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赤朽葉家の伝説 の商品レビュー

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209件のお客様レビュー

  1. 5つ

    59

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/10/20

2024.10.20 読了 千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもない私。戦後史を背景に、鳥取の旧家に生きる三代の女たちを比類ない筆致で鮮やかに描き上げた雄編。 万葉編は少しファンタジックで世界観を掴むのが難しかったけど毛鞠編は自分が育った時代に近かったのでめちゃくちゃある...

2024.10.20 読了 千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもない私。戦後史を背景に、鳥取の旧家に生きる三代の女たちを比類ない筆致で鮮やかに描き上げた雄編。 万葉編は少しファンタジックで世界観を掴むのが難しかったけど毛鞠編は自分が育った時代に近かったのでめちゃくちゃあるあるだらけで楽しく読めました。 最後の瞳子編は瞳子自身の人生はごくごく平凡だけどミステリーとしての面白さがありどんどん読み進められました。

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2024/09/29

女3代いやタツさんも入れると4代の昭和の戦後の高度成長時代から平成、21世紀に跨る赤朽葉家の歴史の物語 それぞれが不思議な力を持っており、家の存続に力を果たす 男よりも女性の方が守るという事に合っているだろう それにしてもそれぞれ不思議なエピソードでグイグイと引き込まれていく ま...

女3代いやタツさんも入れると4代の昭和の戦後の高度成長時代から平成、21世紀に跨る赤朽葉家の歴史の物語 それぞれが不思議な力を持っており、家の存続に力を果たす 男よりも女性の方が守るという事に合っているだろう それにしてもそれぞれ不思議なエピソードでグイグイと引き込まれていく また、周りの登場人物たちも個性が強くネーミングセンスも抜群、サンカの存在や古代より受け継いできたたたら場など物語に華を添えまくっている トーコにも必ず何かしらの能力はあるはずで、鞄にもあるのかな? 丁度いいサイズの読み応えと満足のいく物語でした

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2024/05/17

女三代の登場人物の視点で描かれた物語で複数のテーマを包含しているが、桜庭一樹の独特の世界観も根底にあって良い意味でのアンマッチ感が面白かった

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2024/05/03

親子3代のお話だったので、時代の流れを感じられました。 それぞれの時代の若者の特徴をすごく的確に表現しているなと思いました。 このまま物語が続いていたら、令和の若者はどんなふうに表現されるのでしょう?

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2024/03/24

終戦後から平成の中頃までを、実際の出来事にも触れながら紡がれる女三代記でした。 語り部である三代目、瞳子が私と同じ頃の生まれで、誰か人伝に聞いた話のように読むことができ、社会情勢や価値観、暮らしなど移ろう時代を登場人物に想いを馳せて読んでいました。 特に一代目万葉の時代の話が...

終戦後から平成の中頃までを、実際の出来事にも触れながら紡がれる女三代記でした。 語り部である三代目、瞳子が私と同じ頃の生まれで、誰か人伝に聞いた話のように読むことができ、社会情勢や価値観、暮らしなど移ろう時代を登場人物に想いを馳せて読んでいました。 特に一代目万葉の時代の話が、実家に伝わる古い話とどこか似ていて、お気に入りです。

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2023/12/24

あとがきで「全体小説」という表現が使われているが、その名に負けない、色々な要素の詰まった作品。たくさんの要素の中で個人的に注目したいのは万葉の健気さと律儀さ、そして時代という名の大きく加速するエントロピー。 ただ、ミステリーではないので出版レーベルの選択は間違えだと思う。また瞳子...

あとがきで「全体小説」という表現が使われているが、その名に負けない、色々な要素の詰まった作品。たくさんの要素の中で個人的に注目したいのは万葉の健気さと律儀さ、そして時代という名の大きく加速するエントロピー。 ただ、ミステリーではないので出版レーベルの選択は間違えだと思う。また瞳子につけようとタツが考えていた名前が「自由」というのにも違和感を禁じえず (どうせなら「転機」とか...)、また万葉の一代記 (を瞳子が語るの) でも良かったと思う。

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2023/11/19

話は3部作構成。鳥取の名家赤朽葉家の女三代の物語。里で拾われた山窩の子供、千里眼の万葉。未来に起きることを幻視する。大奥様のタツのひと声で赤朽葉に嫁入り。その娘でレディースから漫画家になった毛鞠。恋愛、抗争、友情、そして青春の終わり。更にその娘、まだ何者でもない瞳子。万葉、毛鞠が...

