母 の商品レビュー
日本と韓国の複雑な歴史背景のもとに、筆者の母の人生が語られる。 よんで、感動してしまった。人は、一人で生きるのではない。家族のみならず、多くの人にささえられ、はぐくまれ今がある。そんなことをかんがえてしまった。
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著者の母親の人生を辿って、在日韓国人の苛酷な生き様を描いた作品。しかしその文体は軽く、サラッと読めます。姜氏の母に対する思いが伝わります。
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テーマが重いので構えて読んでいたけど、構えなくても良かった。凄く綺麗な文章で息子から母に捧げるプレゼントのような物語。 祖父母から続く苦しい歴史を乗り越えて今の姜尚中氏があるのだと改めて確認させられる。 「やっぱり学があると違うね」という息子を自慢に思う母の気持ちがいいな、と...
テーマが重いので構えて読んでいたけど、構えなくても良かった。凄く綺麗な文章で息子から母に捧げるプレゼントのような物語。 祖父母から続く苦しい歴史を乗り越えて今の姜尚中氏があるのだと改めて確認させられる。 「やっぱり学があると違うね」という息子を自慢に思う母の気持ちがいいな、と思った。
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作者:姜尚中の母親の一生を描いた小説。 「オモニ」は日本の植民地支配下だった朝鮮半島で生まれ、その後日本へ渡ってきた在日一世。 16歳で日本に渡った「オモニ」の人生を小説風に綴っています。 政治的な話や、思想的な話はほとんどなく、ただただ作者の母親に対する思いが描かれています。 ...
作者:姜尚中の母親の一生を描いた小説。 「オモニ」は日本の植民地支配下だった朝鮮半島で生まれ、その後日本へ渡ってきた在日一世。 16歳で日本に渡った「オモニ」の人生を小説風に綴っています。 政治的な話や、思想的な話はほとんどなく、ただただ作者の母親に対する思いが描かれています。 とても読みやすいので一度目を通してみてはいかがでしょうか?
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姜 尚中 の母の一生が描かれている。 現在の韓国で生まれ、16歳で結婚のため来日。 戦争と貧しさと、チョーセンと日本人の境遇の違い。 度重なる友人・親戚の不遇。 母国の分裂と肉親との別れ。 在日1世の体験してきた壮絶な人生が描かれていると感じました。 著者の2世である姜 尚中 ...
姜 尚中 の母の一生が描かれている。 現在の韓国で生まれ、16歳で結婚のため来日。 戦争と貧しさと、チョーセンと日本人の境遇の違い。 度重なる友人・親戚の不遇。 母国の分裂と肉親との別れ。 在日1世の体験してきた壮絶な人生が描かれていると感じました。 著者の2世である姜 尚中 の抱えるアイデンティティーの問題と1世の抱える問題ではまた性質の異なるものであるのだろうと思いました。
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「どんなところに生きていても、陽は昇り、そして陽は沈む。変哲もないありふれたことだ。でも、その当たり前を当たり前と思えなかったのはなぜだろう。そうだ、ありのままでいいんだ、ありのままで。父と母がこの国で生まれ、そしてわたしは偶さか日本で生まれた。ただ、それだけのことじゃないか。な...
「どんなところに生きていても、陽は昇り、そして陽は沈む。変哲もないありふれたことだ。でも、その当たり前を当たり前と思えなかったのはなぜだろう。そうだ、ありのままでいいんだ、ありのままで。父と母がこの国で生まれ、そしてわたしは偶さか日本で生まれた。ただ、それだけのことじゃないか。ならばありのままで生きよう」 図書館の新刊コーナーにあったのでラッキーと♪ 結構話題になっていたから、その点で読めてよかったー リリー・フランキーの『東京タワー~』よりかは、好み。 感情的にならず、比較的冷静に書かれているのが良かった。 そして、やはり何よりも忘れていけないのが、 在日、であるということ。 このこと抜きで、この物語はなくって、 このこと抜きで、この親子の関係は語れない。 多分究極的に、そういうのは当事者じゃないと理解できないんだろうなぁ。 いくら本を読んでも、話を聞いても、根本的には理解できないんだろうなぁ。 そんなことを感じた1冊。 お母さまへの愛に感激。 私には、そんなに必要な本ではなかったかもしれないけれど、流行るのも分かる1冊なのでした。 【8/31読了・初読・大学図書館】
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自伝のようだけど小説のような、読みながらあれって思ってしまう微妙な時系列がリアル感を欠いてしまったように感じた。 韓国人であれ日本人であれ戦後の日本の貧しい世の中を生き抜く力強さには感心しました。国は違っても子を思う母の気持ちは一緒なんだと実感。 苦労のひとつひとつが現在のスマー...
自伝のようだけど小説のような、読みながらあれって思ってしまう微妙な時系列がリアル感を欠いてしまったように感じた。 韓国人であれ日本人であれ戦後の日本の貧しい世の中を生き抜く力強さには感心しました。国は違っても子を思う母の気持ちは一緒なんだと実感。 苦労のひとつひとつが現在のスマートな姜尚中さんにつながっているんだ
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より多くの人に読まれるべき本だと思う。 在日一世の日常の記憶(歴史)は、 それを取り囲む環境から、容易に語られなかったことが多い。 だから、彼らの辿ってきた足跡は、 過酷だったにもかかわらず、 脆く消えてしまいかねないのではないか。 母を中心とした著者の家族の営みが細やかに...
より多くの人に読まれるべき本だと思う。 在日一世の日常の記憶(歴史)は、 それを取り囲む環境から、容易に語られなかったことが多い。 だから、彼らの辿ってきた足跡は、 過酷だったにもかかわらず、 脆く消えてしまいかねないのではないか。 母を中心とした著者の家族の営みが細やかに書き込まれ、 そのひとつひとつ、些細な出来事の中にこそ、渦巻く葛藤が浮き上がる。
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姜さんの母に対する想いが、穏やかで淡々と書かれている気がします。こぼれるほど、溢れ出てくる想いがあるのにサッパリと読めてしまう。そんな所に姜さんの人柄がチラリと見えるかな、なんて思ったりした作品でした。
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「お前はいつも、ずっと先のことばっかり見とるごたる。ばってん、足元も見らんと。そのふたつができれば鬼に金棒たい---。」 これは母(オモニ)の言葉で心に残ったもの。 喧嘩しても、離れていても、時が経っていなくなっても・・・ 母は母。息子は息子。 字の読めない母(オモニ)が、い...
「お前はいつも、ずっと先のことばっかり見とるごたる。ばってん、足元も見らんと。そのふたつができれば鬼に金棒たい---。」 これは母(オモニ)の言葉で心に残ったもの。 喧嘩しても、離れていても、時が経っていなくなっても・・・ 母は母。息子は息子。 字の読めない母(オモニ)が、いくつもの時代を生きて、苦労して、涙を流して、たくさんの大切な人と別れて・・・・ 最後に遺した言葉は・・・「幸せだったばい。」 母が生きた証を、家族絆と共に刻みつづける息子。 世界にひとつだけの、母と息子の物語。
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