禁猟区 の商品レビュー

乃南アサ【著】

2011/01/13

警察の女性監察官を軸にした汚職をする側とそれを暴く側を描いた連作短編集。職に就いた当初には抱かなかったであろう欲望や悪意にちょっとしたはずみで絡め捕られ、転落していく人々の姿。その境界線はあなたのすぐそばにあるかも。

2011/01/10

【収録作品】禁猟区／免疫力／秋霖／見つめないで
警察内部の犯罪を追及する監察官の仕事を描いた連作。こういう仕事はいやがられるだろうけど、大切なこと。実際にこういう機関が機能していれば、その組織を安心も信用もできるのに。

2011/01/04

良かった。シンプルで無駄がなく、かと言って言葉足らずでもない。残虐な描写がないのも良い。別の作品も読んでみたい。

2010/11/24

警察小説。だけれどスポットを当てられているのは「監察官」事件を捜査する刑事の物語はあっても、。こういうのって今まであまりなかったかもなあ。ちょっと独特です。
警察官だって人間なんですよね。だからこそ道を踏み外してしまう人も少なくなくって。それも心根が悪かったのではなく、少し魔がさしたのだったり良かれと思ってやったことだったり。切なさも感じました。
お気に入りは「秋霖」。彼のしたことはたぶん、許されないこと。それでもこのタイトルにはしんみりとしてしまいます。

2010/11/17

沼尻いくみが所属する警務部人事課は、警視庁警察官に対する賞罰を査察し処分を決定する。査察対象になった四人の警察官を描く。

2010/10/21

これまた初読になる作家さん。多作なイメージなのに
ここまで読む機会がなく...。
短編連作形式で警察組織の内部を犯罪を隠密に
処理する監査官、その中でも天然キャラの若い
女性監査官「いくみ」を中心にそのチームが
描かれていますが、今作の主人公はむしろ
その対象者たちなのかも。

警察機構だから起こりえる種の犯罪内容ですが
その切欠はほんの些細な日常の中での
少しづつのボタンの掛け違え...。
我々自身にもその可能性とその立場に置ける
間違った思考に陥っているのかもしれないですね。
なんとも悲哀に溢れた人間臭い作品でしんみり
してしまいます。

しかしだねーw。今作もオビの煽りは
相当にヒドいw。この作品の内容にこのコメント
つけるセンスって...どうかと思うんですがw。

2010/10/19

+++
捜査情報が漏れている!?刑事が立場を利用して金を動かしている!?警察内部の犯罪を追う監察官はあくまで陰の存在。隠密行動を貫いて「密猟者」を狩り出してゆく。尾行される刑事は意外にも無防備。獣道に沿って仕掛けられた罠に気づきもしない。プロとしての自負が邪魔するのだろうか。監察チームの頭脳プレーを描く本邦初の警察インテリジェンス小説、ここに誕生。
+++

表題作のほか、「免疫力」　「秋霖」　「見つめないで」

警察官の非行を暴く監察チームを要とする連作中篇。背信行為に手を染めるきっかけはさまざまである。魔が差して、あるいは確信犯的に、警察官という特殊な身分であるからこそ堕ちていった者たちを身内の冷静な目が追う。泥沼とも言える物語を監査室の紅一点・いくみの明るい若さと未熟さが救っている。そのいくみが巻き込まれる事案には情けなくやるせなくなるが、明るさは失わずにいて欲しいものである。新たな切り口の一冊。

2010/10/19

短編集で読みやすかったですが、正義である警察官がこんなのばかりだとｲﾔだなぁと思った。
でも結構これも現実だったりするんかな。

2010/10/18

短編でさらっと読めました。
基本、乃南さんの本は長編が好きなので、ちょっと物足りない感じはありましたが、移動中の読書にはちょうどいいかな。
「女性調査官沼尻いくみ」主役で長編が読みたいです。音道貴子みたいにシリーズ化すればいいのに。

2010/10/08

詐欺・ヤクザとの癒着・情報漏えい・恐喝
刑事が知らず知らずに悪の道に染まって行く。
そしてそれを暴くために監察官が動き出す。

同じ警察内でも煙たがられる監察官の立場での苦悩を
若い女性刑事に語らせるところなど
面白い視点での警察小説ではあるのだけれど
監察に見つかって破滅の音を聞いたところでカットアウトなので
後味が悪いままなのがザンネン。

【図書館・初読・10/7読了】