非正規レジスタンス の商品レビュー
「千川フォールアウト・マザー」 マコトの出生直後の衝撃的な事実が明かされた。本章はマコトの母親がかなり活躍した。 久しぶりに池袋で泣いた。 「定年ブルドッグ」は年寄りが活躍するいい話だった。事件は池袋シリーズではよくある話と思ってしまうあたり、僕も池袋に馴染んできたのかもしれない...
「千川フォールアウト・マザー」 マコトの出生直後の衝撃的な事実が明かされた。本章はマコトの母親がかなり活躍した。 久しぶりに池袋で泣いた。 「定年ブルドッグ」は年寄りが活躍するいい話だった。事件は池袋シリーズではよくある話と思ってしまうあたり、僕も池袋に馴染んできたのかもしれないw タイトルの「非正規レジスタンス」は不当な扱いをされる派遣社員と派遣会社の戦いの話。 このお話ほどひどくはないかもしれないが、2024年の現代でも派遣社員の不遇な扱いは耳にする。 本章にもあったが、派遣会社の上は儲かっているんだ。 僕がリアルで会ったことのある若手の派遣会社社長もそうとうなもんだった。 老人ホームの代表もね。 搾取できるモデルに乗れる精神は悪い意味で尊敬する。 僕は悪人にはなりたくない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
活字欲を満たしながらコミックを読むくらいするすると楽しい話が読めるので重宝しているシリーズ。でもビターエンドで終わる話とか社会問題に切り込む話とかも好き。表題の話は後者の方。2007年に書かれた話でも日雇労働者の問題ってまだ大きくて、でも2024年になっても見えないけれどそんな状況に置かれた人はきっといるはずなのかなと考えた。考えるだけ。
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【2024年77冊目】 非正規雇用のシングルマザー、無償のごみ拾いと誘拐事件、M気質の警察官の娘、正社員を夢見るフリーター。池袋ウエストゲートパーク第八弾。 今回は仕事が軸になるお話が多かったですね。特に最後のお話は、現実に即していて、誠と同じように信じられない気持ちになると同...
【2024年77冊目】 非正規雇用のシングルマザー、無償のごみ拾いと誘拐事件、M気質の警察官の娘、正社員を夢見るフリーター。池袋ウエストゲートパーク第八弾。 今回は仕事が軸になるお話が多かったですね。特に最後のお話は、現実に即していて、誠と同じように信じられない気持ちになると同時にそうなのかもしれないという恐ろしさを感じました。私も日雇い業をしていた経験がありますが、両親というバリアーがあったので、足を伸ばして寝られていたわけです…。 ついに、社会問題にも深く切り込むようになったのか〜。楽しいだけの読書体験ではなく、考えさせられる読書体験をもたらしてくれるシリーズですね。
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「待機児童」「内縁の夫による暴力」「非正規雇用」これらの社会問題は15年ほど経った現在でも解決していないし、むしろどんどん深刻になっていると感じるのは僕だけではないだろう。こんな糞みたいな日本だから、せめて小説の中だけでも僅かな幸せを味わえて良かった。
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どの話ももはやワンパターン/ 強いて言うなら冒頭の語りに長瀬の顔を思い浮かべながら聞くというスタンスで多少楽しめる/ 石田衣良ももはやじじいなんだろう/ 若者文化のジジ臭さが尋常じゃないし、おそらくちゃんと事象を捉えられていない/ 短編だから仕方ない部分もあるだろうが、解決に関し...
どの話ももはやワンパターン/ 強いて言うなら冒頭の語りに長瀬の顔を思い浮かべながら聞くというスタンスで多少楽しめる/ 石田衣良ももはやじじいなんだろう/ 若者文化のジジ臭さが尋常じゃないし、おそらくちゃんと事象を捉えられていない/ 短編だから仕方ない部分もあるだろうが、解決に関してはすべてご都合/ ちょうど良く情報持ってる奴が現れ、ちょうど良くトラブルに合致する/ ブラック派遣会社の社長の娘がユニオン活動ってなんだよ/
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ネカフェ難民、シングルマザー。 資本主義の名のもとで自己責任論を振りかざし、弱者を切り捨てる世の中にあって、彼らがマコトと出会えた事は何よりの幸運。 自己責任などという言葉を安易に使えなくなる。
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「千川フォールアウト・マザー」は、シングル・マザーの女性が直面している問題をあつかったエピソードです。 また表題作の「非正規レジスタンス」も、ギリギリの条件で生きている非正規雇用労働者たちのすがたと、彼らから搾取をおこなっている派遣会社についての問題をあつかったものです。これだ...
