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原稿零枚日記 の商品レビュー

3.7

126件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    37

  4. 2つ

    6

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    2

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2011/03/19

なんというか不思議な感じ。 まず主人公が不思議な女性。 混沌とした彼女の記憶と空想と夢の世界が、現実を語っているはずの日記をよくわからないものに歪めている。 私の中にも似たような混沌が巣くっているのかもしれない。 面白い話ではないのに、後を引くのはその混沌とした日常(?)の姿が...

なんというか不思議な感じ。 まず主人公が不思議な女性。 混沌とした彼女の記憶と空想と夢の世界が、現実を語っているはずの日記をよくわからないものに歪めている。 私の中にも似たような混沌が巣くっているのかもしれない。 面白い話ではないのに、後を引くのはその混沌とした日常(?)の姿が私の目に映っている姿を写実的に描いているからかもしれない。 整然と整理された姿をいろんな媒体から見せられているから、普段自分の五感も同じように世界を見ている気になっているだけで、本当はこの日記に近いのかもしれないと思った。

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2011/03/15

小川洋子的なパラレルパラボナパンガヤワールド!炸裂、小川節!さー、いざ進め温度のない世界へ! (嫌いではないですよ、念のため)

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2011/03/09

日常と非日常、リアルとファンタジーが入り混じる世界観にくらくらしながら読み終えました。でもいい「くらくら」だったのでまた迷い込んでみたいのです。

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2011/03/03

表題からは、小川さんのエッセイだろうと思って開くと、 全く違っていました。 原稿が進まない作家の主人公は、苔むす宿での奇妙な体験を したり、子なき相撲に出かけていったり、あらすじ教室で教えたり、 はたまた盆栽フェスティバルへ行ったり、一見、物静かそうな 印象を持ってしまったのだ...

表題からは、小川さんのエッセイだろうと思って開くと、 全く違っていました。 原稿が進まない作家の主人公は、苔むす宿での奇妙な体験を したり、子なき相撲に出かけていったり、あらすじ教室で教えたり、 はたまた盆栽フェスティバルへ行ったり、一見、物静かそうな 印象を持ってしまったのだけど、結構、行動派なんですよね。 小川さんならのではの緻密な描写には、圧倒されます。 怖いくらいに。 現実と幻想がどこかでリンクされていると思うところも あって、面白かったです。 非日常を日記形式小説で語れるなんて、小川さんは やっぱり卓越した技を持ってますね!

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2011/02/22

あらすじの名人である作家の私。原稿を書くために取材に向かった宿での不思議体験、盗作ニュースから想起される思い出せない有名作家との出会い。赤ちゃん・子供への執着・偏愛。荒らし業界。 作家の日記という現実よりの先入観を持って読みはじめるが、思い切りスカンと梯子を外される小説。 ファン...

あらすじの名人である作家の私。原稿を書くために取材に向かった宿での不思議体験、盗作ニュースから想起される思い出せない有名作家との出会い。赤ちゃん・子供への執着・偏愛。荒らし業界。 作家の日記という現実よりの先入観を持って読みはじめるが、思い切りスカンと梯子を外される小説。 ファンタジーの中で瞬間立ち上るリアルな哀しみや触感に心ざわめく。 週間ブックレビューのインタビューで零枚を書いているとおっしゃっていた感覚が読後よくわかった。 小川さんの作品の中では些か薄い印象。丹念に組み立てられた大作というより、ススッと描かれたスケッチ帖。その素描にも紛れもなく現れる作家さんの色。

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2011/02/16

何ですかね、やたらとウケを狙ってるような表現が出てきます。 あまりウケを狙うのは上手とは言えないので、その都度引っ掛かってしまいました。 最後の方でやっと落ち着くんですが。 いまひとつでした…。

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2011/02/13

小説じゃなくてエッセイ?なのかな‥ 長編小説に行き詰まった日々、身近な出来事や旅行記、ちょっとしこだわりや妄想。 仕事の取材で山中の宿に泊まり、散歩していたら、苔料理専門店という店に行き当たり、旅館とは同系列なので問題ないと言われてご馳走になる。 苔‥ 子供時代に住んでいた思い出...

小説じゃなくてエッセイ?なのかな‥ 長編小説に行き詰まった日々、身近な出来事や旅行記、ちょっとしこだわりや妄想。 仕事の取材で山中の宿に泊まり、散歩していたら、苔料理専門店という店に行き当たり、旅館とは同系列なので問題ないと言われてご馳走になる。 苔‥ 子供時代に住んでいた思い出の家について取材されて話をする。 間取りを描くが、どうしても書き足りず、紙を足しても足してもまだ描けていないスペースが?! 近所の小学校の運動会に紛れ込む。 児童の家族のような顔をして‥ 目立たないようにしていたのに、借り物競走に引っ張り込まれてしまう。 他に同類がいると見定める。 これに似たタイプだが少し違うものにパーティー荒らしがいる。自分は正規の招待客なのだが目立ちたくないので、係員かというような地味な格好で出かける。パーティーに入り込んでがつがつとバイキング料理を取っている人を見かけ、まだまだだなと思いつつ、かばってあげたり。 ‥事実もあるんだろうけど、とてもじゃないけど、事実の方が多いとは思えない。 ほとんど短編小説なので。長篇だけが書けなかった時期なのかな? つやつやと深みのある文体。 まるごと小説家という印象でした。 母親が入院しているので、通っているという状態はちょっと身につまされる。 だんだん話せなくなる母は、少しずつ声をあの世に先送りにしたのではないかと。 わかる気がします。 2009年1月から2010年4月「すばる」に連載が初出。10年8月発行。

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2011/01/29
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本屋に平積みされてて装丁が良かったので借りる。何つーか、ストーリーもあってないような不思議な話。苔を食べて爪が苔色になっただの、近所の運動会に忍び込むだの、赤ちゃんの泣き相撲だの。何かでも、ちょっと笑えたりして面白かった。ちょっと精神を病んだ人の話なんじゃないかと思う。入院中の母と高級な靴を買いに行ったつもりになるとか。何か子供への執着とか、自分も近いものがあるんじゃないかとちょっと怖い。

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2011/01/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

エッセイじゃないんだよね。 独特なワールドの広がり、深み・・・。 面白かった。 『苔料理専門店』のお話から。 『あらすじ教室』 『カワウソの肉球』 『子宮風呂』 etc. やっぱり、阪神でてきた。 赤ちゃんの頃や、子ども時代。 弟や、おかあさま、おばぁちゃまのエピソードにも触れる。 ほんわかして、油断していると。 「ふと」 死の世界と、いうか。 残酷なもの、が、目前をよぎる。 こんな中で、生きているのよぉ。 って、ささやかれているみたい。

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2011/01/17

不思議な小川ワールド。このビミョーな立ち位置。平凡な日常生活に潜む異次元の世界。全部ではないけど、納得出来てしまうのは、やはりすごい。 ″素寒貧な心の会″に入会は出来ないのでしょうか?

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