あの日にかえりたい の商品レビュー
お初の作家さん。 直木賞候補作であるとのことで読んでみました。 どれも死がテーマになっている短編集です。 表題のお話は、一押しだから表題にもなったのだろうけど、私の中ではしっくりこなかったな。 この老人があの日に帰りたいと思ったのは、本当にこのお話のラストのような気持ちだ...
お初の作家さん。 直木賞候補作であるとのことで読んでみました。 どれも死がテーマになっている短編集です。 表題のお話は、一押しだから表題にもなったのだろうけど、私の中ではしっくりこなかったな。 この老人があの日に帰りたいと思ったのは、本当にこのお話のラストのような気持ちだったのかな・・・・ そうか~と思う反面、なんかしっくりこない感じがしています。 私が好きなのは、地震にあった少年の話「翔る少年」とウォーキングでであった女性とのお話の「夜、あるく」です。 「翔る少年」は少年の優しさと母親の愛情がグッときて、涙が止まりませんでした。 「夜、あるく」は救われたような気持ちになりました。 全部死がテーマになっているので、重いっていえば重いんですが、美しい。 美味く表現が出来ませんが、静かで美しいな~と思いました。 そのせいか、強い感動とかそういったものは、少なかったように思います。 きっとのこの本は、読み取る力が強い人が読むと、違ってくるような気がします
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真夜中の動物園ってとっても良い話なんです。市の職員採用試験で「ゲンギョウショク(現業職?)」で採用されると、市立動物園の飼育係になれるとは知りませんでした。子供の頃、動物園の近くに住んでいて、動物園でよく遊んでました。小学生は無料でした。夕方の閉園間際にいくと餌をあげているのを見...
真夜中の動物園ってとっても良い話なんです。市の職員採用試験で「ゲンギョウショク(現業職?)」で採用されると、市立動物園の飼育係になれるとは知りませんでした。子供の頃、動物園の近くに住んでいて、動物園でよく遊んでました。小学生は無料でした。夕方の閉園間際にいくと餌をあげているのを見る事が出来ました。獣医師にならないと動物園で働けないと思っていたのと、獣医師になるほど学力が無かったので、今は普通の会社員です。でも、この本の他のストーリーも合わせると、憧れの職業についても、、、
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表題作、翔る少年が良かった。 短編集‥真夜中の動物園、へび玉、did not finish.夜歩く
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過去と時間軸が交錯するせつない短編集。僕らは「過去」に生きている。ぼくは、好きな1冊でした。2010年夏の1冊目。
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乾さん初読み。著者の故郷・北海道を舞台としたノスタルジックな短編集。私好みの不思議系の良い話が並ぶ♪話自体はありがちで斬新さは感じないものの、とにかくストーリーテリングの巧さが際立つ。感情移入し易く、引き込まれた。いじめられっ子や、くたびれた大人が物語の語り部の小編が多く、著者の...
乾さん初読み。著者の故郷・北海道を舞台としたノスタルジックな短編集。私好みの不思議系の良い話が並ぶ♪話自体はありがちで斬新さは感じないものの、とにかくストーリーテリングの巧さが際立つ。感情移入し易く、引き込まれた。いじめられっ子や、くたびれた大人が物語の語り部の小編が多く、著者の視線の低さが窺える。作者は結構、苦労人なのかも知れない。表題作と「翔る少年」は特に良かった。 誰しも忘れ難い大切な思い出があるかと思うが…、その心の琴線に触れて来る作品である。貴方にとっての忘れられない「あの日」とは何時だろうか?
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◎第143回(平成22年度上半期)直木賞候補作品。 2010年8月28日(土)読了。 2010−69。
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生と死をテーマにした短編集。 特に『翔る少年』は涙、涙・・・ 色々な方向から死を見つめて、残された者たちが 明日に向かってどう再生していけばいいのかを綴っている。
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生と死が交錯する時間がもたらす優しい物語でした。6編の短編のほとんどが、正直、読み始めてすぐに仕掛けがわかってしまうのだけど、それでもいいかなぁ、と思わせるタッチで。北海道出身の乾さんらしく、みな、北国を舞台にしたお話で、東北の出の私にはしっくりくる雪の冷たさ、空気の肌感も嬉しか...
生と死が交錯する時間がもたらす優しい物語でした。6編の短編のほとんどが、正直、読み始めてすぐに仕掛けがわかってしまうのだけど、それでもいいかなぁ、と思わせるタッチで。北海道出身の乾さんらしく、みな、北国を舞台にしたお話で、東北の出の私にはしっくりくる雪の冷たさ、空気の肌感も嬉しかったです。私は、「へび玉」が一番好きだったかなぁ。女子高の仲良し5人組が、卒業前に15年経ったら集まろう、と約束。33歳になった主人公は、なにものにもならなかった自分にうっ屈した思いを抱きつつ、約束のグランドに行って花火をしていたら…。ネタばれです。夢を実現することなく卒業間際に命を落とした4人と、1人生きながらえたけれども、夢を持たない日々を送る主人公。よくあるパターンの物語だけど、どちらもせつなく描かれて、読ませられました。
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著者独特のおどろおどろしいテイストは抑え気味で、いずれも作中人物の意識が時空を超えるファンタジー作品となっている。舞台のほとんどはいつもの北海道。 表題作の『あの日にかえりたい』は、ロマンチックなタイトルにもかかわらず、読後に一抹のわびしさを感じさせる作品。他の作品も、これまで発...
著者独特のおどろおどろしいテイストは抑え気味で、いずれも作中人物の意識が時空を超えるファンタジー作品となっている。舞台のほとんどはいつもの北海道。 表題作の『あの日にかえりたい』は、ロマンチックなタイトルにもかかわらず、読後に一抹のわびしさを感じさせる作品。他の作品も、これまで発表されてきた著者の作品群と比較すると、リアリティーさが不足しているし、話の運びに物足りなさが残る。読み始めてすぐに、その先の展開が読めてしまうのだ。まあ、これまでのレベルが高かったが故の苦言だけれど、、、 ともあれ、この世と彼岸の世界とのはざまで揺れ動く人々の姿がいとおしく描かれている。そういう意味では、二作目の『翔る少年』が秀作。
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今を生きている人に読んでほしい。親子愛、夫婦愛、自己愛、友人愛、言葉や文字にすると気恥ずかしいけど。他者を愛した過程の中で、伝えきれなかったこと、やりきれなかったこと・・・誰にでもあるよね。もう、あの日には帰れないけど。作品としての評価より、自分自身にとって、残りの人生を悔いのな...
今を生きている人に読んでほしい。親子愛、夫婦愛、自己愛、友人愛、言葉や文字にすると気恥ずかしいけど。他者を愛した過程の中で、伝えきれなかったこと、やりきれなかったこと・・・誰にでもあるよね。もう、あの日には帰れないけど。作品としての評価より、自分自身にとって、残りの人生を悔いのないようにと、いまさらながらに思う。 暇な時は立ち読みして適当に購入してますが、久しぶりのヒット。 事前にいろいろ前評判みてから買うのは苦手で、やっぱりこんな本との出会い方が好き。
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