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歯と爪 の商品レビュー

3.5

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

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2016/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

サスペンス小説の古典。『結末が袋とじになっていて、封を切らずに版元に送り返すと、返金される』というのが話題になった。 一見、異なるように見えるふたつの内容が最後にひとつに纏まって行く、サスペンスものでは定番の構成。事件発生〜真相までを明らかにするパートと、その裁判のパートが交互に語られる。真相という意味では『たぶんこれだろうな』という予想は外れなかったので、どんでん返し的な驚きは少ないのだが、展開の上手さで引き込まれた。 下世話な興味だが、封を切らないまま版元に送り返した読者は、これまでに何人ぐらいいたのかが気になるw

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2016/01/04

最後まで読んで、「その女アレックス」に似ていると感じた。書かれた時期を考えると、「その女アレックス」の方がこの作品に似ているのだけれど。 奇術師夫婦の出会いからの物語と、裁判の様子とが交互に語られ、一見何のつながりもないように見えるこの二つの話がどうリンクのするだろうか、と興味を...

最後まで読んで、「その女アレックス」に似ていると感じた。書かれた時期を考えると、「その女アレックス」の方がこの作品に似ているのだけれど。 奇術師夫婦の出会いからの物語と、裁判の様子とが交互に語られ、一見何のつながりもないように見えるこの二つの話がどうリンクのするだろうか、と興味をそそられる。 さらに、袋綴じの存在が、どんな凄いどんでん返しを用意しているのだろう、という期待をいやが上でも盛り上げる。 期待を持ちすぎると、拍子抜けする。 真相は、凄いどんでん返しではなく、一見何の関係もないような話をうまく結びつけたものだ。 しかし、こんな方法で、本当に主人公は復讐を果たせると思ったのだろうか?

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2015/11/29
  • ネタバレ

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ネットで見かけて。 最初から「ノーウッドの建築業者」と同じだろうなと思っていたので、 最大の謎は「そして、第三に彼は、その謀略工作の中で自分も殺されたのである。」という点だったのに、 予想外の落ちで納得いかなかった。 最初の恋物語のところは良かったんだけど。

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2015/04/24
  • ネタバレ

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テレビでミステリーを見ているよりも、本で読んでいる間じゅう恐怖でした。 先がどうなるのかわからない怖さと、主人公のリュウのどこかドライな性格か怖さを増します。 リュウの行動と、裁判の進んでいく様子が並行している進み方もドキドキ感を増しました。

Posted byブクログ

2015/02/08

Amazonの欲しいものリストに入ったままでしたが、ようやく購入に至りました。 アイシャム・レディックが殺害された事件の審理は混迷を極めていた。 被害者の死体は見つからず、残されていたのは焼け焦げた人間の義歯や右中指の先など若干の状況証拠のみ。 関わりを持った人々の証言からは、...

Amazonの欲しいものリストに入ったままでしたが、ようやく購入に至りました。 アイシャム・レディックが殺害された事件の審理は混迷を極めていた。 被害者の死体は見つからず、残されていたのは焼け焦げた人間の義歯や右中指の先など若干の状況証拠のみ。 関わりを持った人々の証言からは、被害者の加害者に対する脅迫の疑惑と唐突によくなった暮らしぶりが少しずつ明らかになってきていた。 以下の文章は、本書の冒頭の抜粋です。 「…彼は、これらの名人すら試みなかったような一大記述をやってのけた。まず第一に彼は、ある犯人に対して復讐をなしとげた。第二に彼は殺人を犯した。そして第三に彼は、その謀略工作のなかで自分も殺されたのである。」 真相はぜひその目で確かめてほしい。 本書の特徴は、何と言っても257頁以降に施された袋綴じですね。 そこまで読んで、真相を知りたい、袋綴じを開けたい、と思えなければ全額を請け負うという保証付きで販売しているのです。 当然読まずにいられるようなクオリティではないので、迷いなく袋綴じを開けましたとも。 まさに驚嘆の一言に尽きます。 巧みなストーリー構成と情感溢れる文章にあっという間に引き込まれ、一気読みです。 若き奇術師が人生をかけて挑んだ、一世一代の一大記述をとくとご覧あれ。

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2014/08/28

誰が彼を殺したのか、 誰が殺されたのか、 なぜ彼を殺したのか、 一体誰が殺されたのか、 という読み方より二つの並行して流れる物語が 徐々に重なり一つになる瞬間を楽しむ。 袋とじ(&返金システム)にあまりこだわらず 演出の一つとして読むのがいいかも。

Posted byブクログ

2013/06/20

二つのストーリーが同時に進められ、ストーリーが一つになった時が、面白い。ただ、どんでん返しと評価されてたが、途中で結末が予想できた。 読みやすい。◯

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2012/11/24

犯人は最初からわかってるはずなのに、いったいだれが殺人を犯してだれが殺されたのかまったくわからない面白いトリック!エンタメとして上質な小説だった。

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2013/04/23
  • ネタバレ

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法廷で進む運転手アイシャム・レディック殺害事件の審理。雇い主の屋敷の地下室の焼却炉で歯と爪を残して焼かれた遺体。罪体のない事件の審理。裁かれるのは誰か? マジシャンのリュウ・マウンテンがホテルの前で出会った女性タリー。小さく重い革の鞄を持つ彼女。無一文の彼女を助けるリュウ。彼女を助手として雇い結婚するリュウ。タリーの語る彼女の過去。彼女の叔父ウィル・ショウの銅板の腕を買い偽札の原版を作らせたグリーンリーフと名乗る男。原版を持つタリー。何者かに殺害されたタリーと奪われた原版。犯人であるグリーンリーフを探すリュウ。

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2011/12/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前々から気になっていた、伝説(?)の袋とじ本『歯と爪』。ようやく読めた! しかしトリックは読んでいるうちに、大体予想がついてしまった。なので、むしろ前半は主人公とヒロインのロマンスものとして読み、後半はサスペンスものとして読んだといったほうがいいかもしれない。 前半、主人公達が出会って話が進んでいく場面は、都会的な洒落た会話と軽妙なユーモアが、読んでいて「洗練されているなぁ」と思った。 ただの伏線張りに終始せず、こういう細かい部分で飽きさせない文章は、やはり好感が持てる。ただの「驚きのトリック!」というだけでは、読者はついて来てくれない。 対してヒロインが死んでしまう展開には、少々性急過ぎやしないかとも思った。それに、復讐場面も行き当たりばったりで、ご都合主義的な部分がなきにしもあらず。それが読んでいて少し気になった。 とはいえ、最後の締めはとてもよかった。余韻がいつまでも洞窟の中で反響して消えないようなラスト、この最後の部分があってこそ、この本は驚愕の袋とじ本足りうるのではないか、と思う。

Posted byブクログ