三面記事小説 の商品レビュー
新聞の三面記事に端を発した物語。 角田光代はどうしてこんな感情群を書き出すことができるんだろう。誰もが本来持っているけど気づかないようにしている感情。この本を読む事で在ることに気づいて不安を誘う。 そう彼女はこの世界に既にある物語を紡いでいるんだ。 もう久しく新聞を読むとい...
新聞の三面記事に端を発した物語。 角田光代はどうしてこんな感情群を書き出すことができるんだろう。誰もが本来持っているけど気づかないようにしている感情。この本を読む事で在ることに気づいて不安を誘う。 そう彼女はこの世界に既にある物語を紡いでいるんだ。 もう久しく新聞を読むという日々から遠ざかっているけれど、毎日三面記事にて短く感情なく報道される事件一つ一つに感情がある。 そこまで読み取っていたら動けなくなってしまうけれど、だから簡潔ではないということを改めて教えてくれるこの物語は必要だなーと。
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あくまでフィクションだが事件自体は本当にあった事実だ。もしここで取り上げられた6つの事件に、この小説のような背景があったらと思うと胸が痛くなる。一つ一つの話が重い。小説家の想像力の凄さを感じた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一見、何事も無く、平穏無事に過ごしているように見える人々も、何かしら大きな問題を抱えていて、ふとしたきっかけで大事件を起こしてしまう。 姉が妹をナイフで刺してしまう話や、介護疲れから息子が母親の首を絞め殺すという話は、いつ身近なところで起きてもおかしくない気がした。 つい先ごろ、44歳の無職の男がバレンタインデーのチョコレートを盗むという事件があったが、角田光代だったらこの三面記事からどんなストーリーを組み立てるだろう?
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最近、本を読めない。読ませてもらえない。本を読むことが悪いことのように、あの人は溜め息をつき、僕のことを冷たい目で見る。 本を読むことって楽しいことだったのに、わくわくすることだったのに、今は肩身が狭く、あの人の目を気にしながら、ちょこちょこ読む。でも読むことはやめない。だって僕...
最近、本を読めない。読ませてもらえない。本を読むことが悪いことのように、あの人は溜め息をつき、僕のことを冷たい目で見る。 本を読むことって楽しいことだったのに、わくわくすることだったのに、今は肩身が狭く、あの人の目を気にしながら、ちょこちょこ読む。でも読むことはやめない。だって僕は本を読むことが大好きだからね。 物事には必ず、理由があって人はそれに従って生活をしていますよね。この小説は新聞の三面記事に至る経緯を物語としています。 読んでいると、普段の自分たちの生活と何も変わらない平凡な毎日から、ふとしたことがきっかけで、犯罪にむかっていく恐ろしさが醸し出されています。 人間も車のハンドルと一緒で「遊び」がないと自分で自分を追い詰めてしまって、正しい判断が出来なくなって間違った方向へ進んでいくんでしょうね。 怖いこわい。
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これでプロ?って作品はたくさんあるけれど、さすがプロ!ってうなったこの作品。この人、本当にストーリーテラーですね。おすすめ!
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怖い。 新聞の三面記事には書かれない事件の背景がすごい迫力で描かれている。 タイトルページには小説になった事件の三面記事が引用されている。 小説を読んでから記事を読み返すと、フィクションだと分かっていても、そうだったのかと納得してしまう。 それ程真に迫っているのだ、事件を起こして...
怖い。 新聞の三面記事には書かれない事件の背景がすごい迫力で描かれている。 タイトルページには小説になった事件の三面記事が引用されている。 小説を読んでから記事を読み返すと、フィクションだと分かっていても、そうだったのかと納得してしまう。 それ程真に迫っているのだ、事件を起こしてしまう心境の描写が。 それが自分とは無関係の世界の話ではないことが分かるから、ただただ怖い。 人と人の関係はびっくりするくらい些細なきっかけで簡単に変わってしまう。 いきなり目の前で相手のシャッターが閉まる。ガラガラピシャリ。 そうなったらどうするか。 閉まったことに気付かないふりをして今まで通りのように振る舞う、なぜ?と問い質しすがりつく、自分を否定する相手の存在を消去する‥。 どうやっても元通りにはならないのだと知っていて、でも何かしないといけないところまで追いつめられてしまった人達。 「光の川」の輝男さんの「帰りたい帰りたい帰りたい」という切実なつぶやきが頭をぐるぐると回っている。
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◆愛の巣・・・お互い結婚してからも仲良く交流を続けていたのに、最近の姉はどうも様子がおかしい。原因は義兄の浮気? ◆ゆうべの花火・・・好きな人には妻がいた。でも彼はお金を出せば私と過ごしてくれるし、愛してくれる。 ◆彼方の城・・・自分の子供達は理想とはだいぶ違う風に育ってしまった...
