MUSIC の商品レビュー
すごく読み終わるのに時間がかかった。元が朗読用のだからしかたないのかもしれないけど…。音楽を題材にしたJIと祐多の対決シーンは面白かったが、落ちにちょっと不満あり
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古川日出男氏の『Music』を読了。数年前に読んだ彼の作品『アラビアの夜の種族』もなかなかの作品でユニークな題材にうならされたのを思い出したが、本作品は怪作と言っていい作者が作品のあちらこちらで縦横無尽にチャレンジしているのが発見できる素敵な作品だ。野良なのだがその野生を磨き上げ...
古川日出男氏の『Music』を読了。数年前に読んだ彼の作品『アラビアの夜の種族』もなかなかの作品でユニークな題材にうならされたのを思い出したが、本作品は怪作と言っていい作者が作品のあちらこちらで縦横無尽にチャレンジしているのが発見できる素敵な作品だ。野良なのだがその野生を磨き上げ猛禽類ともやり合える様になった猫スタバ、最初は猫のカウットを競う猫ハンターであったのだがある事件をきっかけに猫とのコミュニケーションを口笛で行いスタバと通じ合うようになった少年祐多、街を走る事に際立つ能力を発揮しその能力を皇居で行われた裏レースで見いだされ裏陸上競技の選手にスカウトされその走りの中でスタバと出会った美余、アーティストでありミュージシャンでもあり猫を従え口笛と猫の鳴き声でうねるサウンドを作り出す裕太にチャレンジしそこで天才猫スタバに出会ったJ1、性同一性障害を持ち恋人の死により人生に迷い京都に流れたときに裏社会と戦う謎の女性風団Wにスカウトスカウトされた北川和身、これら一匹と四人が織りなすハチャメチャだが面白い猫冒険物語だ。好き嫌いが分かれる一作だがおすすめです。
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『LOVE』は東京の地理がわからずノりきれなかったけど、この作品は後半から舞台がよく知った京都に移り、まさに音楽にノるように読めた。『LOVE』の登場人物も再登場し、読んでいて楽しい。
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荒木飛呂彦さんの1996年の短編で「ドルチ」というネコが主役の短編があるのですが、あれをまず思い出しました.『MUSIC』という作品、登場人物がスタンド使いと考えると、実にすっきりする. 手長のスタンドの出る芸術家”JI・ザ・キャットキャッチ”. ハーメルンの笛吹きのような猫使い...
荒木飛呂彦さんの1996年の短編で「ドルチ」というネコが主役の短編があるのですが、あれをまず思い出しました.『MUSIC』という作品、登場人物がスタンド使いと考えると、実にすっきりする. 手長のスタンドの出る芸術家”JI・ザ・キャットキャッチ”. ハーメルンの笛吹きのような猫使い”U-TA・ホイッスル”、男女の人格の入れ替わる”カズミ・ジェンダー”、走る超特急"シュガー・アクセル"、灰色の武闘派猫"ブルー・ハンター" まさにスタンドとしか言いようがない. さて、「MUSIC」疾走感がもの凄い小説です. 中でも、セミ、カラス、スタバの食物連鎖の数ページが一番良かった. 食うもの食われるもの、淡々としつつ美しい、ミクロの表現からマクロまで. スタバの必殺「幻の左」、そして「三角飛び」. あれ、野生のネコはほんとにやりかねません. 実家近くのセリ市場には多数の野良猫が生息しています. 中学生の頃、目撃したのは、野良猫がトンビと本気でデカイ魚を奪い合っているシーン. 仮にもタカ目タカ科に属する鳥類の一種であるトンビにネコが戦ってパンチを繰り出すってのは物語の世界だけでないことを知りました.
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相対性理論のことなんて何も知らない。物理学もわからないし、実際の港区にだって数えるほどしか行ったことがない(東京の方)。 だけど、私なりの勝手な読み方で勝手に血肉とした。 合い言葉は「非・フィクション」。 フィクションではないもの。でもノンフィクションとは限らないもの。 誰かの目...
