦労されてきた上野さんの語りもあり、母親との確執なども告白しており、上野さん自身を構成する過去をもっと知ると腑に落ちるのかもしれない。 永井荷風や吉行淳之介についてはそんなふうには思ったことがなかったけれど、フェミニズムという視点からするとなるほどねぇ、と思うところがあった。東電OLの話も今になると「ひとつの意見」ではあるが時代にも感情があることが感じられる。

Posted byブクログ

2013/01/29

読んでいて辛くなった。でも納得することも多かった。 自分自身の中のもやもやに向き合えた気がする。 上野千鶴子は苦手かも、と思っていたけれど、攻撃的な言葉の奥にある、女性に対する深い共感のようなものを感じて、むしろ勇気づけられた。

Posted byブクログ

2013/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

その場限りの性的対象に女が進んでなろうとするとき、その実、女は男に対する「復讐」を果たそうとしている。「女とは何か」ではなく「男が知っている女とは何か」を基準に作られている「女らしさ」がもたらす抑圧感。それに耐え難くなると、時に女は自分が何者であるかを確かめるためには自傷や自罰といった絶望的な手段で、自分自身の存在を確かめるようとする。一方で、その自己欺瞞的な性的身体の提出は、相手の男が単に「かわいければ(つまり、ヤれれば)誰でもいい」対象として女を抱こうとするように、女もまた相手の男をどこの誰でもない「ただの性欲」に還元していることでもある。ゆえにその行為は、男とそれが生み出す社会の無知な横暴に対する、女の「捨て身の復讐」なのだ。 買売春などの行為に対して、上記のような解釈を可能にするのが、題名にもなっている「女ぎらい」つまり「ミソジニ―(misogyny)」という概念です。本書は、日本の男女の欲望やアイデンティティを、この「ミソジニ―」から読み解こうとします。 「ミソジニ―」とは何か。男女の区分がされるとき、男は「女をモノ(所有)にするのが男」という前提を共有し、その価値観のもとで競い、互いが男だと認め合います。しかし、それは裏を返せば、はじめから女を「自分たちが所有(性欲の対象と)する他者(獲物)」として決めつけていることでもあります。ここから「女とは何か」を決めているのも男性だということが分かるわけです。だからこそ「ブスは女じゃない」という論理が成立するし、俗に言う「女好き」な男ほど、実は自分の考える「女(らしさ)」を盲目的に信奉しているだけという点でむしろ「女嫌い」だといえると、筆者は指摘しています。 もちろん、男の決めつけが及びづらい「女子校」のような場もあります。しかし、それはあくまで一時のゲットー的な場であり、すぐ外は男性優位の構造をもつ社会。結果的に、男が決める「女らしさ」の強制からは逃れられない。むしろ女子校で男らしさや笑いによって「女ウケ」を勝ち得た「ヒーロー」ほど、外の「男ウケ」が中心の世界に出たとき、アイデンティティに悩むといったことも起きます。 ここにおいて、男性にとっては「性欲の対象になるかどうか」だけで女性をみる「女性蔑視」として、女性にとってはそうして押し付けられた「女(らしさ)に対する憎しみ」として、双方から「女なるもの」が嫌悪されていく。これが「ミソジニ―(女ぎらい)」とされるものです。 本書では、社会の異性愛秩序の構造を「ミソジニ―」を中核に据えて分析する枠組みを援用し、冒頭に挙げた買売春の他にも、セクマイ、児童性虐待、皇位継承、春画や鬼畜系ポルノ、家族、ひいては「非モテ」に至るまで、昨今よく目にする問題が論じられています。 根本は「ジェンダーの非対称性とそれが誘引する諸問題」という議論であり、それ自体にさほど新しさはありません。本書の有益な知見は、「ミソジニ―」という分析概念の導入で先に挙げた「よくある」問題群についての一括した整理と分析を可能にし、体系的な問題把握の道筋を明らかにしたことにこそあると思えます。 総じれば、論展開の前提となっている「女の生きづらさ」がどこまで多くの人に理解されるのかが、最大の問題でしょう。そうでなくては、本書の鋭い指摘も「ふーん、だから何?」で終わってしまうからです。本書で提示される問題を知ってから、それでも「男が決める女(男)らしさに忠実に生きるのが幸せ」と言えるのかどうか。つまり「女(あるいは男)」を、自身の意識的な選択にできるかどうかが問われるわけです。こうして普段、無邪気に信じ込んでいる「女(男)らしさ」を再考することは、同時に「自分にとっての幸せ」を考えることにつながります。本書は、そのきっかけを与えてくれる良書なのです。 もちろんそこまで身構えなくとも、なんか最近「男がどうとか女がどうとか、ちょっと面倒臭くなってきた」と感じている時に手に取ると、面白い読書体験ができるはずです。

Posted byブクログ

2013/01/03

もっと攻撃的だと思っていたけど読みやすかった。ザ・社会学。 性別についての議論は、おおむねみんなどちらかだから、難しい。

Posted byブクログ

2012/12/21

あとがきの 「自分にとって気持ちのよいもの、美しいもの、心温まるものではなく、むしろ不快なもの、むかつくもの、許しがたいものを対象に選び、なぜそうなるのか、その謎を理解しようとしてしまう執念に取り憑かれるからだ。」 に非常に共感を覚えた。

Posted byブクログ