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砂漠 の商品レビュー

4.1

1314件のお客様レビュー

  1. 5つ

    421

  2. 4つ

    493

  3. 3つ

    241

  4. 2つ

    37

  5. 1つ

    8

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2022/08/29

西嶋嫌いになるやつおる?みんなこの人が好きになる。英題a campus life. 大学生になりたい高校生に読んでもらいたい。

Posted byブクログ

2022/08/16

伊坂版青春ストーリー。 5人の大学生男女の、春夏秋冬あれやこれやを描いたお話なのですが、いやぁ楽しい時間でした。 基本的に冷めたスタンスで鳥瞰型の主人公・北村、お調子者の鳥井、一見控えめですが実は超能力が使えて(!)麻雀も強い南、クールな超絶美人の東堂。そして、ぶっちぎりのクセ...

伊坂版青春ストーリー。 5人の大学生男女の、春夏秋冬あれやこれやを描いたお話なのですが、いやぁ楽しい時間でした。 基本的に冷めたスタンスで鳥瞰型の主人公・北村、お調子者の鳥井、一見控えめですが実は超能力が使えて(!)麻雀も強い南、クールな超絶美人の東堂。そして、ぶっちぎりのクセの強さで我が道を行く西嶋。 この個性豊かで魅力的なキャラ達と共に、生産性はまるでないけれど、宝物のような時を過ごせたような気持にさせて頂きました。 愉快な事ばかりではなく、通り魔に遭遇したり、犯罪グループに関わる羽目になったりと、物騒なエピソードもあり、何よりメンバーの一人がとんでもない悲劇に見舞われた時は唖然となりましたが、そういう事も含めつつ、とりあえず麻雀をしつつ、伊坂さんらしい名言や伏線も張らせつつ、でもってとにかく麻雀をしつつ(ええ、ホンマに麻雀ばかりしてるんです)、話はサラサラと展開していきます。 個人的には“シェパード”のくだりが堪らなく好きで、「動物管理センター」のHPで保護期間が切れて処分対象になっているシェパード犬を見てやりきれない気分になっていた北村の前に、翌日なぜか件のシェパードを連れた西嶋が登場した時は(さらにそれを東堂さんに押し付けにいく)、“にwしwじwまwナイス!!”と拍手しそうになりました。 というわけで、社会という“砂漠”に放り込まれる前の、尊い季節を堪能させて頂きました。読後感も爽やかで良き良きです~。

Posted byブクログ

2022/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

西嶋!!カッコいいぞ!!でも実在したらめんどくさそうだから俯瞰がちょうどいい。 麻雀はかるーく手を出した程度なので、基本字牌は切っていたけれど、これから中切りずらくなりそう。西嶋にロンされるし。

Posted byブクログ

2022/06/25

友人から面白いよ、と勧められた伊坂幸太郎の「砂漠」を読んでいました。 ・・・あらすじを書こうと思ったのですが、彼らの麻雀をしたり、面白いところに突っ込んでいく大学生活を順番に追って行っても、この本の魅力は全然伝わらないな、と思うので今回はなし。 主人公は北村という男で、国立大学...

友人から面白いよ、と勧められた伊坂幸太郎の「砂漠」を読んでいました。 ・・・あらすじを書こうと思ったのですが、彼らの麻雀をしたり、面白いところに突っ込んでいく大学生活を順番に追って行っても、この本の魅力は全然伝わらないな、と思うので今回はなし。 主人公は北村という男で、国立大学の法学部に入学した。彼はどこか冷めたところがあって、周りの行動を冷静に見ていた。そんな彼は、学部の歓迎会でギャハハと笑う鳥井、スプーン曲げができる南、クールビューティー東堂、そして遅れ馳せて空気を読まない平和の演説をかました西嶋と出会う。彼らとの日々はくだらなく、でもドラマチックで、北村は少しずつ変わっていく。そんな彼らの大学生活を描いた本でした。 この本は、なんといっても、西嶋がかっこいい。彼はカッコよくないけれど、堂々としていて、臆しない。 言ったことはやるけれど、べつにカッコよくはない。 けれど、それがすごくいい。 目の前に困っている人がいたら、助けるけれど、それだったら全部の人を助けないと偽善じゃないか・・・なんて考えない。それは目の前に困っている人を助けない理由にはならないのだ。 彼の言葉には嘘がなくて、まっすぐで前進あるのみなのだけど、その生き様はヒーローのようでした。 小ネタがちりばめられていてそれを回収するのも飽きさせない構成になっていました。 彼らの青春をどっぷりと味合わせてもらえて、満足でした。 「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」 という言葉が出てくるのですが、サン=テグジュペリからだと思うのですが、 この小説にぴったりな締めくくりと感じました。面白かったです。

Posted byブクログ

2022/06/21

大学生必読。働き出した俺はもう大学生活には戻れない、しかし、あの頃は良かったなんていうようにはならないと決めた。西嶋は素晴らしい

Posted byブクログ

2022/06/09

「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」(18ページ) 「結局さ、いざという時にはやる、なんて豪語している人は、いざという時が来てもやらない。西嶋はそれに比べて、どんなことも真剣勝負なんだよ、たぶん。言い訳しないで、逃げずに、克服しようとする」(6...

