夏から夏へ の商品レビュー
ノンフィクションの小説です。 北京オリンピックの、銅メダルの時の話ではないですが、走る前の選手の緊張、走っているときの選手の気持ちが伝わってきて読んでいるだけで、こっちまで緊張してしまうような小説です。 陸上を知らない人にもお勧めです。
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大阪の世界陸上を走った、 男子100m×4(4継)の選手4名と控え選手1名の計5名を、 大阪世界陸上から北京オリンピックまでを追いかけたノンフィクション。 塚原選手、高平選手、末續選手、朝原選手、伊藤選手5名の それぞれの生い立ちや、今に至るまでのエピソード、練習方法、 競技に...
大阪の世界陸上を走った、 男子100m×4(4継)の選手4名と控え選手1名の計5名を、 大阪世界陸上から北京オリンピックまでを追いかけたノンフィクション。 塚原選手、高平選手、末續選手、朝原選手、伊藤選手5名の それぞれの生い立ちや、今に至るまでのエピソード、練習方法、 競技に対する思いやお互いへの思い…など、取材や会話の内容が紹介されています。 ご本人曰く「一瞬の風になれ」の取材期間(3〜4年!)を通して 陸上(トラック&フィールド)の虜になってしまったとのことですが、 彼女の陸上に対する気持ちがそのまま言葉に表現されている一冊だと思いました。 選手それぞれのインタビューがとても丁寧にされていて、 (佐藤さんの)競技そのものや選手たちに対する敬意にとても好感が持てます。 色々と感じることが有りましたが、 読みながらふと感じたのは、プライドと言う言葉。 作品中、この言葉が出てくることは殆どないのですが、 1つ上を目指すと言うことは、 様々な練習に挑戦し、合うものを取り入れ、合わないものを切り捨て、 言葉通り、正に「余分なものをそぎ落とし、自分の強みを研ぐ」 というような事の繰り返しなんだな、と改めて思いました。 その小さな事の積み重ねが山となり、そして実りとなる。 それが努力であり、自信となり、己を強くするんだな、と。 選手それぞれの話もまたとても興味深く、 特に、大阪世界陸上で控え選手だった小島選手のエピソードと、 朝原選手の小島選手に対する思いが心に響きました。 小島選手の気持ちは、同じ立場にならない限り、絶対わかり得ない。 一人の選手として、アスリートとして、当たり前に思うことが 彼の立場になったとき、果たしてどこまで気持ちを持って行くことが出来るか。 彼の思いと、彼の行動に対して「僕たちはそれを忘れちゃいけないんです」 と、言った朝原選手のコメントに思わず涙が出てしまいました。 「一瞬の風になれ」を読んだ際にも思ったことですが、 陸上は個人戦いでもあるけれど、団体競技なんだな、と。 また、実際数十秒の競技が、 ここまで細かく丁寧に、尚かつ臨場感ある描写をする佐藤さんに感嘆。 生で見ると(恐らく)あっという間に終わってしまう競技が、 言葉だけで、一瞬一瞬、ひとこまひとこまの映像をイメージできる表現力ってすごい。 私も「一瞬の風になれ」にかなり影響されましたが、 あの作品とはまた違う面白さがあります。 ノンフィクションだからかも分かりませんが、1つ1つの言葉をかみ締めて読んだ1冊。 300ページというそれほど厚くない1冊を読み終えるのに かなりの集中力とエネルギーを要した気がします。濃厚な1冊。 もう一度読みたい。 「一瞬の風になれ」も読み返したい。
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北京五輪の400M日本代表リレーチーム密着のノンフィクション。 「一瞬の風になれ」読了後だったので、選手名もよく知っているこちらを読むと、 ますますリアル。自分が走ったかのようにドキドキしてしまう。 アスリートの頭の良さ、言葉遣いのうまさなど、 「アスリート魂」ではくくれないとこ...
北京五輪の400M日本代表リレーチーム密着のノンフィクション。 「一瞬の風になれ」読了後だったので、選手名もよく知っているこちらを読むと、 ますますリアル。自分が走ったかのようにドキドキしてしまう。 アスリートの頭の良さ、言葉遣いのうまさなど、 「アスリート魂」ではくくれないところにも深く感心してしまう。 つぎに四継を見る機会が楽しみ。
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北京五輪で銅メダルを取った日本の4×100mリレーのメンバー5人をその前年の大阪で開催された世界陸上から北京オリンピック開催の直前までをレポートしたノンフィクション。やっぱ佐藤さんの情景描写は素晴らしい!。レースの部分はまるで小説を読んでいるようだ。特に末續選手。この本は「一瞬の...
北京五輪で銅メダルを取った日本の4×100mリレーのメンバー5人をその前年の大阪で開催された世界陸上から北京オリンピック開催の直前までをレポートしたノンフィクション。やっぱ佐藤さんの情景描写は素晴らしい!。レースの部分はまるで小説を読んでいるようだ。特に末續選手。この本は「一瞬の風になれ」の執筆後に取材を始めているのですが、末續選手が次男坊でほったらかしにされるから「僕はここにいるぞ」って常にアッピールしなければならなかったのが、かけっこで先頭走ることに繋がったって、これ「一瞬の風になれ」の主人公そのものですよね。びっくりしました。たまーに、おばさんモード全開で取材時に食べた食事が「おいしかった!」とか書かれてるところもご愛嬌。5人5様。それぞれ方法は違うけれど、決勝レースに向けてギリギリに体を研ぎ澄ましていくのは本当に「限界に挑戦」しているのだなぁと思った。
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