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緑の家(上) の商品レビュー

4

32件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

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2023/02/09

冒頭から何やら不穏な感じとスピード感。これは面白そう!と。 背中をグイグイ押されるように強引に読まされてる感じ。疲れるけれどもやめられない。とにかくこの上巻は人の名前把握するのに必死

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2022/06/14

バラバラにされた断片で構成された物語。 ただでさえ複雑な時系列にくわえて、回想シーンがおもむろに挿入される、あだ名と名前が混ぜこぜになっている、嘘つきな登場人物がいる、など、初見にはかなり読みづらい作品だと思う。 読み進めるうちに、それぞれの物語の繋がりや時系列がわかり始めると...

バラバラにされた断片で構成された物語。 ただでさえ複雑な時系列にくわえて、回想シーンがおもむろに挿入される、あだ名と名前が混ぜこぜになっている、嘘つきな登場人物がいる、など、初見にはかなり読みづらい作品だと思う。 読み進めるうちに、それぞれの物語の繋がりや時系列がわかり始めると、徐々に面白さのエンジンがかかってくるので、しばらく諦めずに読んでもらいたい。

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2021/08/14

ペルーの北部を舞台に、5つの物語が現在と過去を織り交ぜながら同時進行する。登場人物の名前が統一されないから少しややこしい。会話に鉤括弧が付いたり付かなかったり、地続きの文章中で二つの場面が交互に入れ替わったりするのに不思議と頭の中に場面がちゃんと浮かぶ。主な舞台がselva(熱帯...

ペルーの北部を舞台に、5つの物語が現在と過去を織り交ぜながら同時進行する。登場人物の名前が統一されないから少しややこしい。会話に鉤括弧が付いたり付かなかったり、地続きの文章中で二つの場面が交互に入れ替わったりするのに不思議と頭の中に場面がちゃんと浮かぶ。主な舞台がselva(熱帯雨林)なので、蒸し暑い熱気を感じる。その密林の中に佇む修道院の存在は、インディオとカトリックの文化が混じったペルー独特のもの。

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2020/11/02

ペルー、ピウラの町、5つの物語が怒涛の如く、だが極めて映画シーン的に同時進行する。リョサの凄さが解りすぎて余りある。読み始めは何の脈絡もない様な会話、呟き、場面描写が時系列を無視してぱっぱっと展開。センテンスが短いから、必至で着いて行く。娼婦の館~緑の家はいわば象徴とでも言おうか...

ペルー、ピウラの町、5つの物語が怒涛の如く、だが極めて映画シーン的に同時進行する。リョサの凄さが解りすぎて余りある。読み始めは何の脈絡もない様な会話、呟き、場面描写が時系列を無視してぱっぱっと展開。センテンスが短いから、必至で着いて行く。娼婦の館~緑の家はいわば象徴とでも言おうか・・闇の中に蠢く様なキリスト教修道院・・のみを取ってやるインディオの娘、いないのにいる振りする修道女と採るふりの娘・・泣かせる。インディオの集落はあたかも石器時代の様相。流れ者が建てた緑の家とその仲間たちが、5本の縄の様に撚りまくられどうなるか・・下巻愉しみ。

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2018/03/05

精緻に組み合わさった複数の物語が説明なく同時進行するため、ノートを取らずには全体像を把握するのも大変だが、読後感は素晴らしい。個々の物語は地に足がついているのに、砂漠に浮かび上がる緑の家のイメージは神話的である。

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2017/01/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

技巧のための技巧に堕ちない。 内容を表すための技巧。 現在の描写に過去の断片が忍び込む文体や、 断章による時系列のシャッフルなどは、 決して今では目新しくないが、 初めての読者には「眩い」体験になっただろう。 個人的には「場所の不思議」に思うところあり。 白人たちの近代的都会、中世の闇を思い出させる修道院、インディオの未開の村。 場所の孕む「時間や歴史それ自体」が、隣り合って混在しているのだ。 登場人物たちは行き来したり留まったり。 ただただのほほんとしていられない、土地と歴史と人為が作り上げてきた、権力による搾取構造が、これでもかというほど具体的に描かれている。 それだけでなく、固太りした男のマチズモ(ロマンチックな意味において)と、包みつつ振り回される女の強かさを浮き彫りにした、人類普遍の筋でもあることに、いわゆる完璧な小説という称号が見えてくる。 バルガス=リョサ。 描く対象自体は徹頭徹尾リアルなのに、その過剰さ豊饒さや語り口が、索漠とした日本で読むとマジカルに感じられる。 そして作品内部において、混沌の密林→都市化が進行する。 これはまるで中上だ。いや中上がまるで南米だ。はは。あったりまえのことを今更。

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2017/05/05

読み終えた後も、密林に降る雨、むせる木々の匂い、ボートの船底を打つ水の音、湿気と水蒸気に満ちた熱く重い大気、ぬるい川水の肌触りが折にふれ脳裏にフラッシュバックし、それを確かめるためにまたこの本に手を伸ばす。そんな本。 切望に駆られ生きる男達と、運命に翻弄されながらも実は逞しい女達...

読み終えた後も、密林に降る雨、むせる木々の匂い、ボートの船底を打つ水の音、湿気と水蒸気に満ちた熱く重い大気、ぬるい川水の肌触りが折にふれ脳裏にフラッシュバックし、それを確かめるためにまたこの本に手を伸ばす。そんな本。 切望に駆られ生きる男達と、運命に翻弄されながらも実は逞しい女達。長い川旅の途上で語られるフシーアの昔語りに、数十年前のシーンが交錯し、時間と距離を超えて場面がループを続けるうちに読み手が真実を知って行くところは映画を見ているようだ。

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2016/03/28

緑の家 上 バルガス・リョサ まずは上巻。おもしろい。まさにラテンアメリカ文学。視点も時間軸も次々と変転して話の筋を整理するのも大変で読みにくいったらないのだけど、それでも読み進める面白さが勝る。これは下巻も期待できそう。 4

Posted byブクログ

2016/02/10

全編に、むっとする湿気と密林の臭いが立ち込めている。5つの異なった物語が同時平行的に進行するが、読み進むに従って関連性が見えてくる。 濃密で豊穣。鮮やかな色彩に翻弄ああれるうち、あっという間に読み進んでしまう。読書の醍醐味が味わえる作品。 (2016.2)

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2015/10/20

ペルーにいくので。不思議な小説だ。映画でよく使われる、現在の映像に過去の会話がオーバーラップするような手法が文章で使われているので、注意深く読んでいく必要がある。出来事の断片と大勢の登場人物たちがどうつながっていくのか楽しみ。密林の気配がいい。

Posted byブクログ