チーズと塩と豆と の商品レビュー
ヨーロッパ各国を舞台に食にまつわる人との繋がりをそれぞれの作家さんが書いた短編小説。 作家さんのそれぞれの個性が一冊の本で楽しめて面白かった。 たぶん、江國香織さんの「やわらかなレタス」で、この企画の打ち合わせの事が書いてあって、それに気づいた時が嬉しかった。
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ひょんなことから読んでみたが、なかなか面白い短編集だった。 四人の作家のなかでは森絵都が一番好きかな。話の主人公が母子家庭なのが自分と重なった。 残りの三つも完成度が高いのはさすが人気作家を集めただけあるなという感じ。ヨーロッパの空気を感じる本でした。
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オムニバス小説はイマイチ好みじゃないんだけど、作品の作られ方に興味を持って、読みたくなった。 ヨーロッパの片田舎での料理を取り巻くお話。当然登場人物は外国で暮らす人。日本語も話さない。最初は違和感あったけど、なかなか異国情緒は出ていたようにおもう。 今をときめく、女流作家ばかりを...
オムニバス小説はイマイチ好みじゃないんだけど、作品の作られ方に興味を持って、読みたくなった。 ヨーロッパの片田舎での料理を取り巻くお話。当然登場人物は外国で暮らす人。日本語も話さない。最初は違和感あったけど、なかなか異国情緒は出ていたようにおもう。 今をときめく、女流作家ばかりを集めてながら、しっとりしすぎてないし、まして、ただどろっとしているわけでもないのがいい。作者達はそれぞれで片田舎へ郷土料理の取材旅行に出たそうで、その模様が映像にも収められている。 食は生きて行くことそのものに繋がりやすい。食べることへの距離は人生のある一部をクローズアップさせる。 角田光代はエッセイ的なものしか当たってきてないので評価しにくい。私の中の女流作家然というイメージをもっていた。チャーミングな人あたりの良い女性なのに毒がある。女っぽいどろっとしたものを感じる。というように思っていたけれど、なんだか健全。 井上荒野の静かすぎる文体は嫌味な利き方をしていた。主人公は不幸の中にいる優等生。意図したかどうかは別だけど、その優等生ぶりが不幸を誘って、嫌味ですらある。どうしようも無いけれど、先に見えたものは一点の光で、まあ、なんとなく救われてるからいいかな。 森絵都の勝手なイメージは伸びやかで正しい小説を描く人。長編なら退屈するかもしれない。そんな印象がそのまま作品になっている。人種と家族への思いは実直で健やかで万国共通のものがつまっていて、楽しめた。 ラストが江國香織なのだが、やっぱりここが落ち着く。短い物語でも登場人物の心が見えてしまう。衝撃的な出来事はないのに、恋愛の変わっていかなければならない時期にきている関係をさらっと切なく表現している。暑い土地と静かで力強い料理をものの見事に道具にしている。 ヨーロッパの田舎を旅する贅沢が欲しくなった。コンセプトは当たったんじゃないだろうか?
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読んだらお腹がすきます。 どれも美味しそうな話。 角田光代さん、井上荒野さん、森絵都さん、江國香織さんの4人がそれぞれヨーロッパの田舎を舞台にお話を書いてます。
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楽しく人と食事した記憶はいつまでも良い思い出。 生きるために食べるのだけどどうせなら楽しく笑いながら食べたいな。と感じた。
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まえから好きだった作家と最近読んでる 井上さんの短編。 舞台はヨーロッパ。 からりとしてそしてしょっぱい。 人間模様。
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直木賞作家四人の贅沢な短編集。どれもヨーロッパの地方を舞台に描かれ、その地の食事が出てくる。 生きること、食べること、当たり前のことを再確認させられる。 タイトル、装幀で期待しすぎたかなという印象。 海外の話はやっぱり海外作家じゃないと、って思った。
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四人の作家の短編集。 スペイン、イタリア、ポルトガル、フランスを舞台にそれぞれ一人づつ、作家がその地で繰り広げられる物語りを綴る。 ぼんやりと、食(豆)が大きなテーマだとは分かるが、それぞれ、話自体には関連性はない。でも、全体にまとまり感があり、また、作家それぞれの個性も見られて読みやすかった。
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角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織によるヨーロッパ地域の食に関する話 スペインのバスク地方出身、どんなときでも料理にこだわる風習に嫌気がさし、バルセロナから海外へ転々とする生活をしながら、国境なきシェフとして活躍し、いつしか故郷への愛が芽生える。 年の離れた夫が脳溢血で長く入院しているイタリアのトリノまで、毎日ミネストローネを作って、山の中の家から車で通う妻の心細さ。 フランス北西部、ブルターニュ出身の男は地元の伝統や迷信にとらわれた親族に嫌気がさし、パリでシェフとして活躍し 対立していた母の死後、地元に戻りターブル・ドットを経営しようという途中で、 生前の母の息子への思いやりを黒麦を通じて知った親子の愛。 ポルトガル、首都のリスボンから、アレンテージョ地域へ、互いのために休暇が必要だと旅行にきた、男二人。 著者が実際に旅をして書いたんだね。 何も知らずに読んでしまったよ。 スペイン(角田光代)とイタリア(井上荒野)は地域よりも人間関係が重視な感じ。 フランス(森絵都)とポルトガル(江國香織)の話は 地域名がしっかりと詳しく書かれていたような感じ。 ヨーロッパかあ)^o^(
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外国が舞台のお話は、なんとなく苦手。 でもこの短編集、どれも読みやすかった。 「食べること」をからめたお話たちで、食べ物の描写がとても美味しそう。 チャコリ、ミネストローネ、ガレットとクレープ、蜜びたしの黄色いお菓子。 森絵都さんの「ブレノワール」が一番好きで。 「食べて、働く」...
外国が舞台のお話は、なんとなく苦手。 でもこの短編集、どれも読みやすかった。 「食べること」をからめたお話たちで、食べ物の描写がとても美味しそう。 チャコリ、ミネストローネ、ガレットとクレープ、蜜びたしの黄色いお菓子。 森絵都さんの「ブレノワール」が一番好きで。 「食べて、働く」、究極にシンプルなテーマは、奥が深い。 江國香織さんの小説が苦手だったけど、「アレンテージョ」はよかったな。
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