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昭和16年夏の敗戦 の商品レビュー

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191件のお客様レビュー

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    51

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2026/04/18

NHKの特集ドラマとはかなり違う感じ 東條英機が首相就任直後は本気で開戦を避けようとしていた事情が強調されている

Posted byブクログ

2026/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

猪瀬直樹さんの「昭和16年夏の敗戦」を読了。テレビでは、総力戦研究所に集められた若手エリートたちが、自分たちの出身母体が持つできるだけ正確な情報と分析力を持って、ほぼ正確に太平洋戦争の敗戦をシミュレーションしたことに焦点が当たっていたが、この原作はもう少し守備範囲が広くて、開戦前夜の東条内閣発足の経緯や東京裁判にも触れている。戦後、マッカーサーが天皇の戦争責任を追求する事をしなかったところは、正直自分の中でよく分かっていなかったところだけど、未解決事件の下山事件や帝銀事件の背景を知るにつれ、中国、ソ連から来る赤化の波の最前線である朝鮮半島のバックヤードとして日本の安定化というのが急務であり、そのためには天皇の戦争責任など追求している場合ではなく、ある程度天皇中心の国体を維持しながら、戦争責任はシビリアンコントロールを欠いた軍部の暴走とするのが都合が良く、天皇陛下にただただ従順な東條英機という官僚が、事態の全てを呑み込んで、他の6人のA級戦犯たちと共に犠牲になったというシナリオが確かに説得力のあるもののような気がする。昭和という時代は、永山鉄山斬殺事件から始まって、226事件があって、消去法的に東條英機というどこまでも天皇に忠誠な官僚が総理大臣まで上り詰めるという事態を生んだ。東京裁判の顛末を見る限り、それも歴史の必然だったような気がする。もう少し、研究してみたい。

Posted byブクログ

2025/11/07

太平洋戦争開戦前に、当時30代だった各界のエリートたちを集めて作られた総力戦研究所という組織があった。そこで与えられた使命は日米戦の予測、その結果は日本必敗だった。緒戦は優勢だが、やがて石油などの資源が枯渇し、さらにそれを輸入するシーレーンが確保できず敗戦を迎えるというもので、実...

太平洋戦争開戦前に、当時30代だった各界のエリートたちを集めて作られた総力戦研究所という組織があった。そこで与えられた使命は日米戦の予測、その結果は日本必敗だった。緒戦は優勢だが、やがて石油などの資源が枯渇し、さらにそれを輸入するシーレーンが確保できず敗戦を迎えるというもので、実際の戦争の経過を正確に予想していた。しかし、その結論を政府は無視する。その時に少しでも耳を傾けていれば、と思うのは今さらだろうか。NHKスペシャル「シミュレーション」の原作だが、本は時間軸が前後して描かれているのでとても分かりにくい。NHKの番組の方がはるかに分かりやすく面白いのだが、総力戦研究所の所長の遺族から難癖をつけられたことが残念だった。

Posted byブクログ

2025/09/18

NHK「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦」を一緒に見た夫が、「なぜドラマ化すると余計な要素を付けたし、安直(で不正確)なストーリーにしてしまうのか、残念だ」と言っていたのが気になり、原作となる本を読んでみました。読み終わった結果、同感です。 前出のドラマに興味を持ったかたは、...

NHK「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦」を一緒に見た夫が、「なぜドラマ化すると余計な要素を付けたし、安直(で不正確)なストーリーにしてしまうのか、残念だ」と言っていたのが気になり、原作となる本を読んでみました。読み終わった結果、同感です。 前出のドラマに興味を持ったかたは、ぜひとも本書を読んでもらいたいです。本の主題はエリートたちの到達したシミュレーション結果やその結果のもたらした(あるいはもたらすことのできなかった)影響ではありません。もっと長期的で実際的な当時の日本という国の国際背景と国民・天皇・政治や軍統帥部の関係性を細かに描き出してくれている本です。ドラマでは、エリートたちが勇気と知性で完成させたシミュレーション結果があったにもかかわらず、開戦を推し進める軍部によって握りつぶされ、無謀な戦争が始まってしまった的な印象を持たせるものでしたが、本を読んでわかるのは、勝ち目のないことなど皆が認識していたことであり、誰も戦争をしたくなかったのに、現実には戦争が起こってしまった、これは不幸であるし本当に恐ろしいことだということです。できれば、戦後80年という節目に、より多くの人とこの恐ろしさを共有したいと思いました。

Posted byブクログ

2025/09/17

敗戦の原因論にフォーカスするなら、根本問題は総力戦研究所の悲劇ではなく、明らかに国家ガバナンスの欠陥。国務と統帥の二元化された政治機構では、かりに総力戦研究所に強力な判断権限を持たせたとしても、強制権が有名無実になること必至。それを匂わす陳述が、東京裁判での東條英機から発せられた...