話は3部作構成。鳥取の名家赤朽葉家の女三代の物語。里で拾われた山窩の子供、千里眼の万葉。未来に起きることを幻視する。大奥様のタツのひと声で赤朽葉に嫁入り。その娘でレディースから漫画家になった毛鞠。恋愛、抗争、友情、そして青春の終わり。更にその娘、まだ何者でもない瞳子。万葉、毛鞠が主役の2部目までは、これはいわゆる大河小説か?という展開。日本の経済発展、オイルショック、バブルへと。 当時の風潮を思い出しながら波乱万丈の2人の人生を愉しむ。それが面白い。自分の親の世代の万葉も、自分の世代の毛鞠も私の知ってる時代とは少し違う気もするが地域の違いか、個人の違いか。そこは小説だから御愛嬌。 そして瞳子の出てくる3部目になって思い出したかのように殺人の話が出てくる。登場人物が、その昔の殺人を告白するのだ。誰が殺されたのか?なぜ?どうやって?という謎解きに瞳子が挑む。その謎を解く伏線は前の2部、大河小説部分に隠されている。だからこんな突飛な2人の女性の人生を描いたのかと、そこで気づく。 そもそもこれは推理小説なのか?と思いながら読んで、違うけど面白いなと思い始めた頃に謎が提示されるから、そのときにはもう推理小説としての興味を失っている。謎解きはどうでも良いのだが、上手に作っている。それが良いのか悪いのかわからんが何より小説にいちばん大事なこと、お話として面白いので十分だ。

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2023/10/22

何度目かの再読! 桜庭一樹さんの長篇、いつも前半部の面白さがとてつもない。後半になって減速する印象は否めないが、それでも最後まで面白い。

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2023/03/23
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2008年。(第5回)。7位。 GOSICK好きなのよ。 鳥取の旧家女性3名の歴史。万葉はフィリピン系の感じで山の民に捨てられ、鳥取で育った。中国山脈あたりって八咫烏も住んでいたような。旧家の大奥様タツの指名により輿入れ。世の中は鉄鋼業が盛んだった。泪、丙午の娘の毛鞠、鞄、孤独の4人を生む。毛鞠は中学生より暴走族で中国地方を配下に収める。やがて引退、そして人気漫画家に。長男の泪の死により、父の決めた男と結婚、瞳子を産む。鉄鋼業も衰退していく。この話は瞳子が語り手。 昭和の歴史と絡めた一族の歴史。

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2022/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三部の最後までネタバレしてるので注意! 通勤時間にちまちま読む私には超大作すぎるけど、その分すごく面白かった。 万葉の見る神話の世界にぐっと引き込まれ、 毛鞠の突き抜ける衝動と喪失の歴史に踏み潰され、 一部・二部に対して比較的軽く、二部の喪失から癒えてきた傷口をさらっと爽やかにグリグリされる瞳子の三部。 視覚的にずっと美しい。 鉄砲薔薇と箱の渓谷や、曜司の乗るお座敷列車が浮き上がるシーンは、死にまつわることなのに美しすぎる。 桜庭一樹は生きている人間はもちろん、死んでゆく人間も美しく書き上げてくれるから信頼と愛を捧げたい。 最高。最高で最高に辛い。 泪がすごく好きだったので生まれると同時に作中での死が確定して、亡くなるまでずっとしんどかったし、 いざ死ぬと喪失感がすごくてそのあと泪の話が出てくる度に静かに本を閉じて休憩した。 最後に瞳子のことを抱きしめる三城の気持ちを考えるとつらい。 男に生まれてしまったが故に三城と結ばれる未来を選べず、自死してしまったかもしれないかつての友人(まぁおそらく恋人)の泪とそっくりに生まれた女の子の瞳子を、泣いている瞳子を抱きしめるなんて……。 優しいな三城は。 女に生まれていたら、って泪はきっと1度は思っただろうな…………。 しんどい。 そして豊寿さんも好きだったのに……そんな……ってなる。 友人の枠からはみ出ないように節度を持って万葉に接する豊寿が大好きだったので、死ぬなんて……。 この作品に出てくる男たちはみんな魅力的すぎる。 女たちももちろん魅力的なんだけど、男たちに狂わされる。 瞳子の今の自分に対する評価とか、未来への不安は共感できるところがあって最後の「ようこそ」は、瞳子を含む生まれた人間たちに対する歓迎の言葉。 瞳子とは違う種類だけど、三城もまた傷と不安を抱えて生きていくしかないのだ……。 今生きている私たちと同じように。

Posted byブクログ