歯と爪 の商品レビュー
二つの物語が交互に語られていて、やがて繋がっていって最後にあっといわせる結末がある。サスペンス、ミステリファンなら一読すべき一冊。
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結末部を袋とじにして破らなければ返金を謳う、販促の仕掛けで有名なサスペンス。正直、今の読者をこの結末で驚かせることができるとは思わないが、巻末の解説にもあるようにそこの部分に拘りすぎると、却って本作の美質が見えないことになるだろう。ニューヨークを舞台にしたリュウとタリーの、束の間...
結末部を袋とじにして破らなければ返金を謳う、販促の仕掛けで有名なサスペンス。正直、今の読者をこの結末で驚かせることができるとは思わないが、巻末の解説にもあるようにそこの部分に拘りすぎると、却って本作の美質が見えないことになるだろう。ニューヨークを舞台にしたリュウとタリーの、束の間のラブロマンスはまさに古き良き。
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どんでん返しを期待しすぎはよくない。 この本は悪くない。少し間違った売り出し方が悪い。 トリック自体は少し使いまわされたもの感は否めないが、当時からすると斬新、むしろこの本が元祖みたいなところがあるのかも。 個人的に良かったのは主人公が奇術師で、その職業が何を大切にしているの...
どんでん返しを期待しすぎはよくない。 この本は悪くない。少し間違った売り出し方が悪い。 トリック自体は少し使いまわされたもの感は否めないが、当時からすると斬新、むしろこの本が元祖みたいなところがあるのかも。 個人的に良かったのは主人公が奇術師で、その職業が何を大切にしているのかを綺麗にまとめてたこと。 普通のミステリで、終わり方が良いっていう売り出し方なら星も4だと思う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
子供の時に書店で袋とじの文庫本を見てタイトルを記憶していたので読んでみた。カットバックの構成もきれいに整理されていて読み易かったし、ジーンとくる話でかなり気に入った。関連が伏せられた2つの話が一気に繋がる「歯」の言及の直前になっている袋とじの位置が絶妙。プロローグの最後の3行、特に第二第三は比喩的でそうとも言えないところがあり微妙。あとがきの通り意外な展開を強調した売り出し方はこの作品の本当の良さからずれている。殺人による復讐ではなくトリックで自業自得の裁きを与えた天晴れな話。本作の直前に読んだミステリ「幻の女」で主人公に同情できなかったのと間逆で、大都会の夜の世界で慎ましく生きる健気な若夫婦に感情移入してしまい、フィラデルフィアに行く前に真相を打ち明けて回避すればよかったのに、と願ってしまったほど。騙された伯父さんや二度亡くなっても身元不詳のレディック等傍の話がかなり悲しい。逆に「犯罪者の社会でエリートであり貴族」な詐欺師が贋札でびくびく豪遊するのが笑えた(主人公曰くいい気味)。24章(リュウのその後)と25章(独房の独白)は時系列や読後感の面で逆の並びがよかったのでは。リュウの侘しい境遇の中に汽笛が聞こえるラストは、過去との訣別やどことなく希望と再生を感じ、この際蒸発したままではなく家族や祭りに連れて行ってくれた近所の人たちにとりあえずの無事を伝えて謝ってから新しい人生をやり直してほしいと思った。あれほど怒涛の捜査が出来るなら刑事か探偵に転職しないと勿体ない! 「郵便配達は二度ベルを鳴らす」を読んだときの作者ケインに感じたのような、弱者への優しさや温かい眼差しのようなものを感じる。ちょうど同作品のヒロインの出身地=あまり作家が出そうにないアイオワ州出身で、後年も大学で創作を教える准教授や米国推理作家協会の副会長など控え目な良い人だったのかな。他の作品も読んでみたくなったし、自分で創作はしないけどこの人の講義受けてみたかったと思う。
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面白いなあ、そして味わい深い。 この作品から派生した類似作品が多いため、現代で読むと衝撃の展開!とまではいかないものの、叙述トリックものの名作中の名作である。
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とあるマジシャンの復讐劇を描いたサスペンス。 その復讐がマジシャンらしいやり方で思わず「なるほど!」と唸ってしまう。 袋綴じになった箇所があるがあまりどんでん返しは期待しないほうがいい。 それでも買った人はぜひとも返品などせず、最後まで読みきってほしい。あなたも唸ること間違いなし...
とあるマジシャンの復讐劇を描いたサスペンス。 その復讐がマジシャンらしいやり方で思わず「なるほど!」と唸ってしまう。 袋綴じになった箇所があるがあまりどんでん返しは期待しないほうがいい。 それでも買った人はぜひとも返品などせず、最後まで読みきってほしい。あなたも唸ること間違いなし。
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ミステリというよりサスペンスか。 どんでん返しを期待しすぎたけど、どうも間違った読み方だったらしい。 復讐に至る経緯を主に読むべきだった。
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北森鴻さんの小説の解説に紹介されてたので、読んでみた。欲しい緊張感が良かった。 予想外のストーリー展開!…という事だけど…残念ながらストーリー展開は想定の範囲内だった。出来ればもう一捻り欲しい所だけど…1955年の作品なので、そこは仕方ないかな。
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つながる、と言う言葉がぴったりハマる小説。 一体これは誰で、何が目的で、そして何が起こったんだ?誰なんだ?誰なんだ?誰なんだ?… と、終始楽しめるはずです。あらすじを読まなければ。 あらすじを読まなければ。あらすじを読まなければ。あらすじを読まなければ。…
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これが噂の袋とじ!止められる訳ねえ! とはいえ袋とじに入る直前でどんでん返し部分が来ており、袋とじ以降は言わば真相編である。個人的にはどんでん前に袋とじが来た方が良いのでは?とも思ったが、1977年当時だと、このあたりまでのストーリーで「ま、こんなもんか」と返金に走る読者が多いと踏んだのではないか。
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