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ザ・ロード の商品レビュー

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97件のお客様レビュー

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    23

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2015/05/04

二人のセリフは多くを語っていないが、それでこそ文字通りの意味ではなく深みに潜む本心や疑問を考えさせられる。場面設定も多くのことが捨象されている。なぜ世界は荒廃しているのか、母はどうしているのか、向かう先に何があるのか、なぜ二人は生き残っているのか。あらゆることを捨象することで二人...

二人のセリフは多くを語っていないが、それでこそ文字通りの意味ではなく深みに潜む本心や疑問を考えさせられる。場面設定も多くのことが捨象されている。なぜ世界は荒廃しているのか、母はどうしているのか、向かう先に何があるのか、なぜ二人は生き残っているのか。あらゆることを捨象することで二人の関係性がより浮かび上がり、二人を取り巻く世界が無限に広がる途方もなさを感じさせる。自分は無限に絶望を感じたが。

Posted byブクログ

2015/04/22

終末を迎えようとしている世界で、父親と子供が南を目指して進んでいく。ほとんど絶望しかなく、あたたかいのは親子愛だけ。ラストは涙が止まらなかった。それがどういう涙なのかは読んでみてください。いつかくるであろう終末に備えなくてはと思った。今の地球がこうならない保証はない。

Posted byブクログ

2014/09/16

終末後の世界をただひたすらさまよう、父と息子の親子二人の話。 その日を生きれるかどうかもわからない日々を送る様子が語られる。親子の会話で成り立っている物語といえる。不思議な話。最後はよかったのか救われたのかよくわからないまま結末となる。

Posted byブクログ

2014/07/06

父の視点。息子の視点。2つの視点で感情移入をしながら読んだ。物語が終わった時に感じたのは、一言で言い表すことができない温かなものが、父から子へと間違いなく伝えられたという確信だった。そんなすばらしい場面に立ち会った気にさせられる物語。

Posted byブクログ

2014/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画化によって話題になっていた2010年に、シンガポールの日本人向け本屋で購入。しかし、途中であまりにも読むのがつらくなって、読み終わったのは2014年・・・と言う感じで随分時間がかかった(あきらかにかかりすぎ)。 本書の舞台となるのは、おそらく核戦争により人類のほとんどが死滅してしまった後の北米大陸。主人公の男性は息子とともに、「火を届ける」という漠然とした言葉とともに、南の海岸へと向かう。すでに荒廃しきったこの世界では、飲み物や食べ物をめぐって他の人間との争いがあり、人食も行われている。そういった「枯れ切った」世界を主人公と息子はひたすら歩き続ける。 日本のゲームやファンタジーとともに育った僕は「読み進めれば、この世界がこうなってしまった」理由がわかるのでは、と期待をするのだが、その期待はエンディングまで満たされずに終わる。世界がなぜこうなったかという「大きな物語」にはいっさい触れられず、父親は病死をし、息子は道行く家族に拾われ旅を続ける・・・というのが本書の結末だ。 カテゴリとしては本書をSFに分類したが、これはかなり強引なカテゴリわけで、実際には「文学」とするのが正しいと思う。宗教的なテーマや訳文越しであっても伝わってくる美しい文章は、読者をまるでその世界で主人公と一緒に旅をしているような気分にさせてくれる。 一方でSFやミステリのようなカタルシスとは最後まで無縁の作品でもある。映画版は見ていないのだが、精神的に元気なときでないと、とてもではないが見る気にはなれない。そういう意味で読み手を強く選ぶ作品であると思う。

Posted byブクログ

2014/04/09

以前、「天地明察」の冲方丁さんがTV番組で紹介していた1冊。SFだと思ってましたが、これは何になるんでしょうか?  何らかの原因により、消失し灰で覆われた世界を息子と二人、「火」を運びながら何かを求めて旅をします。 ここで言う「火」とは、心とか魂とか、そう言う感じのもの。太陽も...