敗戦の原因論にフォーカスするなら、根本問題は総力戦研究所の悲劇ではなく、明らかに国家ガバナンスの欠陥。国務と統帥の二元化された政治機構では、かりに総力戦研究所に強力な判断権限を持たせたとしても、強制権が有名無実になること必至。それを匂わす陳述が、東京裁判での東條英機から発せられたのは何とも皮肉。

Posted byブクログ

2025/08/25

良く取材をしたものであります、辰巳中将の提案から生まれた総戦力研究所の存在を世に知らしめた一冊であります、付録に付いている、猪瀬さんと石破さんの対談が面白い(2010年頃)、☆四つです

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2025/08/24

タイトルから気になる、昭和20年じゃなくて昭和16年夏の敗戦とは…。平均年齢30代前半のエリート達が集められた(内閣直属)総力戦研究所。そして彼らが出した日米戦必敗という結論。この研究成果を机上の空論だと突っぱね返した東條。戦争を行うために作り上げられていくデータ。一回決まったこ...

タイトルから気になる、昭和20年じゃなくて昭和16年夏の敗戦とは…。平均年齢30代前半のエリート達が集められた(内閣直属)総力戦研究所。そして彼らが出した日米戦必敗という結論。この研究成果を机上の空論だと突っぱね返した東條。戦争を行うために作り上げられていくデータ。一回決まったことに逆らえない流れの怖さ。勉強になることばかりでした。 個人的にとても気分が悪くなった場面は、戦後、東條英機の孫が先生から「戦犯の孫の担任にはならん」と言われたことだ。ここにも怖さがある。思い出したのは養老孟司が言ってた「戦争が終わった途端今まで教えられてきたものが全部ひっくりかえった。教科書は黒塗りだらけになった」と。

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2025/10/07

NHKのスペシャルドラマをみて、即、図書館でオンライン予約!(予約待ち3番目) ワクワク☺️ 巻末に石破さんと猪瀬さんの対談記録があった!

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2025/08/18

NHKスペシャル「シュミレーション」の原作ということで、並行して読んだ。初めて知ることが多く、とても刺激的だった。この総力戦研究所が発足した当時は、日独伊三国軍事同盟が結ばれたばかりで、インドシナにも進駐が開始され、国会では大政翼賛会が発足され、治安維持法も三度目の改悪がされ、一...

NHKスペシャル「シュミレーション」の原作ということで、並行して読んだ。初めて知ることが多く、とても刺激的だった。この総力戦研究所が発足した当時は、日独伊三国軍事同盟が結ばれたばかりで、インドシナにも進駐が開始され、国会では大政翼賛会が発足され、治安維持法も三度目の改悪がされ、一般市民まで簡単に拘束される時代に突入していた。そんな時に各界の精鋭を集めて、開戦した場合の趣味レーションをしていたとは。はたして彼らは自由に発言をすることに恐れはなかったのだろうか?自分たちの紡ぎ出した数字を、結果を、政府首脳に報告する時はもしかしたら命懸けではなかっただろうか。しかし、内閣も軍部も、心から戦争に勝てるという自信がなかったから、このような研究所を作ったのだろう。少しの可能性を求めて。だれかのお墨付きが欲しかったのだ。だから1941年11月5日の御前会議で、鈴木貞一の出したまやかしの石油貯蓄量を信じて、開戦を決定したのだった。

Posted byブクログ

2025/08/14

終戦記念日を前に猪瀬直樹著「昭和16年夏敗戦」読了。 巻末の猪瀬直樹さん石破茂さん対談にあるように、今こそ30代、40代の人が「擬似内閣」を作り、国家存亡の事態に一人一人の国民がどう現実を直視して対策を立てるのか、【数字】に基づくシミュレーションが必要との思いを強くした。 80...

終戦記念日を前に猪瀬直樹著「昭和16年夏敗戦」読了。 巻末の猪瀬直樹さん石破茂さん対談にあるように、今こそ30代、40代の人が「擬似内閣」を作り、国家存亡の事態に一人一人の国民がどう現実を直視して対策を立てるのか、【数字】に基づくシミュレーションが必要との思いを強くした。 80年前の終戦は決して遠い世界の話ではない。 昭和16年夏、総理大臣の指導下に、総力戦研究所が作られ、その後の日本統治機構を背負う若手エリートが集められた。 官僚機構、軍隊、報道機関、金融機関、出身組織の生データを参考に、 日本が対米戦争に参戦すると、緒戦は勝っても、数年で敗戦は避けられないことを結論付け、 昭和16年7月に、現実の東條英機総理ら国会リーダーに机上演習結果を突きつけた。 しかし、その現実に戦慄した東條総理も、方向転換は出来ず、机上演習の予想通り、敗戦の道を突き進むことになる。 歴史は繰り返す。 戦争遂行には、ロジスティックがキーになると有史以来繰り返されているにも関わらず、 結局多くの戦争は、戦略物資の確保に汲々として仕方ない敗退を余儀なくされている。 社会経済的に、いろいろな意味で岐路に立っている日本。 改めて、立ち止まって歴史について考えてみる時間が重要かもしれない。 そんなことを考えさせられた読書になりました。

Posted byブクログ