ぼくらは海へ の商品レビュー
男の子の心情がよく解かったような気になれる一冊。[more] けど、山場らしい山場はどこだったのかと首を傾げてしまった。それに児童文学とは思えないショックな結末で胸苦しい。
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今年に入り、ややダーティな那須作品をいくつか読んだが、この作品が一番凄かった。 素晴らしいと思った。 鬱屈した少年たちの、それぞれの心の動きがリアル。 狭い学校、教室、プール、塾と、それらの世界から解き放たれた、埋め立て地とそこでの船造り、少年たちの微妙な力関係など、家庭の事情や...
今年に入り、ややダーティな那須作品をいくつか読んだが、この作品が一番凄かった。 素晴らしいと思った。 鬱屈した少年たちの、それぞれの心の動きがリアル。 狭い学校、教室、プール、塾と、それらの世界から解き放たれた、埋め立て地とそこでの船造り、少年たちの微妙な力関係など、家庭の事情や、それぞれの性格エピソードを丁寧に描き、一人一人が、まさにそこに生きている人間のように見えた。 海へ、船へ、という巨大な動きのエネルギーに、取り憑かれた子も、やや距離を持って見ている子も、何度も飽きたりした子も、それぞれが自分のゴールに向かって全力で走り行くラストに、(展開は苦々しいにも関わらず)私はどこか救われた想いもした。 それぞれの子について さとし、那須キャラらしい主人公。やや影があるが、そつ無く何でもこなしそう。まさくんと仲良しなのがいい。 まさとし、モーちゃんで、この作品の良心。良くも悪くも、彼の狡さ、動かなさにホッとする。読者の代わり。 いさむ、陽気な流れ者。こういう人、好きだよ。彼は何も知らずに去っていったのだろうか。子供時代の人間関係のドライさもまたリアル。 しろう、ヒロイン(ちがいます)。泣ける。泣けるんだよ。胸が痛い。守ってあげたい。この舞台である80年代にはこんな家庭がまだあったし、たぶん今もある。 やすひこ、出来杉くん。この子の学力は学校内だけのものなの??塾の力関係と、学校の学力の違いがよくわかんなーい。 しげお。ジャイアン。 くにとし。大人。真性ヒロイン(ちがいます) 彼で〆る展開に胸があつくなった。 そうだよ、ダイナマイトだよ。 那州雪絵さんの短編マンガ「冒険者たち」を思い出した。 子供だけの漂流に失敗して、戻ってきた男女が高校生になったときの話。 あれもいいです。 作者はナス違いだけど、ここにメモしておく。
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ズッコケシリーズ大好きだったのに。 思考が共感できたり、できなかったりギャップが激しいし、最後はファンタジーかのようだし。
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スタンドバイミーで、リバーフェニックスが心情を吐露するシーンを思い出した。 闊達な子たちであってもその家庭環境にはいろいろある。おとなに見える世界と子どもに見える世界は違う。そんなことを思い起こさせてくれる。
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ぼくらは海へ(文春文庫) 著作者:那須正幹 発行者:文藝春秋 タイムライン http://booklog.jp/timeli/users/collabo39698 発表当初、そのラストシーンが多くの子供の心を揺さぶった巨匠。 少年時代の友情、希望、夢現実が詰まった衝撃作。
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子どもは形が小さいだけの大人。 教育関連の仕事をしていて、こういうふうなことを語れる人を私は尊敬しており。子どもだって、毎日いやなこともありうれしいこともあり、悩んだり苦しんだり、じょうずにごまかしたりしながらやり過ごすこともあり、いろんな理不尽や矛盾や闇や毒にまみれながら、生き...
子どもは形が小さいだけの大人。 教育関連の仕事をしていて、こういうふうなことを語れる人を私は尊敬しており。子どもだって、毎日いやなこともありうれしいこともあり、悩んだり苦しんだり、じょうずにごまかしたりしながらやり過ごすこともあり、いろんな理不尽や矛盾や闇や毒にまみれながら、生きている。 たいていの児童書は、そこを端的に描いて、でも希望があるよ、がんばろうよ!乗り越えたからでこその今だね!笑顔がいいね!なんてなことを書いて終わる。でもこの本はちがう。煮え切らないものを抱えながら言葉や態度にできないもどかしさ、人のもつ、汚い汚い部分に気づいたときの恐ろしさ。そんなものを大人のそれと共に丁寧に描き、最後まで、希望は描かない。あとは自分で考えろ、だ。 読み終わった直後は、なんでこんなものを、那須さんの文庫なんて珍しい!なんてノリだけでブックオフにて買ってしまったんだろう、となんともいえない苦い気持ちになったけど、あさのあつこさんの解説が秀逸で救われた。感じたことが言葉になってて、涙しながら読んだ。 那須正幹といえば「ズッコケ三人組」シリーズだけど、あれだって、すごくリアルな少年を描いているからこそのベストセラーだ。 ときどき、那須さんのダークな児童書に出会う。『そうじ当番』はいまも家にある低学年向けの、毒ある児童書だ。 子どものリアルが、ここにもあった。 そして大事なこと。文章が美しい。
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生まれた年代が微妙に主人公とかぶる 子供のころ秘密基地や自分たちで大人に内緒で何か作ったり、 あのころのドキドキ感を思い出させてくれる1冊 約30年前の作品、自分の中にストンと落ちた・・
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久々の星5つ本。『君たちはどう生きるか』みたいにぐさっとくる本。読み進めると止まらなくなって、終わり方が衝撃的過ぎて思わず「まじか」とつぶやいてしまう。
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児童文学というには畏れ多い。人間関係の機微を少年たちの船造りが軸となって描き出される。それは子供の世界だけじゃ無く大人の世界も存分にえぐり出す。最期虚無的になって行く二人に悪霊のスタヴローギンを感じなくもない。
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まさかのラストが衝撃的でした。 彼らのなかにある、もやもやとした何か… それを生み出してしまったものは何だろうかと考えるととても悲しくなりました。
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