相対性理論のことなんて何も知らない。物理学もわからないし、実際の港区にだって数えるほどしか行ったことがない(東京の方)。 だけど、私なりの勝手な読み方で勝手に血肉とした。 合い言葉は「非・フィクション」。 フィクションではないもの。でもノンフィクションとは限らないもの。 誰かの目線を経由しただけで現実や事実、ジジツは非フィクションになるというのであれば、 私たちはみんな自分という媒介を通して非フィクションを生きていることになる。 だから、一人一人にとって世界が違って当たり前である。 無謀の季節、牛蒡抜きの季節、予感の季節・・・なんだかドキドキする言葉である。 すごく、元気になる。 私は今どんな季節だろう? と自分なりの非フィクションで考えてみる。 無謀の季節!と思えば無謀にだってなれる気がする。だからどきどきする。 そうやって、物語の主人公たちは音楽を手に入れて行った。 現実の世界でも応用可能なフィクション。および非フィクション。 私も音楽、手に入れたい! 現実の、今ここからいくらでも世界が極彩色になる術を教えてくれる本。
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ここらへんは古川日出男、完全にマンネリズムですね。自分の策に、自分の語り口に、溺れてしまっているだけで、こちらを楽しまそうという気がたぶん、もう、ない。いわゆる、ひとりよがり。(12/2/9)
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LOVEの続編。 ずっと読みたかった続編。 相変わらず疾走感に溢れていて、古川日出男の本は読む、よりも、感じるものだと思う。 カナシーもLOVEに出てたんだっけ…? カナシー。 猫と、疾走と、芸術と、都の、ビート。 響き、キキキ。
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「LOVE」に続く、猫小説。 ものすごい野性味とインスピレーションにあふれかえっている。 想像の連鎖、言葉遊びの連続。
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天才的な鳥ハンターの猫がいて、猫語を駆使して1000匹の猫を操る少年がいて、男にして女なあの子が謎の窃盗団にスカウトされて、かつて兎を数えた少女はいまや光速でゴボウ抜きして、世界的な猫アーティストは着想を得るため罠を張る。んで全てを結ぶのは猫と音楽。 それぞれの天才の神話的に大...
天才的な鳥ハンターの猫がいて、猫語を駆使して1000匹の猫を操る少年がいて、男にして女なあの子が謎の窃盗団にスカウトされて、かつて兎を数えた少女はいまや光速でゴボウ抜きして、世界的な猫アーティストは着想を得るため罠を張る。んで全てを結ぶのは猫と音楽。 それぞれの天才の神話的に大袈裟な魔術的挿話が、ねこ的に、音楽的に、反・物語的に重なりつつ、京都を舞台にした第二次鳥ねこ戦争、すなわち本能寺の変を経て、いつの間にやら一つになって、最終的に全部決着してるっていう。一言で言うとめちゃくちゃ変な話。でも好き。 文体はとにかく過剰で説明的で回りくどくて蛇足とか逸脱ばっかしで、1を伝えるのに10を語ってる。一言で言うとビバ無駄な感じ。つまり好き。
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響き、響き。き、キキキ。聞こえてくるよ、猫笛、祝祭、大地の歌声―。青山墓地で生まれた無敵の天才野良猫スタバ。猫笛を操る少年佑多。学校を離れ独り走る俊足の少女美余。恋人を亡くした性同一性障害の北川和身。猫アートの世界的権威JI。孤独な人間たちは一匹の猫によって、東の都東京から西の都...
響き、響き。き、キキキ。聞こえてくるよ、猫笛、祝祭、大地の歌声―。青山墓地で生まれた無敵の天才野良猫スタバ。猫笛を操る少年佑多。学校を離れ独り走る俊足の少女美余。恋人を亡くした性同一性障害の北川和身。猫アートの世界的権威JI。孤独な人間たちは一匹の猫によって、東の都東京から西の都京都へと引き寄せられ、ついに出会う。そして究極の戦争が始まった…。溢れる音楽と圧倒的なビートで刻まれる、孤独と奇跡の物語(「BOOK」データベースより) パンクでロックな小説。 古川さんの感覚に身を任せて読むとよい。
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