「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」(18ページ) 「結局さ、いざという時にはやる、なんて豪語している人は、いざという時が来てもやらない。西嶋はそれに比べて、どんなことも真剣勝負なんだよ、たぶん。言い訳しないで、逃げずに、克服しようとする」(68ページ) 「そうやって、賢いフリして、何が楽しいんですか。この国の大半の人間たちはね、馬鹿を見ることを恐れて、何もしないじゃないですか。馬鹿を見ることを死ぬほど恐れてる、馬鹿ばっかりですよ」(108ページ) 「目の前の人間を救えない人が、もっとでかいことで助けられるわけないじゃないですか。歴史なんて糞食らえですよ。目の前の危機を救えばいいじゃないですか。今、目の前で泣いている人を救えない人間がね、明日、世界を救えるわけがないんですよ」(110ページ) 強靭さとは、自信や力や技などよりも、そういった穏やかさに宿るのかもしれない、(172ページ) インターネットで意見を発信している人々もね、大新聞で偉そうな記事を書いている人だって、テレビ番組を作っている人や小説家だってね、やろうと思えば、本心が届くと過信しているんですよ。今は、本気を出していないだけで、その気になれば、理解を得られるはずだってね。でもね、三島由紀夫に無理だったのに、腹を切る覚悟でも声が届かないのに、あんなところで拡声器で叫んでも、難しいんですよ」(261ページ) 「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ」(533ページ) 「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」(534ページ)

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2022/06/09

大学生の主人公と愉快な仲間たちの物語。合コンしたり、恋したり、麻雀したり。時には事件巻き込まれたり。登場人物の個性が光る、日常の中に起こる非日常を描いた青春物語。 主人公が僕と同じく、法学部で鳥瞰型の人間だからとても共感できた。主人公が彼女を作るまでは。だから、僕も死ぬ気で彼女...

大学生の主人公と愉快な仲間たちの物語。合コンしたり、恋したり、麻雀したり。時には事件巻き込まれたり。登場人物の個性が光る、日常の中に起こる非日常を描いた青春物語。 主人公が僕と同じく、法学部で鳥瞰型の人間だからとても共感できた。主人公が彼女を作るまでは。だから、僕も死ぬ気で彼女を作る。 『なんてことはまるでない。』

Posted byブクログ

2022/05/26

青春映画を見てるように情景が浮かび、楽しくたまにドキドキしながら読めました! さすが伊坂幸太郎!面白かったです! それぞれのキャラクターにも愛着が湧き、読み終わったあとも続きがあればいいなと思うほどでした。特に西嶋は最高!好きになりました!

Posted byブクログ

2022/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

英語のサブタイトルは「a campus life」。 大学生というのは、大人でも子供でもない不思議な世代だ。 『砂漠』 伊坂幸太郎 (新潮文庫) 大学生活=オアシス、社会=砂漠なのだという。 社会に出たら出たで楽しいこともあるし、生きがいややりがいもそれなりにあるだろうし、経済力も手に入るし、そう悪いものではないと思うのだが、社会は無味乾燥な砂漠だと言い切っているところが、まさに青春小説だ。 国立大学の法学部に入学した「僕」こと北村が語り手である。 周りを冷めた目で俯瞰する“鳥瞰型”の彼が語るせいか、かなり体温低めな青春小説になっていて、そこが何となく面白い。 友人たちも、ひと癖もふた癖もある人物ばかりだ。 アメリカのトップに怒り、日本の若者に憤っているという西嶋。 無表情な美人、東堂。 超能力が使える南。 ブルジョアの鳥井。 どことなく昔の大学生の雰囲気を漂わせつつ、彼ら五人の学生生活を、春夏秋冬のそれぞれに起こった出来事を軸に、アルバムを開くように見ることができる。 読み手も、彼らとともに卒業までを過ごしたような気持ちになる青春グラフィティだ。 解説の吉田伸子さんは、西嶋がかっこいいと言っているが、かっこいいかどうかはともかく、突き抜けたすごい人物ではある。 西嶋は奇妙な丁寧語でしゃべり、ところ構わず演説をぶち、周りの空気も読まず突拍子もない行動に出る。 はた迷惑ではあるけれど、他の四人は彼を全面的に認めている。 「西嶋は臆さない」 「恰好悪いけど堂々としている」 「西嶋には涯てがない」 「西嶋を見てると何でもできる気がする」 語りは非常に淡々としているものの、結構大きな事件が彼らの上にふりかかる。 女子大生とホストに騙されて大金をふんだくられそうになったり、空き巣事件に首を突っ込んで事故に遭い、鳥井が腕を切断する大怪我をしたりもするのだ。 麻雀をし、バイトをし、保護期限の切れる捨て犬を引き取る。 意味のあるなしに関わらず、彼らは常に何かをしていて、そこがとてもいい。 口ばっかり達者で頭でっかちで、何をやっても失敗ばかりで、それでもめげずにとりあえず何かをしている。 それは結構、人生には大事なことかもしれない。 卒業式での学長の言葉がよかった。 「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ」 鳥井がボクシングを始めたことに私は一番感動した。 鳥瞰型だったはずの北村が、少しずつ地面に近づいている、というのも微笑ましくて好きだ。 絶体絶命のピンチに白のセドリックが宙を飛んだところも、さすが伊坂幸太郎という感じで、大好きなシーンだ。 途中で、“四年間”のカラクリに気付いたとき、そして最後の一行、「なんてことはまるでない、はずだ。」という一言が、今読み終えたばかりのこの物語のすべてを肯定している、と気付いたとき、作者にまんまとしてやられた!と思った。 独特な存在感のある青春小説だった。

Posted byブクログ

2022/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

原点にして頂点。 小説の良さを全て詰め込んだ作品だと思う。伊坂幸太郎特有のユーモアのある会話。その中にある鳥居のシリアスな場面。 西嶋がとにかくいい味を出している!! 伏線回収といい、青春、恋愛。全てが最高!! P110 今、目の前で泣いている人を救えない人間がね、明日、世界を救えるわけがないんですよ。 P466 思い出は作るものじゃなくて、勝手に、なるものなんだよ。 P494 人間とは、自分とは関係の無い不幸な出来事に、くよくよすることですよ。 P534 人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである。

Posted byブクログ