トリプルメディアマーケティング の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
広告が「送り手主導」から「受けて主導」に変化した時代におけるCRM戦略論。 メディアを3つに分類した上で、それぞれの特徴を明確化。 中でも「自社サイト」は、見込客が「買う理由」を求めて来るPULL型メディアであり、 広告の投資対効果を測定する上でも重要な、コア・メディアという主張は新鮮。 ■「送り手主導」→「受けて主導」を踏まえた広告スタイルの変化 従来、TV広告や新聞広告は、その瞬間を逃すと再接触することが難しい、 希少性の高いものであったため、顧客は常に高い関心を払わざるを得なかった。 (「送り手主導」の時代) こうした時代の広告は、顧客と接触できる短時間にいかに買う理由を訴求するかであり、 商品をある一点に「尖らせる」、内容の絞込みが求められていた。 (プロダクトコーン理論:商品規格>ベネフィット>エッセンスの順に昇華) しかし、インターネットやHDDレコーダーの普及により、 「その瞬間」を逃しても自分が好きな時に再接触が可能となり、 従来広告に対する関心は、往時に比べ著しく低下している。 (「受けて主導」の時代) また、広告の内容も、様々な文脈から再接触してくる顧客を幅広く受け止め、 顧客自身に買う理由を「発見」してもらうスタイルへの変化を余儀なくされている。 (スプレー理論:体験価値>ベネフィット>商品規格の順にドリルダウン) ■3つのメディアにおける特徴と活用のポイントと課題 現在使われているメディアは、大きく次の3つに分類される。 ①Paid Media:TV/新聞/ネット広告 等(購入するメディア) ②Owned Media:自社サイト/店舗、会員組織 等(自社で所有するメディア) ③Earned Media:SNS、掲示板、TV報道、新聞記事 等(評判を得るメディア) ①は広く一般層に訴求することが可能であるが、極めて高価なメディア。 役割としては、一般層を②や③に送り込み、見込客化させること。 ②は自社のコントロール範囲が広く、連続性も確保できる「ストック型」メディア。 役割としては、より深いコミュニケーションで見込客を顧客に転化したり、 (潜在)顧客のロイヤリティーを強化すること。 また、広告の投資対効果を計測する場としても有用。 ③は基本的に自社でコントロール不能。一方、インターネット(特にSNS)普及に伴い、 消費行動に対する影響力を増しているメディア。 役割としては、顧客の消費行動における「最後の一押し」。 ①~③が相互に独立していては効果は激減。これらを如何に組み合わせ、 広告の効果(商品・サービスの消費)を最大化するかがポイント。 これを推進する上での大きな課題は次の2点。 まず、①②を③フレンドリーな内容にすること。 ③は自社でのコントロールが難しいが、①②を通じてある程度の「誘導」は可能。 (富士重工業のmixiアプリ「Love Drive」) 次に、①~③を相互連関させるための社内のリソース集約。 現実には、営業部門(①)、営業/システム部門(②)、広報部門(③)に、 役割がまたがり、一気通貫の体制を取れていないケースが往々にあり。 また、こうした対応をマネージできる人材を計画的に育成する態勢も必要。
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買うメディア(マス広告・ネット広告など)、所有するメディア(自社WEBサイト・店頭POP・商品パッケージなど)、評判を得るメディア(ソーシャルメディア)の3つのメディアの連携による新しいマーケティング戦略の重要性や事例が紹介されている。難解な部分もあったが、新しい時代のマーケティ...
買うメディア(マス広告・ネット広告など)、所有するメディア(自社WEBサイト・店頭POP・商品パッケージなど)、評判を得るメディア(ソーシャルメディア)の3つのメディアの連携による新しいマーケティング戦略の重要性や事例が紹介されている。難解な部分もあったが、新しい時代のマーケティングの道標を知る意味で大変参考になった。
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半年ぶりに再読。買うメディア(広告など)、所有するメディア(HPなど)「信頼や評判を得るメディア」(ソーシャルメディア、口コミなど)という考え方は、今後のマーケティングを考える上で重要だし、とっても参考になる。それから、いかに他人事化ではなく、社会事化、仲間事化、自分事化するかと...
半年ぶりに再読。買うメディア(広告など)、所有するメディア(HPなど)「信頼や評判を得るメディア」(ソーシャルメディア、口コミなど)という考え方は、今後のマーケティングを考える上で重要だし、とっても参考になる。それから、いかに他人事化ではなく、社会事化、仲間事化、自分事化するかという考え方も勉強になった。とはいえ、横文字の専門用語が多く、よくわからない言葉がいっぱいあるのが難点で、中盤から終盤にかけて読み進めるのがかなり辛い・・・。
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いかにお客さんを楽しませるか?という視点で、それぞれのメディアの特性を活かすこと。注意するべきは、それぞれの組み合わせ方の違いにより、同じコスト、労力をかけたとしても、得られる成果が全く変わってきている、とのこと。
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改めて、クロスメディアの基本を押さえつつ、うちの戦略に落とすなら?の視点で読む。ブランドコミュニティーを使えないか。ファン・シンパへの巻き込み。まずは、資産の整理。買う・所有する・信頼、評判を得るメディア の役割を割り当てたうえで、強化ポイントを探る。定性でも気になった「自分事化...
改めて、クロスメディアの基本を押さえつつ、うちの戦略に落とすなら?の視点で読む。ブランドコミュニティーを使えないか。ファン・シンパへの巻き込み。まずは、資産の整理。買う・所有する・信頼、評判を得るメディア の役割を割り当てたうえで、強化ポイントを探る。定性でも気になった「自分事化してもらう」は考えるポイント。 巻末の「メディア論の本質はテクノロジーをいかに使いこなすかということではなく、商品の社会的価値とメディアの役割、そこに乗せる情報文脈をいかに組み合わせるかということ。」はその通りだなと。目的あっての手段。まずは、そこを深堀りせねば。
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ソーシャルメディア時代の広告コミュニケーションの考え方についての一冊。 非常に実践的な内容で、 概念論で終わるような書籍ではないので、 結構、読み応えがあり、難解な部分もあります。 ただ、それだけ充実した中身になっていて、 メモ取りまくりました。 デスクにおいておいて、度々振...
ソーシャルメディア時代の広告コミュニケーションの考え方についての一冊。 非常に実践的な内容で、 概念論で終わるような書籍ではないので、 結構、読み応えがあり、難解な部分もあります。 ただ、それだけ充実した中身になっていて、 メモ取りまくりました。 デスクにおいておいて、度々振り返りながら、 じっくりと咀嚼していきたい一冊。
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マーケティングメディアを3つに大別し、事例を交えて解説。 1.買うメディア(Paid Media) 2.所有するメディア(Owned Media) 3.得るメディア(Earned Media)
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広告、自社サイト、ソーシャルメディアを連携すればいいという仕組みの話だけではない。消費者インサイトとインテグレーションを重視した次世代マーケティングの実件という課題がうまく説明された良書。
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プロモーションやマーケティングの過渡期、新しいメディアを知り、使いこなすことが重要なのではない。では何が重要か?答えは単純。顧客に対して当たり前のことを当たり前に実行すれば良いのだ。
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2010年のネットマーケティングについて語られている本。「ソーシャルメディアが重要」的な。単純なおまとめ本部。読んで損はない。ってカンジ。
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