◆愛の巣・・・お互い結婚してからも仲良く交流を続けていたのに、最近の姉はどうも様子がおかしい。原因は義兄の浮気? ◆ゆうべの花火・・・好きな人には妻がいた。でも彼はお金を出せば私と過ごしてくれるし、愛してくれる。 ◆彼方の城・・・自分の子供達は理想とはだいぶ違う風に育ってしまった。私には見向きもしない。でも、隼人は違う。息子と同じくらいの歳の隼人の前では、女でいられる。 ◆永遠の花園・・・私と菜摘の間には誰も入る隙間なんてないと思っていたのに、最近の菜摘は教師のタマちゃんに夢中。菜摘が変わってしまう。そんなのは許せない。 ◆赤い筆箱・・・いつから私と妹の関係はこうなったのだろう。そしてなぜ、今妹は私の前で血だらけで倒れているのだろう。 ◆光の川・・・認知症がすすんだ母をたった一人で介護する日々。姉は全く助けてくれないが、それは幼き日に母が姉にしたことを思えば当然のことなのだ。 以上6編の短編集。すべてが本当にあった事件を発想の発端にしてかかれてはいるが、フィクションで事実ではない、と記載がある。それぞれの話の扉ページにはその時の新聞記事の一部が掲載されている。 実際にあった事件が元になっているということで、どの話もかなり重い話・暗い結末になっている。実際の事件とはもちろん違うのだろうが、実際そういうことだったんだろうかと思ってしまうほど、どの話もリアル。 ◆赤い筆箱・・・自分が実際姉妹という関係でない人には理解しにくいのかもしれないが、ここに書かれている状況や心情には、恐ろしいくらいに心当たりがある。親がモノを色分けするとか、キャラクターを決めてしまうとか。妹との関係も、似た部分が多々あって、読んでいて怖くなった(^^;私は実智程の思い込みはないと思うけれど、妹に対する認識はどこか間違っているのかもしれない。 ◆光の川・・・この事件に関してだけは、加害者に同情してしまい、泣きそうになってしまった。この状況までよく一人でがんばったと思うし、悪いの国の制度だとも思う。実際、「介護疲れ」故の事件というのは多々おきているわけだが、この類は本当に福祉の制度でもうちょっとなんとかならないのかとやるせなくてしょうがない。
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(2012/11/23再読) 6つの短篇が収められているのですが、そのどれもが「ああ、こういう背景があったのかもなぁ」と思わせる感じでした。 こんな風に、1つの新聞記事から想像をふくらませて小説を書く、というのは楽しいものかもしれないなあ。 最後の、「光の川」は切なかったです。で...
(2012/11/23再読) 6つの短篇が収められているのですが、そのどれもが「ああ、こういう背景があったのかもなぁ」と思わせる感じでした。 こんな風に、1つの新聞記事から想像をふくらませて小説を書く、というのは楽しいものかもしれないなあ。 最後の、「光の川」は切なかったです。でもこれ、よくある事件なんだよね……。
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切ない女性の人生を味いたいなら角田光代! と思っていたのですが 今回は男性の切なさもしっかり味合わせて頂きました。 先に内容を読んでから題名ページの記事を読むのがオススメです。
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実際の三面記事から発想を得て書かれたというのだから、 確かにその創作力はすごい。 でも、お話自体が面白いかというと・・・ビミョウ 思い込みの激しい女たちの悲劇・・・という感じ。 (あ、「光の川」は男性でしたね。)
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