以前、「天地明察」の冲方丁さんがTV番組で紹介していた1冊。SFだと思ってましたが、これは何になるんでしょうか?  何らかの原因により、消失し灰で覆われた世界を息子と二人、「火」を運びながら何かを求めて旅をします。 ここで言う「火」とは、心とか魂とか、そう言う感じのもの。太陽も霞んでいる世界は、暗くどこにあるか分からない未来。もうどこにも無いかもしれない希望を探して、息子を守りながら、ひたすら歩き続ける。 上手く表現出来ませんが、この暗いストーリーがなのに、なぜ惹きこまれるのか・・・不思議です。 2007年ピュリッツァー賞を受賞した、ベストセラーだそうです。知らなかった。 暗い絶望の中で、自分を貶める事無く、諦めない。 このレビューを書く事で、この本の良さが整理出来た気がします。

Posted byブクログ

2014/01/05

世界の終わりを描いた小説ということだけ知っていたので、てっきりエンターテイメント小説かと思いきや、これは紛れもない純文学だった。 何らかの原因で文明が崩壊した世界を旅する親子の物語。秩序もなにもかもが崩壊した過酷な世界で生きるために淡々と旅を続けるんだけど、少年の純粋で無垢な心が...

世界の終わりを描いた小説ということだけ知っていたので、てっきりエンターテイメント小説かと思いきや、これは紛れもない純文学だった。 何らかの原因で文明が崩壊した世界を旅する親子の物語。秩序もなにもかもが崩壊した過酷な世界で生きるために淡々と旅を続けるんだけど、少年の純粋で無垢な心があまりにも痛々しい。しかし、物語のラストではもしかしたら、この少年の純粋さがこの荒廃した世界を救うのではないか?と少し感じさせることができた。 少し重たい物語だけど、文学作品としてとても優れたものだと思った。

Posted byブクログ

2013/12/29

映画「悪の法則」を見て、さらにこの作品でピュリッツアー賞受賞しているということで読んでみた。 「悪の法則」もそうだったけど、理由なんか必要無し、淡々と語られ始める究極のハードボイルド 歩き続ける父と息子。 生きていく希望もほとんどなく、息子だけが支えになっている父。 息子がいな...

映画「悪の法則」を見て、さらにこの作品でピュリッツアー賞受賞しているということで読んでみた。 「悪の法則」もそうだったけど、理由なんか必要無し、淡々と語られ始める究極のハードボイルド 歩き続ける父と息子。 生きていく希望もほとんどなく、息子だけが支えになっている父。 息子がいなければ、自殺しているかもしれないし、略奪者になっているかもしれない。 場面は究極だけど、自分にとっての子どもってのも、そういう所があると思う。 最後がわずかだけど希望へとつながるストーリーになっている点だけが救い。

Posted byブクログ

2013/08/10

燃え尽きた世界。灰に覆われた世界。南を、海岸を目指す少年と父親。善いもの。火を運んでいる。頭に入れたものはずっとそこに残る。

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2013/07/08

父と息子の愛、父から息子へ受け継がれていくものの話。 焼け跡以外何も無い終末世界だからこそ父と息子の関係の描写が研ぎ澄まされる。 尋常じゃない過酷な終末世界描写の中にあってすらほのぼのとしてしまう息子の可愛さに父の愛情の深さがわかる。 物語は一歩一歩旅を進める親子と同じように進み...

父と息子の愛、父から息子へ受け継がれていくものの話。 焼け跡以外何も無い終末世界だからこそ父と息子の関係の描写が研ぎ澄まされる。 尋常じゃない過酷な終末世界描写の中にあってすらほのぼのとしてしまう息子の可愛さに父の愛情の深さがわかる。 物語は一歩一歩旅を進める親子と同じように進みが遅い。傾斜のゆるい螺旋階段の様にループしながらちょっとずつ上に上がって行く。 何らかの災いで一瞬にして破滅してしまった世界という舞台の作りこみが凄いところにSFとしての面白さがある。「核戦争後」ではないところが、よくある世界観にならず興味を引き付けて読み進めさせる推進力にもなっている。

Posted byブクログ