「千川フォールアウト・マザー」は、シングル・マザーの女性が直面している問題をあつかったエピソードです。 また表題作の「非正規レジスタンス」も、ギリギリの条件で生きている非正規雇用労働者たちのすがたと、彼らから搾取をおこなっている派遣会社についての問題をあつかったものです。これだけでは、あまりにも「社会派」的な話になってしまうのですが、派遣労働者たちのサポートをおこなっている、萌枝というメイド服姿の女性キャラクターを脇役に配しているのは、テーマの生々しさを和らげようという意図なのでしょうか。そうだとしても、結末で彼女の正体が明かされる展開といい、若干ライトノベルふうのテイストを感じて、個人的にはすこし違和感をおぼえてしまいました。
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IWGP8 社会の縮図をいつもうまく捉えていて、普通に生活してれば気付かない、社会の問題や若者の思いを伝えてくれる。
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オンライン読書会の課題図書。 読書会の参加対象が就職氷河期世代なのである。 労働組合って何? ブラック企業やブラックバイトという言葉が聞かれるようになって、ようやく働く人々も気を付けるようになったのではないかと思うが、労働組合や法律について、普通の人はそんなに明るくない。この作...
オンライン読書会の課題図書。 読書会の参加対象が就職氷河期世代なのである。 労働組合って何? ブラック企業やブラックバイトという言葉が聞かれるようになって、ようやく働く人々も気を付けるようになったのではないかと思うが、労働組合や法律について、普通の人はそんなに明るくない。この作品をきっかけに、働くということ、そして労働者の権利について考える人が増えるのかな?そういう展開になることを期待したい。
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実を言えば、本書には「傑作選」で読んだ篇が2つ在り、それは再読になったが、それぞれに愉しんだ。 シングルマザーの物語…街のゴミ拾いをしようという運動を起こした青年を巡る物語…交際相手の男が撮った性行為の写真で強請られている女性を巡る物語…非正規雇用、「派遣」の若者達を巡る物語…こ...
実を言えば、本書には「傑作選」で読んだ篇が2つ在り、それは再読になったが、それぞれに愉しんだ。 シングルマザーの物語…街のゴミ拾いをしようという運動を起こした青年を巡る物語…交際相手の男が撮った性行為の写真で強請られている女性を巡る物語…非正規雇用、「派遣」の若者達を巡る物語…こういう4篇だ。 4篇の何れも「最近、問題ではないのか?」という小説が発表された時期の事象を取り込んだ物語で、その顛末を介して「どうしてこういう時代になった?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」と問うような感で、更に人生の価値」のようなモノを問う内容でもあると思う。 主人公のマコトは、母親と2人という家庭で育ち、一緒に暮らし続け、母親が営む果物店を手伝っている。このマコトの母の若かった頃と似た境涯である、3歳の幼い男児を抱えた若い女性が登場する篇、そして別な篇では母親が逝去してしまった後に警察官の父親と2人という家庭で育ったという若い女性が登場する。これらの篇は、時代状況を超えた「家族の絆?」、「人の基礎?」を問うような内容だ。 今般、強請られている問題でマコトが問題解決に奔走することとなった女性が登場しているが、この父親は警視庁で課長職に在るという幹部である。この父親の元部下で、公私に亘って親しいという警察OBの男性が登場する篇が在る。この“おじさん”が一寸好かった… 表題作の『非正規レジスタンス』は「傑作選」で読んだ時に心揺さぶられる何かを感じたが、秀逸だと思う。「どうしてこういう時代になった?」という中、酷い境涯に必死に耐えて懸命に生きる若者と、“潜入捜査”か何かのように奔走するマコトと、一寸意外な問題解決…或いはこの篇の作中人物達の「何年か後」というのは読みたいような気もする。 ということで、このシリーズとの付き合いは続きそうだ…
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