卵をめぐる祖父の戦争 の商品レビュー
冒頭から好みの文章とオープニングで一気読み。 何よりコーリャが狂おしい程好き(笑) 第二次世界大戦下のレニングラード、 凄惨な戦争と陰鬱なスターリン圧政下(『チャイルド44』からの流れでこの辺もすんなり入れた)を背景に、コソ泥の少年と脱走兵の美青年兵士二人の卵探しと云う、なんと...
冒頭から好みの文章とオープニングで一気読み。 何よりコーリャが狂おしい程好き(笑) 第二次世界大戦下のレニングラード、 凄惨な戦争と陰鬱なスターリン圧政下(『チャイルド44』からの流れでこの辺もすんなり入れた)を背景に、コソ泥の少年と脱走兵の美青年兵士二人の卵探しと云う、なんともファンタジックな筋書き(会話はほぼ下ネタが多いですけど)少女狙撃兵・ヴィカも加わり、面白くない筈が無い。 へヴィな描写の連続ですが、 それをカヴァーするキャラクターの魅力が充分。 ああ、コーリャ…
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ポケット・ミステリのシリーズで出ているけれど、 れっきとした戦争小説。日本で習う歴史にはあまり 取り上げられない第二次大戦中のレニングラード 包囲戦。悲惨が極まったところにある滑稽さ、敵も 味方ものみつくす戦争の理不尽さ。もっと年齢がいって いるかと思った著者は、'70...
ポケット・ミステリのシリーズで出ているけれど、 れっきとした戦争小説。日本で習う歴史にはあまり 取り上げられない第二次大戦中のレニングラード 包囲戦。悲惨が極まったところにある滑稽さ、敵も 味方ものみつくす戦争の理不尽さ。もっと年齢がいって いるかと思った著者は、'70年生まれ。読み応えあり。
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戦争時代のロシア。 ドイツとの長い戦いが続いて食べ物もろくにない中 卵を探すために旅に出る男の子の物語。 戦争の凄惨な場面は時々出てくるけど 全体的に清々しい雰囲気があって。 コーリャの饒舌なトークがあるからだけど とても読みやすくて、面白いお話。 主人公のレフの普通っぽさが...
戦争時代のロシア。 ドイツとの長い戦いが続いて食べ物もろくにない中 卵を探すために旅に出る男の子の物語。 戦争の凄惨な場面は時々出てくるけど 全体的に清々しい雰囲気があって。 コーリャの饒舌なトークがあるからだけど とても読みやすくて、面白いお話。 主人公のレフの普通っぽさがいいです。 登場する女性ほとんどにドキドキしちゃうのは 10代の男の子ならではの楽しさ。 卵をゲットしてからの、悲しいラストには けっこウルッとしてしまいますけど、 最後の最後、ヴィカのセリフにニヤリ。 こういうのがいいのよねぇ。
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ナチスドイツ軍に包囲されたレニングラード。ちょっとした盗みをはたらいて連行された17歳のレフは大佐の娘の結婚式のために卵を探してくるように命じられる。卵どころか食べものも無い状況で、一体どこで卵が見つかるというのか・・・。戦時下の過酷な描写と、卵を探す2人の若者の下ネタ満載のやり...
ナチスドイツ軍に包囲されたレニングラード。ちょっとした盗みをはたらいて連行された17歳のレフは大佐の娘の結婚式のために卵を探してくるように命じられる。卵どころか食べものも無い状況で、一体どこで卵が見つかるというのか・・・。戦時下の過酷な描写と、卵を探す2人の若者の下ネタ満載のやりとりが、おかしくも、悲しい。
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見事な冒険小説。舞台はロシア、ドイツによるレニングラード攻防戦のまっただ中だけど、スタイルはイギリスの冒険小説の典型的なもの。てにあせにぎるスリルと、緊迫感。ラストの見事さにはグウノネモデナイ。やられたって感じだな。
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孫である著者が祖父の話を聞く...というノンフィクション風フィクション。 卵を探す1週間の冒険物語。 読み始めて数ページでこれは絶対おもしろいという確信がもてた本です。 戦争を題材にしたものだけに描写はかなりキツイ…でもあの時代は現実にあんな感じだったのでしょう(私が苦手なだけ...
孫である著者が祖父の話を聞く...というノンフィクション風フィクション。 卵を探す1週間の冒険物語。 読み始めて数ページでこれは絶対おもしろいという確信がもてた本です。 戦争を題材にしたものだけに描写はかなりキツイ…でもあの時代は現実にあんな感じだったのでしょう(私が苦手なだけです するすると読みすすめてしまったのは、主人公である当時17歳の祖父や相棒のコーリャをはじめ登場人物たちがとてもいきいきと描かれているからだと思います。 テンポもよく適度にドラマティックなあたりはさすが脚本家が書いた小説だなと感心してしまいました。
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おもしろいと聞いて内容を把握しないまま読み始める。ドイツ包囲下のレニングラードの寒さと悲惨さの描写と、饒舌に喋り続けるコーリャに辟易としながら、残りの頁数に己を励ましながら読み続け、ラストの50ページで突然、全てが昇華した。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
偏った読書遍歴を反省し、友人の薦めで読んだ本。 偶然にも、大学時代の翻訳の先生が訳していた。お元気そうで何より。 何というか、ストーリーが読めたというか、 最終的に(名前忘れたけど)パートナーが死んでしまうこともわかっていたし、 ある意味展開が読めた部分もあるんだけど、 そういった残念さを払拭するほどの、 エンターテイメント性、そしてエンターティメントに終わらせない、 数々のウィットに富んだエピソードに、中盤から後半は一気に読まされました。 いつも思うのだけど、良い小説って結局起承転結とか論理性とかどうでも良いのよ。どれだけ読ませたか、に尽きると思う。 何というか、非常にバランス感覚の良い作品。 作家も売れっ子らしいですね。 うらやましいです、このバランス感覚(笑)
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いつまでも余韻に浸っていたいと思わせる物語だ。 ナチスに包囲されたレニングラードを舞台に、主人公ベニオフと親友コーリャ、そしてパルチザンの少女ヴィカのすさまじい一週間を追った物語だ。 手に汗を握りながら貪るように読んだ。掛け値なしに面白かった。 そして親友というものについて考...
いつまでも余韻に浸っていたいと思わせる物語だ。 ナチスに包囲されたレニングラードを舞台に、主人公ベニオフと親友コーリャ、そしてパルチザンの少女ヴィカのすさまじい一週間を追った物語だ。 手に汗を握りながら貪るように読んだ。掛け値なしに面白かった。 そして親友というものについて考えた。 長く付き合っているから親友になるわけではないだろう。ともに過ごした時間によってではなく、ともに味わった経験や共感の深さによって結びつきを強くした友人こそ親友だ。 かく言う私にも、名前も覚えていないが、私にもそんな親友がいた。 大学3年の夏、初めての海外。初めての一人旅の途中で彼と出会った。テキサスからマイアミまでをグレイハウンドという低所得者しか乗らない長距離バスを乗り継いで、10日ほど一緒に過ごしただろうか。 怖い目にもあったし、楽しい目にもあった。 今でも時々、彼のことを思い出す。 そして、あの夏のことを。 何かを誰かと深く経験した人なら、この小説を熱い思いで読めるだろう。久々に得られた素晴らしい読書体験だった。
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翻訳が良いのかな。終始わくわくが止まらなかった。最初の章でネタバレがあるけど、それでも読んでしまうストーリーテラーのたくみさ。
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