三面記事小説 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
実際にあった事件を基に 作者が「この事件にはこんな背景があったのでは」 と書いた短編小説。 人間の本質が描かれていているようで読んでいてとても怖い。 けれど実は近場でも起こり得る話だ。 なかでも なんでもできる妹と、人間関係に悩まされる姉の話が 一番印象に残った。 最後は狂乱する姉、無意識の行動が ~をする・~したことを忘れる。 と続くのだがそこがとてつもなく恐ろしい。 自分にも有り得そうで恐ろしい。
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フィクションながら、実際の新聞の三面記事を題材にしているので生々しく怖い。今にも堕ちそうな人にはこの怖さがストッパーになるかもしれないが、ちょっと不満がある程度の人だと逆に引き込まれて三面記事に載ることになるかもとおもわせる。事件なんて大抵、ごく普通の人が起こしているのだから。
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新聞の三面記事に載った事件をベースに創作された短編集。 日常に潜む狂気とか毒素をしつこすぎない程度に表現している、薄暗い感じが堪らない。
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この小説は実際の事件を発想の発端にしているが、フィクションであり事実とは異なる。 の一文からはじまります やっぱほんとにあった記事から書いてたんだー‼ 愛の巣(26年前に殺害 男自主) ゆうべの花火(不倫相手の妻の殺害を依頼警察に相談) 彼方の城(16才男子高校生にみだらな行...
この小説は実際の事件を発想の発端にしているが、フィクションであり事実とは異なる。 の一文からはじまります やっぱほんとにあった記事から書いてたんだー‼ 愛の巣(26年前に殺害 男自主) ゆうべの花火(不倫相手の妻の殺害を依頼警察に相談) 彼方の城(16才男子高校生にみだらな行為) 永遠の花園(担任の給食に薬物まぜる) 赤い筆箱(中1女子殺害 自室で勉強中男が押し入り) 光の川(介護疲れで母親殺害容疑) ニュースでこんな事件をみるたび、どーしてこうなるわけーっておもってた たしかにどの事件も、事件が起きたときの加害者はおかしいし狂ってるけど、そこに至るまでは人間としてごく当たり前の感情をもっている それが怖い 最初からおかしいひとなんていないんだ‼
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「私は殺人を依頼しました。恋人の妻を殺してほしいと頼みました」誰もが滑り落ちるかもしれない、三面記事の向こうの世界。なぜ、姉夫婦の家はバリケードのようになってしまったのか?妻の殺害をネットで依頼した愛人の心の軌跡とは。直木賞作家が事件記事に触発されてうみだした、六つの短編小説。 ...
「私は殺人を依頼しました。恋人の妻を殺してほしいと頼みました」誰もが滑り落ちるかもしれない、三面記事の向こうの世界。なぜ、姉夫婦の家はバリケードのようになってしまったのか?妻の殺害をネットで依頼した愛人の心の軌跡とは。直木賞作家が事件記事に触発されてうみだした、六つの短編小説。 角田光代さんだったので期待をして読みましたが、どれもこれもなんだか物足りない感じでした。 事実は小説より奇なりっていうのは本当なのかもしれない。 小説よりも、実際の事件の方が奥が深いのかもしれない。 そう思わせる小説でした。
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本物のルポを読んでるみたいだった。 描写が細かいのと、感情はもとより表情を言葉にするのがすこく上手い気がする。 この人の作品って、男性キャラクターが屑みたいな奴が多くて、浮気したり女の人に貢がせたりする話がよく出てくるよね。おかげで読む度に彼氏(というか男性)を信じられなくなりそ...
本物のルポを読んでるみたいだった。 描写が細かいのと、感情はもとより表情を言葉にするのがすこく上手い気がする。 この人の作品って、男性キャラクターが屑みたいな奴が多くて、浮気したり女の人に貢がせたりする話がよく出てくるよね。おかげで読む度に彼氏(というか男性)を信じられなくなりそうになる(笑)
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実際の新聞記事から構想された物語たちなだけあって、リアリティがかなりある。最後の「光の川」っていう短編も現代社会にある問題を象徴する話で怖くなった。このジワジワと迫ってくる現実感が、角田光代さんの持ち味なのではないかと思う。で、それが最大限生かされてると感じる作品でした。
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数行でまとめられる三面記事。 たださらっと読むと、ありがちなただの殺人事件。 だけどその背景には何があったのか?フィクションだけど、本当にそうだったのかも?と感じられます。 普通の人が犯罪者になっていく過程がリアルに感じられて恐ろしい本でした。 最後の「光の川」はなんとも言え...
数行でまとめられる三面記事。 たださらっと読むと、ありがちなただの殺人事件。 だけどその背景には何があったのか?フィクションだけど、本当にそうだったのかも?と感じられます。 普通の人が犯罪者になっていく過程がリアルに感じられて恐ろしい本でした。 最後の「光の川」はなんとも言えず、切ないです。 介護問題は本当にこんな感じなのでしょうね・・・ これは自分も直面するかもしれない話で、怖くなりました。
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家族と、家族のようなもの、に関する解説も良い 角田さんには、救いとは何か、という軸もあると感じている
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「こんな事をしちゃう人の気持ちが理解できない」と思っていた三面記事の数々が、加害者視点で小説になっていた。 異常だけれど相容れない訳ではない、どこかずれた心理が鮮やかに書かれていて怖かった。
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