海炭市叙景 の商品レビュー
函館をモデルにした海炭市を舞台に、そこで暮らす人々を描いていく短編集。色んな人が登場する文芸チックで作品でそこそこ良かった。
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海炭市という架空の街を舞台にした短編集。登場人物たちが同じ街に住んでいながら直接関係ある人達はほぼいない。道ですれ違った人のことを全く覚えていないが、ある時には誰よりも近くにいた、そんな関係あるようなないような人たちの話がつづく。 前半はこれからその人たちはどう関係してくるの...
海炭市という架空の街を舞台にした短編集。登場人物たちが同じ街に住んでいながら直接関係ある人達はほぼいない。道ですれ違った人のことを全く覚えていないが、ある時には誰よりも近くにいた、そんな関係あるようなないような人たちの話がつづく。 前半はこれからその人たちはどう関係してくるのか、みたいな緊張感があり、後半は同じ街に住んでいながらこの人たちはこんなに関係ないのかという対比でもあった。
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海と炭鉱のある地方都市に暮らすさまざまな人びとの人生の断片を切りとって活写している連作短編集です。 本作の舞台になっている海炭市は、著者の出身地である函館をモデルにしているようですが、日本のどこにでもある地方都市といえるように思います。えがかれているのは、人びとがいまだパソコン...
海と炭鉱のある地方都市に暮らすさまざまな人びとの人生の断片を切りとって活写している連作短編集です。 本作の舞台になっている海炭市は、著者の出身地である函館をモデルにしているようですが、日本のどこにでもある地方都市といえるように思います。えがかれているのは、人びとがいまだパソコンも携帯電話ももたない1980年代の後半で、いわゆるバブル経済に日本がわいていたころですが、本書の登場人物の多くはそうした時代の最前線からとりのこされた人びとです。炭鉱の閉鎖によって失業者が現われ、翳りを見せはじめた地方都市で、すこしずつ人生をすり減らすようにして日々の暮らしを送っている彼らのすがたがていねいに叙述されています。 そのことが、かえって現代の日本に暮らす人びとにも慣れ親しんだ日々の光景として受けとられたことが、本作が支持を得ることになった理由なのかもしれません。われわれもまた、おなじことのくり返しのような日々を送りながらも、ゆっくりと、けれども確実に活気をうしないつつある世界で、やがては終わりを迎える人生を一歩ずつあゆんでいるのだということを感じさせられます。
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海炭市に暮らす人々を綴った18の連作短編集。 地方都市の閉塞感、函館山の冷たい空気を書いたもので、佐藤泰志の右に出る者はいない。
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函館〜。種々様々な行き当たりの遠景に炭鉱から観光都市に変わる町があって、地方の閉塞感が生々しい。でも書かれた時代のせいなのか、今よりはまだ世情に勢いがあるような。この間見た映画の原作だと思ったら違った…
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日本文学100年の名作第8巻の中の、佐藤泰志「美しい夏」がとても良かったので読んでみました。 結果、とても良かった。 震えるほど(大袈裟か?)良かった。 悲しくて閉塞感がありながらも、優しくて美しかった。 負け組たちが織りなす群像劇 地方都市の希望と限界 今の時代に佐藤泰志が生きていたらどんな物語を書いていただろうか。 巻末の解説も合わせて読んでみてほしい。
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函館に住んでいた時に文庫化・映画化され、当時函館の本屋ではすごく話題になっていた。その時に購入していたのだが積読になってしまっていたのをようやく読み終えた。 私が知る函館になるまでこういう情景が実際にあったんだろうなと思いながら読んだ。出てくる地名も創作だが、ここだろうと推測できるところと全くピンとこないところがあった。後者に関しては昔は今よりも市電の路線がずっと多かったので、私の頭の中の路線図と一致しないせいかもしれない。映画も見て頭の中のイメージと一致させたいと思った。 それにしても第一話の結末が衝撃すぎた。真冬とはいえ、日が出て登り慣れた函館山で遭難するのだろうか。徒歩で登ったことがないから私のイメージがずれているだけかもしれないが…。函館山で年越ししたことがあるので(もちろんロープウェイ利用)自分の体験と重ねてしまったが、あのちょっと特別な感じがする年越しを迎えた後にあの結末は悲しすぎる。
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短編集ではあるが、同じ時代、同じ街で起こる出来事が、各ストーリーごとにすれ違ったり、遠まきに絡んでいるところがあり、一冊でひとつの物語という感覚もあった。1本目のまだ若い廃墟がとてもよかった。冒頭から引き込まれて、短編ならではの切れ味があって楽しめた。 あとは、裂けた爪、猫を抱い...
短編集ではあるが、同じ時代、同じ街で起こる出来事が、各ストーリーごとにすれ違ったり、遠まきに絡んでいるところがあり、一冊でひとつの物語という感覚もあった。1本目のまだ若い廃墟がとてもよかった。冒頭から引き込まれて、短編ならではの切れ味があって楽しめた。 あとは、裂けた爪、猫を抱いた婆さん、昂った夜、が良かった。
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ずっと以前に読んでいるはずだが、静かな文章と味わいのあるストーリー、登場人物。村上春樹と同世代で、一時期は期待もされながらも評価されず失意のうちに自死したのは無念だったでしょう。 作品の舞台である函館に行き、その閉塞感や寂寥感に少しでも触れてみたい。
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