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の商品レビュー

3.6

48件のお客様レビュー

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2021/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 帯には「自伝的小説」とあったが,おそらくほとんどのことは事実なんだと思う。自らのオモニをめぐる人々の生き方を中心に書かれた自伝的小説。  文字を書けず,読めもしなかったオモニの言葉には,生きて体験してきたからこその内容が含まれていて,一言一言が重く感じる。 母。それは、いつの時代にも子供たちの心を虜にせずにはおかない。幼少の頃,子供以外の何者でもなかったすべての者にとって,母は絶対的な存在だったはずだ。たとえそれが,激しい愛憎をともなっていたとしても。 と「プロローグ」の冒頭にある。まさに,だからこそ,姜尚中は「母(オモニ)」を公にする価値があると判断したのだろう。「母」というのは,だれにも通じる話題。そして,共に考えることのできる話題なのだ。  戦争中の日本に生きて,朝鮮戦争でふるさとが分断され,日本では差別的な待遇を受けながらも生きてきた在日の人たち。そのまっただ中を生きてきた「オモニ」の姿は,とても強くて,優しくて…。  姜尚中氏の文章は,とてもきれいな日本語だ。わたしなど,使ったこともない言葉で表現している。もっともっと言葉の勉強もしたいなと思わせてくれる本でもあった。  最後のオモニからのテープは,よかった。

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2017/12/17

姜尚中本人と言うよりは、タイトル通りその母の人生が綴られ、その中に姜尚中のルーツや在日の苦悩が垣間見える。作者の著書である心とは異なるアプローチによって自らを模索するような、姜尚中あるいは在日特有の感受性が浮き出ているように感じる。 読んでいてどうしても、孫正義の育ちと混乱して...

姜尚中本人と言うよりは、タイトル通りその母の人生が綴られ、その中に姜尚中のルーツや在日の苦悩が垣間見える。作者の著書である心とは異なるアプローチによって自らを模索するような、姜尚中あるいは在日特有の感受性が浮き出ているように感じる。 読んでいてどうしても、孫正義の育ちと混乱してしまうシーンがある。それほど、戦後の在日のおかれた環境が似通ったものだったという事だろう。 国を持たない人たちのある種の強さは、自らの立場が常に揺らぐ中において、同族の人間関係や、お金や教養といったものを普通以上に大切にするからかも知れない。

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2013/08/29

韓国のお母さんってこんなにいい人なの?と感動しました。 母をお願いを読んだ後だから、なおさら思うのかも。

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2013/08/26

戦前に釜山の近くののどかな町を離れ、異国日本へ、そして熊本に渡った女性の一代記であるとともに、終戦直後の貧しい日本、そして朝鮮人差別などを生々しく描いています。著者が母からは「テツオ」と呼ばれ、友人からも永野と呼ばれ、在日としての出自を思い出すことさえ、厭うていたが、韓国を訪問し...

戦前に釜山の近くののどかな町を離れ、異国日本へ、そして熊本に渡った女性の一代記であるとともに、終戦直後の貧しい日本、そして朝鮮人差別などを生々しく描いています。著者が母からは「テツオ」と呼ばれ、友人からも永野と呼ばれ、在日としての出自を思い出すことさえ、厭うていたが、韓国を訪問し、叔父に会ったのち、「姜尚中」と名乗る変化は感動的な部分です。今から僅か60年ほど前の在日の悲惨な生活に心が痛みます。

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2013/06/01

ちょっとイメージと違った感があるんだけど、読んでみるとやっぱりーな感じでした。母への追悼もこめて思いを書き上げたんでしょうね

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2013/04/19

はじめて読んだ姜尚中さんの著書。 以前に読み書きの出来ないお母様のことを話されて いたことを思いだし、読んでみた。 文章が尚中さんのあの、穏やかな語り口調そのまま だった。内容は壮絶なものであるにもかかわらず。 尚中さんの著書をもっと読んでみたくなった。

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2013/02/03

母から「悩む力」をもらって、それ以来この方の文章力に引き込まれてしまっている。感動・・やっぱりリスペクトできる人物、文章、そしてオモニ・・でした!

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2013/01/12

こういうご時世だからこそ読みたかった。 思っていたよりも読みやすい。逆にさらっとし過ぎかも。もう少しオモニの熱さを表してもよかったのでは。

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2012/12/04

オモニの優しいことばが、まるで子守唄のように温かな世界を紡ぎ出す。 政治学者姜尚中氏初の自伝的小説。 姜氏の、母に対する愛情の深さが言葉の端々に顕れている。 「母。それは、いつの時代も子供たちの心を虜にせずにはおかない。幼少の頃、子供以外の何者でもなかったすべてのものにとって、...

オモニの優しいことばが、まるで子守唄のように温かな世界を紡ぎ出す。 政治学者姜尚中氏初の自伝的小説。 姜氏の、母に対する愛情の深さが言葉の端々に顕れている。 「母。それは、いつの時代も子供たちの心を虜にせずにはおかない。幼少の頃、子供以外の何者でもなかったすべてのものにとって、母は絶対的な存在だったはずだ。たとえそれが、激しい愛憎をともなっていたとしても。」 冒頭のこの言葉がずっと心の中に残る。

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2012/08/27

いろいろな本を知り、世界がまた広くなりました。今後も参加したいです。皆さんのお話もたのしかったです。

Posted byブクログ