もしもし下北沢 の商品レビュー
あらすじだけ思い返すと、もう、めちゃくちゃで、ひどい話な気がするのに、好きだった。 そういう、めちゃくちゃなことに対する、登場人物たちの言葉が、淡々と、でも的確に表現されていて、いつぞやの自分の気持ちが言い当てられた感じがして、なんか癒される、不思議な話。
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読み終わった後、とてもやさしい気持ちになりました。 人生って日常と非日常は表裏一体で、明日は何が起こるのか全くわからないし、明日、自分が全く違う考えを持つようになっているのかもしれない。それでも、恐れることなく、ただ、淡々と生き続けることしかできない。けれど、その中に人と触れ合う...
読み終わった後、とてもやさしい気持ちになりました。 人生って日常と非日常は表裏一体で、明日は何が起こるのか全くわからないし、明日、自分が全く違う考えを持つようになっているのかもしれない。それでも、恐れることなく、ただ、淡々と生き続けることしかできない。けれど、その中に人と触れ合うことでしか得られない嬉しさや喜びがある。そんなことを再認識させてくれるお話。
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よしもとばなな『もしもし下北沢』 2010年 毎日新聞社 最初はエッセイかと思っていたのですが、下北沢を舞台とした素敵な小説でした。 実際の下北沢のお店などの描写もありかなりリアルな感覚で読んでいました。 僕も自由が丘に住んでいて、遊びで下北沢に行っていたので余計に風景や空気...
よしもとばなな『もしもし下北沢』 2010年 毎日新聞社 最初はエッセイかと思っていたのですが、下北沢を舞台とした素敵な小説でした。 実際の下北沢のお店などの描写もありかなりリアルな感覚で読んでいました。 僕も自由が丘に住んでいて、遊びで下北沢に行っていたので余計に風景や空気、匂い、そして移動の感覚などがとても実感的に読んでいました。 壮絶な体験を乗り越えた主人公だけど、場所にはそういった心を再生させたりする力がある気がします。再生するのは自分自身だけど、それをきっかけというか、理由付けにもしてくれたり。確かに特に下北沢には独特のパワーがありますよね。それはそこにいる人々から発せられるものでもあるけど。 未来はそう先のことだけではなく、明日、1時間後、1秒後でも未来。確かにそれは想像もしないことが起こるかもしれない未来だもんな。だからこそ自分もこれからの時間を心に正直に前を向いて生きたいなと思いました。 #よしもとばなな #吉本ばなな #もしもし下北沢 #毎日新聞社 #読了
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「何か新しいことを始めると、最初は濁っている。だが、やがてそれは清流になり、自然な運動の中で静かに営まれていく。」 見ず知らずの女と心中をしてお父さんを亡くした主人公よしえが、何回も観て、暗記したことばの一部。読み終えた今でも、この冒頭の一言がすごく印象に残っている。 これは...
「何か新しいことを始めると、最初は濁っている。だが、やがてそれは清流になり、自然な運動の中で静かに営まれていく。」 見ず知らずの女と心中をしてお父さんを亡くした主人公よしえが、何回も観て、暗記したことばの一部。読み終えた今でも、この冒頭の一言がすごく印象に残っている。 これは、よしえの心が濁流から清流になっていくまでの物語なのかなと。 個人的は、よしえが「よっちゃん」と作中で色んな人から呼ばれていて、自分が呼ばれているみたいで感情移入した。
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久々のばななさんの作品。下北沢に惹かれて読んだ。知らない女性と心中した父親、残された母娘が過去の呪縛から逃れて再生してゆく様を下北の個人商店、人情を背景に描かれている。心中相手以外は皆んな良い人ばかりで、空気感は分かるがそれだけだった。直ぐに泣いて人の懐に入る主人公に共感できなか...
久々のばななさんの作品。下北沢に惹かれて読んだ。知らない女性と心中した父親、残された母娘が過去の呪縛から逃れて再生してゆく様を下北の個人商店、人情を背景に描かれている。心中相手以外は皆んな良い人ばかりで、空気感は分かるがそれだけだった。直ぐに泣いて人の懐に入る主人公に共感できなかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
YOASOBI夜に駆けるの原作小説を想起させる展開があった。父の死にけじめをつけていくことの苦難だったり、それに関わる人間関係の複雑な絡みがとても面白かった。
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小説の中に自分のよく知る街や人の名前がたくさん出てくると恥ずかしくなってしまうので、この本を敬遠していたけど、 こんなに素敵な本ならもっと早く読めばよかった。 よっちゃんの聡明さ、それによってはっきりしてしまう残酷さはスリリングだった。 父親が知らん女と心中してしまったことへの悲...
小説の中に自分のよく知る街や人の名前がたくさん出てくると恥ずかしくなってしまうので、この本を敬遠していたけど、 こんなに素敵な本ならもっと早く読めばよかった。 よっちゃんの聡明さ、それによってはっきりしてしまう残酷さはスリリングだった。 父親が知らん女と心中してしまったことへの悲しみや慟哭は一体どこに行き着くんだろうとか、新しい生活へと動き出したお母さんはどうするんだろうとか、 物語に対する興味はもちろんあるんだけど、 それ以上によっちゃんの悲しみそのものが美しかった。 よっちゃんはずっとずっと誠実に悲しみ続けて、ついには悲しみを抱き締める術を得た。 これは小説だけど、よっちゃんなんて本当はどこにもいないのかもしれないんだけど、 本当に感動した。 よっちゃんはすごいし、だいすきだと思った。 あっという間に読んでしまって残念だった。 もっとよっちゃんの言葉を聞きたいと思った。
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んんー 途中までしか、読めなかった。 導入で心を掴まれ、 スイスイ読んでいたのだが、 お母さんがバイトし始めたくらいから 読めなかった。 空気感は好きだった。
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下北沢に引っ越してきた主人公よしえ。なんでもない日常を送りながら、亡くなった父親との記憶の呪縛を解き、子どもからの脱却を志す物語。 下北沢の文化的だけれども都会的ではない洗練された感じが良かった。それが心の暗さとの対比のように感じることもあったが、下北沢に行ってみたくなった。 ...
下北沢に引っ越してきた主人公よしえ。なんでもない日常を送りながら、亡くなった父親との記憶の呪縛を解き、子どもからの脱却を志す物語。 下北沢の文化的だけれども都会的ではない洗練された感じが良かった。それが心の暗さとの対比のように感じることもあったが、下北沢に行ってみたくなった。 二十歳過ぎの女の子に、なんで[よしえ]なんておばあちゃんみたいな名前を付けたんだろうか。もし若いよしえさんがいたら、すみません。
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※このレビューにはネタバレを含みます
吉本ばななの紡ぐ世界はいつも優しくて理解のある人たちが溢れていて、ちょっと非日常な状況でも主人公の考えそのものはあまり突拍子のないものじゃなく、ただただ「ああ、そうかもなあ」と思わされる。そして最後に無理矢理じゃなく、それなりの穏やかなエンディングが待っている。そういうところが好きです。下北沢って一度行ったことあるくらいだけど美味しいものがたくさんありそうだなあという印象。そこにキッチン感はある、かも? ただ、最後本当にちゃんとお母さん、家にいたのかな…?っていうよく分かんない不安が…。 尚、序盤で共感できないお母さんのご意見がありました。 「一日の時間の流れって、夕方になる前にぐうっと長くなって、日が沈むと急に早くなるじゃない?」(p.53)とのことですが、どっちかというと私は逆。夕方が一番時間の流れが早い。この人、ちゃんと主婦としての活動してたのかな?っていうw私だけかな…?
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